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902 :マンセー名無しさん[]:2011/09/11(日) 15:41:14.76 ID:rsRU5qPh - 朝鮮語は、その音韻体系上、ラテン文字(ラテンアルファベット、ローマ字)と相性が悪い。
さらに、国際語となっている英語の話者になるべく原語に近く読んでもらおうとする綴りが合わさって、よく分からないことになっている。 ラテン文字はラテン語を表記するための文字なので、ラテン語に近い音韻体系の文字ほど表記しやすい。 その基準から見ると、日本語はかなりラテン文字に向いた言語だ。 まず子音体系から見ると、破裂音には無声音/有声音の対立があり、これはラテン語と同じだ。 子音の種類もラテン語と似ていて、非常にオーソドックスな体系。 sh, ch、ts、j などのラテン語にない摩擦音・破擦音があるぐらいで、その部分は英語的な表記法で対処している。 母音も、i, u, e, o, a の5つで、ラテン語と全く同じ。何の工夫もいらない。 英語だと、母音の数が全く足りない。米語で単独に短母音として現れるものでも、/ɪ, ʊ, ə, ɛ, æ, ʌ, ɑ/ がある。 英語の綴りの混乱もここに起因するものが大きく、実は英語より日本語のほうがラテン文字表記に向いていることが分かる。
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903 :マンセー名無しさん[]:2011/09/11(日) 15:42:24.22 ID:rsRU5qPh - 朝鮮語の音韻体系を見ると、子音も母音も、ラテン文字で表記するには様々な問題があることが分かる。
まず子音から見ると、最も大きい問題になるのは、無声音/有声音の対立がなく、 代わりに無気音/有気音/硬音の3系列の対立がある。 無気音は条件によって無気無声音と無気有声音の異音を持つが、朝鮮語話者には全く意識されない。 従って、これをどう表記するかによって、子音の表記に様々な表記が生まれる。 例えば、無気音では k/g, t/d, p/b というように無声/有声の異音を書き分け、 有気音では kh, th, ph というようにhを用いて表し、硬音はkk, tt, pp のように重ねて表す方式。 あるいは、有気音をk', t', p' というようにアポストロフィーで表す方式。 また、無気音を(音節末を除いて)常に g, d, b と書き、有気音を k, t, p と書く方式など。 現在、韓国で採用されている文化観光部2000年式では、無気音を語頭でも g, d, b, j と書き、 有気音を k, t, p, ch と書いている。 これは朝鮮語話者には使いやすいが、無気音が語頭では無声音になるため、欧米人などの直感には反する。 釜山を Busan、大邱を Daegu と書くのもこの方式に拠っているため。 ただし、慣用久しい固有名詞はこれに従っていないものも多く、混乱が生じている。 例えば厳密には「金」は Gim、「朴」は Bak になるはずだが、そのような表記は普及していない。 この無気音/有気音の問題は、中国語のピンインでも生じている。 「北京」が Beijing と書いてペイチンと読むのも同じ。 ただし中国音の無気音は、軽声のとき意外は有声音になりにくい。
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904 :マンセー名無しさん[]:2011/09/11(日) 15:43:28.00 ID:rsRU5qPh - 次に母音について。朝鮮語の母音は規範的には少なくとも8つあり、ラテン文字で表記するには問題がある。
/i, e, ɛ, a, ɔ, o, u, ɯ/ の8つが区別され、さらに /y, ø/ も単母音と規定されている。 現在主流の文化観光部2000年式では、/ɛ/ を ae、/ɔ/ を eo、/ɯ/ を eu と表記している。 これは特殊な記号を使わなくてもいいが、長くなってしまうし、間違った読み方をされる可能性がある。 北朝鮮で主流のM-R式では、/ɛ/ を ae と表記するのは同じだが、 /ɔ/ を ŏ、/ɯ/ を ŭ と表記する点が違う。 このような特殊記号を使うと、長くはならないが、記号が勝手に省略されてしまい区別に困ることがある。 ちょうど、日本語の長音表記で ō などを使っても勝手に略されてしまうことが多いのと同じ。 また、慣用的な綴りでは、ハングルの字形に従った綴りが使われている場合もある。 例えば ㅐ /ɛ/ や ㅚ /ø/ (/we/ になることが多い) は、 ae や oe で書かれることが多いが、歴史的には /ai/ や /oi/ 由来で、ハングルの字形もそうなっている。 崔を Choi と綴ることなどはその名残だろう。
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905 :マンセー名無しさん[]:2011/09/11(日) 15:55:35.18 ID:rsRU5qPh - 朝鮮語の固有名詞のラテン文字表記が非常に混乱しているのは、
