- おい、おまいら!みんなで小説を作るぞ!!
968 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/03/01(土) 21:47:22.06 ID:n6AeGkRY - 県警本部に生華学会から連絡が入ったのは翌日だった。
それによると、老婆は学会員であった。孤独な生活を送っていて身寄りはなく、生活保護で暮らしていた。宗教的には熱心な学会の信者であったが少し精神的に病んでおり、 学会のサポートの下病院に通っていたが入院は本人が希望しなかったのでしていない状態だった。 いつしか、真砂子は異教徒は全員殺すと言う妄想に取りつかれていたと言う。「異教徒は全員殺せ」と言う犬田先生の命令が聞こえると言うのである。 また、近所の公園や小学校の校門の前で奇声を上げると言う問題行動も最近起こし始めて近所の問題人物化していた。ただ、今回の一件は問題人物などと言うレベルをはるかに超えていた。 また、学会は一体どこで真砂子がルガーを手にしたのか分からないと言った。弾薬にしても射殺された時点で三百発以上の9ミリ弾薬を所持しており、それをどこで手に入れたのかは全く不明だった。
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969 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/03/01(土) 21:49:36.51 ID:n6AeGkRY - ルガーに関しては、製造番号がまったくのデタラメであることまで判明していた。つまりこいつは旧ドイツ帝国(第二ドイツ帝国)で
第一次大戦中に生産された銃ではないことになる。9ミリ弾薬も全くの無印であり無許可の密造品である可能性が濃厚だった。 「し、しかし、じゃこの銃は一体何なんだ?」 田中は呻いた。 鑑識の銃器係は冷ややかとさえ言えそうな口ぶりで言った。 「一部の熱狂的なガンマニアが21世紀に入ってから旧帝国の設計図に忠実に作った幻のコレクター用ルガーでしょう。状態的に見ても千九百十年代に製造された銃がこれほど いい状態であると言うのはよほどです。これはもっと調査しないとわからないでしょうがね」 「幻のコレクター用?」 「ルガーの、色々なバリエーションの中にはすごい値段が付いているものもあるんです。この砲兵モデルもそうです。そして、コレクター用とはいえ、 もとをとる必要上から数千丁から数万丁は作られているはずです。そうした銃は別に製造番号を厳密につける必要はないですからね」 「しかしそんな銃がなんで生活保護で暮らしている老女の所に転がり込むんだ」
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970 :政教一致@大阪 ◆hprO1jFx.M []:2014/03/01(土) 21:53:57.21 ID:n6AeGkRY - 銃器係はもっと冷たい声で言った。
「神様仏さまの贈り物なんじゃないですか? この老女は学会だったそうですね」 「らしいな」 「武器として見た場合、こいつは現代の銃と比較すれば問題にならない、欠点が多い銃です。加工に手間がかかるし、独特の作動をする機関部を持っている。作動不良・回転不良の可能性も高いでしょう。 ところが今回の事件ではあれだけ発砲して回転不良は一回もない。銃身が長いと言うのも逆にいえば取り扱いが難しく重いという欠点になる。しかし使いようによっては恐ろしい武器になる。 包丁でも人が殺せるようにね。しかもどこから入手したか一切分からない。謎のままです。おそらくは調査しても分からないでしょう」 「しかし、まだ分らんな。足がつかない非合法の銃でこれより安い銃なんていくらでもありそうだな、今の話だと」 「そうです、だから特殊な使い方のために入れたんでしょう……それこそ今回の事件のような使い方の為に」 「え?」 「大型バックに入れる事が出来、素早く組み立てられて長距離狙撃もある程度可能で連射もできる銃ですよ。もちろん、そういう銃はたくさんありますが大抵は管理が厳しい。 こういう事件に使われないようにとの観点からです」 銃器係はさらに言った。 「これからはこんな事件が増えるでしょう。あの何とかいう横に跳んで生き残った奴」 「涙田って言う奴な、珍しい名前だ」 「あいつみたいな幸運はそうはありゃしませんからね、サインでももらっておくべきでしたよ」
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