- 連続ドラマ小説「二ホンちゃん」44クール目
105 :マンセー名無しさん[sage]:2011/12/04(日) 22:27:26.30 ID:8O3LgEHc - 「頼りにはしていても」
近頃です。EU丁全体がちょっと以上に危ういです。それこそ 今にもどうにかなってしまいそうな程に。 「アテネちゃんにマカロニーノ君にフラメンコ先生にポルとガ ルちゃん?」 「いや、他のメンバーもそれぞれかなりだ」 アーリアちゃんが深刻な顔でニホンちゃんにお話します。 「それこそ今のニホンよりも遥かにだ。皆大変なことになって いるのだ」 「わたしのお家よりも?」 「ニホンの会社は正直なところあの経営陣がどうしようもない がな」 とにかくです。非常に悪い意味で人材豊富な人達だからです。 けれどその経営陣以外はとです。アーリアちゃんは言うのでし た。
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106 :マンセー名無しさん[sage]:2011/12/04(日) 22:34:49.80 ID:8O3LgEHc - 「だがあの経営陣がいなくなればだ」
「それだけでなの?」 「かなり違う。幾ら優れた人材が揃っていても指導者が無能な らばその組織の力はかなり弱まる」 「ええと、それってまさか」 「叔父のことは言わないでくれ」 ナッチおじさんとナッチ会のことはです。アーリアちゃんにと ってもゲルマッハ君にとっても表立ってはお話できない人達だ からです。今も尚。 ニホンちゃんもです。すぐにその話題は止めてなのでした。あ らためてアーリアちゃんにお話しました。 「けれどそれでも。皆何とかやっていけてるわよね」 「そうだな。それは何よりだ」 アーリアちゃんもそのことにはほっとしています。けれどここ で、です。
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107 :マンセー名無しさん[sage]:2011/12/04(日) 22:40:31.66 ID:8O3LgEHc - アーリアちゃん達のお家、ゲルマッハ家が頑張ってEU丁の皆
を支えていることは言わないのでした。そのことを自分から言 う様なアーリアちゃんではありません。自分の功績を誇る様な 娘ではないのです。 だからこのことはあえてお話しません。けれどそれでもなので した。 確かにアーリアちゃんは頑張っています。ゲルマッハ君もです。 その結果です。 ゲルマッハ家はかなりよくなっています。とにかく大変なEU 丁の中で唯一気をはいています。そう、EU丁の中で唯一なの です。 そのことを見た、やっぱり洒落にならない位大変なことになっ ているエリザベスちゃんがです。ゲルマッハ君とアーリアちゃ んに対して言うのでした。
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- 連続ドラマ小説「二ホンちゃん」44クール目
108 :マンセー名無しさん[]:2011/12/04(日) 22:47:38.94 ID:8O3LgEHc - 「ゲルマッハもアーリアも頑張ってはくれていますけれど」
「いや、僕達は特にだ」 「いつも通りやっているだけだ」 「そう、いつも通りですわね」 妙にです。今のエリザベスちゃんは棘があります。 そして、です。その棘のある口調で、です。ゲルマッハ君とア ーリアちゃんに対して言うのです。 「貴方達はいつも通りやる、それだけでこれまでも何かと話題 になってきましたわね」 「一体何が言いたいのだ」 「エリザベス、どういうのだ」 二人もです。ここでエリザベスちゃんの目を見ました。すると その目はです。
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109 :マンセー名無しさん[sage]:2011/12/04(日) 22:54:30.91 ID:8O3LgEHc - とても剣呑で普段以上にシニカルで。その目で二人を見ながら
言ってくるのです。 「あえて言いませんけれど。貴方達の叔父様やその前の反り返 ったお髭の方みたいなことにならなければいいですわね」 ナッチおじさんではなくです。第一次町内喧嘩の時の主役であ った二代目ヴィルヘルムさんのことも言うのです。 「あの方も普通にしていただけでしたわね」 「おい待てエリザベス、それは誤解だ」 「私達にはそんなつもりはない」 二人もエリザベスちゃんのその尋常ではない毒にです。流石に 反論せざるを得ませんでした。ここで言わなくては誤解がさら に酷くなると思ったのです。二人にしてみれば誤解されている のです。
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110 :マンセー名無しさん[sage]:2011/12/04(日) 23:00:35.40 ID:8O3LgEHc - ですがエリザベスちゃんの毒は続いてです。二人に対してさら
に言うのです。 「まさか。第四とかは言いませんわね」 「どういうつもりだ、僕達がまた皆を愛手に大喧嘩をするとい うのか」 「今の時代でそんなことができる筈がないだろう」 二人は今の状況を出してエリザベスちゃんに反論します。本当 に二人にしても必死です。彼等にしてはエリザベスちゃんのそ の誤解を解きたいのです。 けれどエリザベスちゃんはまだです。二人に対してまだ剣呑な 気配のままです。 そしてなのでした。その剣呑さを増してそうしてさらに言うの です。
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111 :マンセー名無しさん[sage]:2011/12/04(日) 23:08:22.61 ID:8O3LgEHc - 今度はポーラちゃんをい連れて来てです。二人でゲルマッハ君
とアーリアちゃんに言います。 「ポーラも。どう思いまして」 「えっと、私は」 「貴女のお家はゲルマッハ家に散々にやられましたわね。それ に貴女御自身も」 「前の町内喧嘩の時よね」 「あの時のこともありますし。二人については思うところがあ りますわね」 「ええと。私にしてはね」 当然ながらポーラちゃんもお家が苦しい状況です。そのことは 否定できません。それでなのです。エリザベスちゃんの何とも 企む目に怯えながらもです。
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112 :マンセー名無しさん[sage]:2011/12/04(日) 23:17:33.93 ID:8O3LgEHc - それでもでした。こう言うのでした。