朝鮮語がラテン文字表記に向いていないこともあるが、 様々な方式が入り乱れていることが一番大きい要因。 どのようにラテン文字表記するかの方針として、例えば英語圏の人を相手に考えるなら、 * なるべく朝鮮語話者に使いやすいように、朝鮮語の体系に従って表記する。 * なるべく英語話者に使いやすいように、朝鮮語の体系に従って表記する。 * なるべく英語話者に使いやすいように、英語の体系に従って表記する。 という3つが考えられる。 例えば日本語の場合、「し」「ち」「つ」「ふ」「しゃ」「しゅ」「しょ」「ちゃ」「ちゅ」「ちょ」を si, ti, tu, hu, sya, syu, syo, tya, tyu, tyo と表記するような日本式ローマ字が一番上にあたる。 日本語の中で完結していて、日本語の音素には最も忠実だが、他言語の話者には使いにくい。 ヘボン式は2番目で、日本語の体系に従いながらも、shi, chi, tsu, fu, sha, shu, sho, cha, chu, cho を使うなど、 部分的に英語話者に分かりやすいような表記法が取り入れられている。そしてこれがほぼ定着している。 最後の方式は、「鈴木一郎」を「Suh zoo key ee chee row」とでも書くようなもので、 英語圏の人には最も分かりやすいが、個別に考えるもので体系的でない性質が強い。 朝鮮語の人名で「朴」を Park と書くような例は最後のパターン。 文化観光部2000年式なら Bak, M-R式なら Pak になる。
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906 :マンセー名無しさん[]:2011/09/11(日) 15:59:12.64 ID:rsRU5qPh - 朝鮮語のローマ字表記法
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E8%AA%9E%E3%81%AE%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%9E%E5%AD%97%E8%A1%A8%E8%A8%98%E6%B3%95 ウィキペディアのこちらの記事にもよくまとまっているので参考にするといい。 「「」を「Bae」と書いて「ペ」と読んだり、「張」を「Jang」と書いて「チャン」と読むのは、 発音を無視しているわけではなく、無気音を語頭でも有声音を表すラテン文字で書くという方針によるもの。 また、ae は /ɛ/ を表しているのであって、/e/ とは表記が違うし、老年層では発音上も区別する。 ただ、「李」で Lee とか、「朴」で Park とかいう慣用的なものが混じっているので、全体として非常に混乱したことになっている。
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912 :マンセー名無しさん[]:2011/09/11(日) 19:25:40.26 ID:rsRU5qPh - 韓国主要都市のラテン文字表記の例
ハングル 漢字 カナ 音素 音韻(老) 音韻(若) 韓2000式 北1992式 M-R式 イェール 福井式 서울 ソウル /sɔur/ [sɔuɭ] [sʌuɭ] Seoul Sŏul Sŏul Sewul Seur 부산 釜山 プサン /pusan/ [pusan] [pusan] Busan Pusan Pusan Pusan Busan 인천 仁川 インチョン /incʰɔn/ [inʨʰɔn] [inʨʰʌn] Incheon Inchŏn Inch'ŏn Inchen Incen 대구 大邱 テグ /tɛku/ [tɛɡu] [te̞ɡu] Daegu Taegu Taegu Taykwu Daigu 대전 大田 テジョン /tɛcɔn/ [tɛʥɔn] [te̞ʥʌn] Daejeon Taejŏn Taejŏn Taycen Daicen 광주 光州 クァンジュ /kwaŋcu/ [kwaŋʥu] [kwaŋʥu] Gwangju Kwangju Kwangju Kwangcwu Goa'cu 울산 蔚山 ウルサン /ursan/ [uɭsan] [uɭsan] Ulsan Ulsan Ulsan Wulsan Ursan 수원 水原 スウォン /suwɔn/ [suwɔn] [suwʌn] Suwon Suwŏn Suwŏn Swuwen Suuen
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913 :マンセー名無しさん[]:2011/09/11(日) 19:27:30.97 ID:rsRU5qPh - 창원 昌原 チャンウォン /cʰaŋwɔn/ [ʨʰaŋwɔn] [ʨʰaŋwʌn] Changwon Changwŏn Ch'angwŏn Changwen Ca'uen
성남 城南 ソンナム /sɔŋnam/ [sɔŋnam] [sʌŋnam] Seongnam Sŏngnam Sŏngnam Sengnam Se'nam 고양 高陽 コヤン /kojaŋ/ [kojaŋ] [kojaŋ] Goyang Koyang Koyang Koyang Goia' 용인 龍仁 ヨンイン /joŋin/ [joŋin] [joŋin] Yongin Yongin Yongin Yongin Io'in 부천 富川 プチョン /pucʰɔn/ [puʨʰɔn] [puʨʰʌn] Bucheon Puchŏn Puch'ŏn Pwuchen Bucen 안산 安山 アンサン /ansan/ [ansan] [ansan] Ansan Ansan Ansan Ansan Ansan 청주 清州 チョンジュ /cʰɔŋcu/ [ʨʰɔŋʥu] [ʨʰʌŋʥu] Cheongju Chŏngju Ch'ŏngju Chengcwu Ce'ju 전주 全州 チョンジュ /cɔŋcu/ [ʨɔŋʥu] [ʨʌŋʥu] Jeongju Jŏngju Chŏngju Cengcwu Je'ju
