- 連続ドラマ小説「二ホンちゃん」40クール目
254 :マンセー名無しさん[sage]:2011/01/28(金) 22:56:25 ID:SoiWImuZ - 「ケベックちゃんも同じ」
カナディアン君の妹のケベックちゃんは元々はあの フランソワーズ家にいました。それで性格はかなり お姉さんに似ています。というかそっくりの性格を しています。 「何時かお姉様みたいな素敵なレディーになってみ せますわ」 「あんなのがもう一人できるってのかよ」 「エリザベスとフランソワーズだけでももうお腹一 杯だっていうのに」 そんな彼女のいつもの言葉に皆心からこう思うので す。 「頼むからそれだけはなあ」 「止めて欲しいなあ」 皆そう思ってです。
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255 :マンセー名無しさん[sage]:2011/01/28(金) 23:03:41 ID:SoiWImuZ - そしてそのうえで、です。カナディアン君もぼやい
ています。 「ケベックって僕に全然なついてくれないんだよね。 何時か独立するんだって言ってるし」 「えっ、カナディアン君いたの」 ニホンちゃんはカナディアン君が横にいたことには じめて気付いたのでした。 「ええと、それで何があったの?」 「・・・・・・また気付いてなかったんだね」 「御免なさい、今イ反面ライダーの脚本を書いてた から」 そちらの方は相変わらず絶好調のニホンちゃんなの です。
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256 :マンセー名無しさん[sage]:2011/01/28(金) 23:09:56 ID:SoiWImuZ - 何はともあれです。ニホンちゃんは本当にカナディ
アン君に気付いていませんでした。 そしてそのうえで、です。カナディアン君にあらた めて言います。 「ええと、それでだけれど」 「うん、ケベックのことだけれど」 「ケベックちゃんがどうしたの?」 「相変わらずなんだ」 カナディアン君の言葉がとほほとしたものになって います。 「僕の言うことなんか全然聞かなくて」 外では誰にも気付いてもらえず、お家ではそんなカ ナディアン君なのです。
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257 :マンセー名無しさん[sage]:2011/01/28(金) 23:15:45 ID:SoiWImuZ - 「もうフランソワーズにばかりなついて。そんなの
だから」 「フランソワーズちゃんにねえ」 ニホンちゃんもこれには少し困った顔になります。 何しろあのフランソワーズちゃんです。クラスにお いて困ったお嬢様の双璧の一人ですから。 そしてお話をすれば現れる、フランソワーズちゃん が二人のところにやって来ました。 「呼びまして、ニホンさん」 「だから何でそこで僕を忘れるのかな、皆」 フランソワーズちゃんもです。カナディアン君のこ とは見事に忘れてしまっています。彼女にしてもそ れは同じです。
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258 :マンセー名無しさん[sage]:2011/01/28(金) 23:22:24 ID:SoiWImuZ - 「あの、僕もいるんだけれど」
「ああカナディアンいましたの」 「これが皆素だからなあ」 誰も悪意なくその存在を忘れてしまう、ある意味に おいて凄いカナディアン君です。 何はともあれです。彼はフランソワーズちゃんに対 してもケベックちゃんのことをお話します。すると こうした返事が返ってきました。 「わたくしは別に貴方のお家のことについてとやか く言うことはありませんわよ」 「あの、それでもケベックはフランソワーズにばか りなつくから」 血を分けたお姉さんの方になのです。
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259 :マンセー名無しさん[sage]:2011/01/28(金) 23:28:40 ID:SoiWImuZ - 「それ、どうにかならないのかな」
「そうは言いましてもわたくし貴方のお家の人間で はありませんし」 ここでは正論のフランソワーズちゃんです。 「ですからそれは言われてもどうしようもありませ んわ」 「うう、じゃあどうすればいいんだろう」 「まあじっくりと時間をかけて兄妹仲をよくしてい けばいいんじゃないかな」 ニホンちゃんは彼女らしいオーソドックスなやり方 を提案しました。 「それでどうかしら」 「それが一番かな」 カナディアン君もニホンちゃんのその言葉に頷きま す。
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260 :マンセー名無しさん[sage]:2011/01/28(金) 23:34:37 ID:SoiWImuZ - 「やっぱりね」
「そうですわね。わたくしもニホンさんの考えが一 番いいと思いますわ」 フランソワーズちゃんもニホンちゃんのその提案に 賛成します。そうしてです。 カナディアン君はとりあえずニホンちゃんの言うや り方でいくことにしました。そうしてそのうえでお 家に帰りました。するとです。 ケベックちゃんがです。いきなりお兄さんにくって かかってきました。 「今すぐにミルクをありったけ買って来るのですわ」 いきなりお兄さんをパシリ扱いです。ある意味凄い です。
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261 :マンセー名無しさん[sage]:2011/01/28(金) 23:40:53 ID:SoiWImuZ - 「いいですわね」
「あの、ケベック」 そのいきなりの言葉に戸惑いながらです。カナディ アン君は妹に問い返します。 「いきなり何かな」 「わたくしフランソワーズお姉様の様に胸を大きく したいのですわ」 弱冠九歳にしてです。フランソワーズちゃんはこん なことを言うのでした。 「胸を大きくする為には牛乳。だからなのでしてよ」 「あの、いいかなケベック」 カナディアン君はその妹さんに対しておずおずとし た態度で言います。 「僕ちょっとね」 「いいですわね」 有無を言わさぬ口調のケベックちゃんです。
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262 :マンセー名無しさん[sage]:2011/01/28(金) 23:46:33 ID:SoiWImuZ - 「今すぐ。十リットルですわよ」
「じゅ、十リットル!?」 その数字を聞いてです。カナディアン君は思わず声 をあげてしまいました。 そのうえで、です。ケベックちゃんに対して尋ね返 すのでした。 「それ、まさかと思うけれど」 「そうですわ。今日飲むのでしてよ」 ケベックちゃんは胸を張ってカナディアン君に対し て答えます。 「これからもずっとでしてよ」 「まさか。そんなに飲むなんて」 カナディアン君は呆然となっています。
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263 :マンセー名無しさん[sage]:2011/01/28(金) 23:53:49 ID:SoiWImuZ - 「身体壊すよ。いや、本当に」
「大丈夫でしてよ。わたくし牛乳には慣れておりま してよ」 ケベックちゃんはフランソワーズちゃんそっくりの 口調で述べます。 「わかりましたら。さあ早く」 「ええと、僕お兄さんなんだけれど」 カナディアン君はささやかな抵抗を試みます。流石 にお家の中までないがしろにされてはたまりません。 ただでさえクラスでいつも誰からも気付いてもらえ ないからといっても。 それでケベックちゃんに対して言うのでした。
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264 :マンセー名無しさん[sage]:2011/01/28(金) 23:59:38 ID:SoiWImuZ - 「だから。そういうのはね」
「ここにはお姉様はおられませんわ」 ところがです。ケベックちゃんは平然として返しま した。 「それでどうして。お兄様に遠慮する必要がありま して?」 「うう、だけれど」 「わかりましたら早く買って来るのですわ」 流石にお金は出します。けれどあくまで買いに行け と言います。最早お兄さんの威厳なぞ何処にもあり ません。 かくしてです。カナディアン君はケベックちゃんの 牛乳を買いに行かされたのです。
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