- おい、おまいら!みんなで小説を作るぞP10
151 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/04/14(月) 17:36:49.43 ID:MVCQWlNf - この副大使は日系でカトウと言うのだが、アメリカ側ではシャドウと言うあだ名で呼ばれていた。彼は目立たぬよう行動しており、本国からも大使からも馬鹿にされていたが、日本ではとても良い人として知られていた。
彼は、先祖が長崎で被爆した人で原爆反対、戦争反対と言う立場でこっそり何回も広島や長崎を訪れていた。慰霊の行為、平和を祈る行為に国境はないとはっきり言った。 これは日本国政府の耳に入ったし、天皇家のお耳にも入った。 そのため、米国政府の副大使としてではなく、私人として、また戦争被害者の子孫としてこれもひそかに天皇陛下からお言葉をかけられると言う極めて異例の名誉を受けた人で、 これも(本国政府にばれたらどんな制裁が待っているのか分からないからだが)秘密裏にされていたが、日本国政府の人たちからは逆にきわめて尊敬されていた。とても異例な人だった。 カトウは、やっとスミスをつれて引き揚げたが、その際に少しだけ赤旗と立ち話をした。 「失礼しました」日本語でカトウは言った。 「いえ……」赤旗は何と言ったらいいのかわからず、英語を使うのが礼儀なのだが日本語で言う。 「軍は、その……民間人保護のためです。昨日の一件は装甲車が現れ、戦争になりました。我々も……」 赤旗はカトウが苦しいのが分かった。
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