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918 :マンセー名無しさん[]:2011/09/11(日) 22:06:38.94 ID:rsRU5qPh - >>914
字数をやたらと問題として挙げているが、手書きの場合や読む場合には負担にはならない。
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919 :マンセー名無しさん[]:2011/09/11(日) 22:14:37.84 ID:rsRU5qPh - 改行するつもりで間違えて書き込んでしまった
ハングルは字母を単純に組み合わせて字にするので、手書きする場合や読む場合には、 数千字分を覚える負担には全くならない。平仮名と片仮名全てを覚えるよりも負担は小さい。 UNICODEなどで字数を取っているのが唯一の問題だが、これもハングル自体の問題ではない。 技術的には、字母だけを登録しておいて、字は字母の組み合わせとして表現することも可能だからだ。 例えばインドの諸言語を表記するのに使われるブラーフミー系文字がそのような方針だ。 ブラーフミー系文字は、子音にaがついた音節の字を基本とし、それ以外の母音が付く場合は母音記号を付して表現する。 コンピュータ上では、それぞれの文字の完成形を全てコードとして登録する方法と、 複数の文字の組み合わせとして表現する方法がある。 組み合わせとして表現する場合、コード上での文字数は減らせるが、その代わりに表示の際にかなり複雑な処理が必要となる。 その文字体系ごとの処理にうまく対応していないコンピュータでは、コードがあっても正しく表示できない。 例えばここに出ている例を上手く表示できないコンピュータも珍しくない。 http://ja.wikipedia.org/wiki/Help:%E5%A4%9A%E8%A8%80%E8%AA%9E%E5%AF%BE%E5%BF%9C_%28%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E7%B3%BB%E6%96%87%E5%AD%97%29 ハングルも、技術的にはこのような組み合わせの手法を取ることは可能。ただ、UNICODEでは全ての完成形の字を登録する方針を採った。
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921 :マンセー名無しさん[]:2011/09/11(日) 22:24:02.25 ID:rsRU5qPh - ラテン文字表記は、上で述べたように朝鮮語の音韻体系と相性が悪い。
ラテン語と朝鮮語では子音を弁別する要素がズレているため、 どちらに合わせても朝鮮語話者、あるいは他言語の話者のどちらかに違和感のある表記になってしまう。 欧米語話者に合わせれば、朝鮮語話者には意識されない無声音と有声音の異音を書き分けなければならない。 一方で朝鮮語話者に合わせても、無声音が有声音の字母で表されるなど違和感が大きい。 固有名詞の表記にならともかく、表記のメインとして使うには向いていない。 また、朝鮮語は、音韻環境による形態音韻論的交代が非常に激しい言語だ。 これを、音節を明示しないラテン文字による続け書きで表現するのは非常に難しい。 完全に表音的に書くと、形態素の表記が様々に変わってしまい、視覚的な読みやすさがハングルより大きく落ちてしまう。 一方で、ハングルをそのまま翻字して書いても、綴りと表記が違っていて欧米語話者には読みづらいし、 音節頭か音節末かを明示できないラテン文字では、ハングルのように視覚的に音韻論的交代を分かりやすく表現することができない。 ハングルは朝鮮語向けに開発されただけあって、ハングルの1音素を1字母で表現できるし、 朝鮮語に重要な音節頭か音節末かの区別を視覚的に明示している。 最も良いのはやはり縦書きの漢字ハングル混じりだろうが、ラテン文字にするぐらいならハングルのみのほうがマシ。
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924 :マンセー名無しさん[]:2011/09/11(日) 22:31:14.31 ID:rsRU5qPh - >>920
もちろんハングルのみに1万字も使っているのは、実際に使える文字数がある程度制限されている現状では、あまり良いとは言えない。 ただ、それは文字としてのハングルに責任があるのではなく、ハングルをUnicodeに実装した人々の責任。 ハングルも、やろうと思えば字母24字だけを登録してその組み合わせで表現させることは不可能じゃない。 Unicodeの次の規格では字母の組み合わせにしてもいいだろう。処理技術も進歩しているし。 ただ、その頃には文字数の技術的制限も緩まって、何万字使おうが問題なくなっているかもしれない。 日本語で言うなら、「が」をそのまま1字として登録するか、「か」と「゛」を登録しておいてその組み合わせとして登録するかというようなものだ。
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926 :マンセー名無しさん[]:2011/09/11(日) 22:48:11.50 ID:rsRU5qPh - >>923