「二人にはもっと助けて欲しいかなあって。あっ、私は別に今 は二人のことは怖いとか思ってないからね」 「ううん、そう思っていますのね」 「だから。私は二人は怖いとは思っていないわ」 おどおどしています。どちらかといいますとエリザベスちゃん の剣呑な気配の方に怖がっている様です。 「だから。助けて欲しいかなあって」 「ここは細心の注意が必要でしてよ」 ポーラちゃんは二人に配慮した感じです。おどおどとしながら もです。けれどエリザベスちゃんは流石と言うべきかそれを自 分にいい具合に捉えて言うのでした。やっぱりあのエリザベス 家の女の子です。
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113 :マンセー名無しさん[sage]:2011/12/04(日) 23:25:06.58 ID:8O3LgEHc - 「二人共用心なさい。何ならフランソワーズに聞いても宜しく
てよ」 「だから僕達はだ。本当にそんなつもりもないし皆の為に色々 としたいししているつもりだ」 「最早EU丁はそんな時ではない。いや、もうこの地球町自体 がそんな大喧嘩をする様な状況なのか」 二人にしてみれば現実からお話しているつもりです。ですから エリザベスちゃんの今の剣呑な気配には戸惑いを隠せません。 二人とエリザベスちゃんの、二人にとってはとても心外で不本 意な対立は続くかと思われました。 けれどです。ここでなのでした。 ニホンちゃんが急に彼等のところに来てです。こんなことを言 ってきたのです。
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114 :マンセー名無しさん[sage]:2011/12/04(日) 23:32:40.55 ID:8O3LgEHc - それはまさに飛んで来たといった感じでした。そして物凄く興
奮した調子でお話するのです。 「皆大変よ。あの人が復活してきたのよ」 「あの人!?」 「誰だ、それは」 まずはゲルマッハ君とアーリアちゃんがニホンちゃんに対して 尋ねました。 「復活というから過去に何かあった人なのはわかるのだが」 「それで一体誰なんだ」 「ダディーヤナさんよ」 ニホンちゃんがこの名前を出したその瞬間にです。ゲルマッハ 君とアーリアちゃんだけでなく。 ポーラちゃんもエリザベスちゃんもです。飛び上がってなので した。
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115 :マンセー名無しさん[sage]:2011/12/04(日) 23:38:45.29 ID:8O3LgEHc - そしてです。信じられないといった顔でニホンちゃんに問い返
しました。 「ニホンさん、その話は本当でして!?」 「あの伝説の人が甦ったの!?それでまさかって思うけれど」 「そうよ。仮面ライダーにね」 ただ復活しただけではなくです。よりによってそのシリーズで だというのです。 復活したと聞いてです。エリザベスちゃんは先程までの剣呑な 様子を完全に何処かに消し去ってでした。 ニホンちゃんに対してです。こう言うのでした。 「奇跡ですわ。あの方がもう一度あのシリーズに出て下さった なんだ」 「今度は悪役みたいだけれどね」 「それでも出られますのね」 敬意さえ見せています。
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116 :マンセー名無しさん[sage]:2011/12/04(日) 23:45:08.10 ID:8O3LgEHc - そしてその敬意を出したままです。エリザベスちゃんはうっと
りとして言いました。 「流石ですわ。トウエイさん、四十周年にとっておきのことを して下さいましたわね」」 「わたしも信じられない位だから。今皆にお話してるの。それ でわたしのお家に来てもらってるの」 そうしてです。あの伝説の人を一緒に見ようというのです。 その申し出にでる。四人にしてもむべもなく答えるのでした。 「わかった。それならだ」 「私達もよかったらだ」 「行っていい?ニホンちゃんのお家に」 まずはゲルマッハ君にアーリアちゃん、ポーラちゃんがニホン ちゃんに言うのでした。
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117 :マンセー名無しさん[sage]:2011/12/04(日) 23:51:38.56 ID:8O3LgEHc - そしてです。エリザベスちゃんもです。まるでサンタさんから
プレゼントを貰う子供の様になってでした。 「わたくしも。是非」 「勿論よ。皆でね」 こうしてです。四人はいや〜〜〜な対立は忘れてニホンちゃん のお家に向かうのでした。その伝説の人の復活を見る為にです。 その中で、です。ゲルマッハ君とアーリアちゃんがです。ニホ ンちゃんにこっそりと囁きました。 「ニホン君、済まないな」 「危ういところを助けてもらった」 先程までのその嫌になる衝突が収まったことについてです。お 礼を言うのです。 「あのままだと。僕達にとってもエリザベス達にとってもいい ことにはならなかった」 「有り難う」 二人はこうお礼を言います。けれどです。
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118 :マンセー名無しさん[sage]:2011/12/04(日) 23:58:00.19 ID:8O3LgEHc - ニホンちゃんはその二人にきょとんとしてです。こう返すので
した。 「あれっ、何かあったの?わたし全然知らないけれど」 「むっ、ニホン君は知らなかったのか。それならいいが」 「ならいい。忘れてくれ」 「まあとにかくね。喧嘩とか言い合いとかするより皆であの人 を見ようね」 このことにはです。にこりと笑うニホンちゃんでした。 「わたしもびっくりしたから。何かタイムイエローの人がまた 出て来た時以来の驚きだから」 「いや、それはほんの先週の話ではないのか?」 「あの人はレギュラーだと思いたいが」 今回はニホンちゃんの、本人は全く自覚していない急な御招き に助けられた二人でした。こうしたことは誰にもあるにしても どうにも不愉快なことではありますが。
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