ラテン文字で「音節を明示する」とはどうすればいいか? ハングルでは、音節末子音はパッチムとして字の下部に書くことで、視覚的に分かりやすく示している。 これは、元々の仕様である縦書きでは、視線の流れに沿っているので特に適した仕様だが、横書きでも致命的ではない。 もしこれがラテン文字だとどうだろうか。ハングルのように上下に字母を組み合わせるのではなく、横にベタに字母が並ぶことになる。 例えば「食べました」を意味するハングルは「먹었습니다」だが、これをどう表記する? 続け書きで発音を反映し「meogeotsseumnida」か?音節を明示するなら「meok eot sseum ni da」? あるいは翻字で「meok eoss seup ni da」?特殊記号を使うなら「mŏk ŏs' sŭm ni da」? 音節末に来ると子音の対立が中和し、次に母音で始まる音節が来ると音節頭になって対立が復活したり、 音節末と次の音節頭の子音の組み合せにより激音化や濃音化や鼻音化が起こる動的な現象を ハングルは表記を読む際の規則として見事に吸収できているが、ラテン文字ではどれもしっくり来ない。 無声と有声の異音を書き分けるなら、さらにその交代も加わる。そうなると、同一形態素が実に様々な表記になってしまう。 これこそ語源が分からなくなることに繋がるし、可読性が大幅に落ちる。 また、音節をラテン文字で明示するには、分かち書きする、ハイフンやアポストロフィーを使うなどの方法が考えられるが、 分かち書きだと分節ごとの分かち書きと衝突するし、ハイフンやアポストロフィーを音節ごとに入れるのはあまりに冗長。
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929 :マンセー名無しさん[]:2011/09/11(日) 23:14:40.62 ID:rsRU5qPh - >>927
Unicodeに登録されている範囲なら、別に「発音できない」というわけではない。 ハングルにおいて、音節末のパッチムには28種類の字母が来ることができるが、 単独の場合に音節末に実際に現れる発音は7種類しかない。 では残り21種類は無駄なのかというとそうではなく、次に母音が来るとその対立が復活する。 二重パッチムなるものがあるのもそのため。 形態音韻論的表記をする場合、終声には28種類の字母を用意する必要がある。 例えば単独では /kat/ となる音節でも、次に /e/ が続いた場合、/kate/ になる音節、 /katʰe/ となる音節、/kase/ となる音節、/kas'e/ となる音節、/kace/ となる音節、/kacʰe/ となる音節などが有りうる。 それに従って、/kat, katʰ, kas, kas', kac, kacʰ/ などにあたる表記をしている。 初声19種類、中声21種類、終声28種類が有りうるので、その組み合わせで11172種類になる。 ただ、実際には存在しなかったり、滅多に使われない語にしか現れないものもある。 もし「これは実在しない」と簡単に線引きできればいいのだが、実際には稀に使う語に現れるものなどもあるだろう。 そのような線引きは難しい。採用範囲を使用頻度によって限定してしまうと、表記できない語が現れてしまう可能性がある。 日本語において、JIS第一水準や第二水準までの範囲の漢字しか使えないと、表記できない難語や地名や人名が時々現れるのと似た状況だ。 そのような、稀な字の取りこぼしを避けるため、理論上有りうる字は全て登録しておいたのだろう。
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937 :マンセー名無しさん[]:2011/09/11(日) 23:45:01.93 ID:rsRU5qPh - パッチム別に見た、名詞に助詞が付くときの発音(7種)
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org2011036.png パッチム別に見た、動詞の活用(母音語幹と子音語幹2種) http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org2011043.png 縦に4列並べているが、一番上の段が形態音韻論的表示を採用している実際のハングル表記。 二段目が実際の発音に基づいた表音的ハングル。 三列目が音素表記、四列目が音声表記。 単独では平音と発音が変わらない激音のパッチムや、二重パッチムが、 次に母音が続いたときに意味を持ってくることが分かると思う。 実際はこのような交代現象が先にあって、それを表すためにこのような表記法を発明したわけだが。 動詞においても、活用形によって現れる様々な異形態から、形態素の基底形を抽出し、 様々な活用形の表記がなるべく共通するように表記している。 表音的ハングルと、形態音韻論的ハングルにはかなりの差があるが、 形態音韻論的な表記を徹底したことで可読性が向上している。 日本語では仮名一文字だけ取り出しても、どのような語、どのような文法的文脈に現れるのか特定がほとんど不可能だが、 朝鮮語では音節の種類の多さ、このような形態音韻論的表記法により、どのような語、どのような文法的文脈なのか ある程度絞り込むことが可能な場合がある。仮名のみの日本語に比べるとハングルのみの朝鮮語のほうが読みやすいのはこの要因が大きい。
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