- 連続ドラマ小説「二ホンちゃん」40クール目
112 :マンセー名無しさん[sage]:2011/01/10(月) 22:39:00 ID:l2w0mCLY - 「ルーマちゃんの笑顔」
ロマニちゃんは車の中で生活しています。浅黒い肌 と黒い髪と瞳がトレードマークです。 元々は馬車の中で生活していて今は車がお家になっ ている娘なのです。特技は占いや歌で占いはかなり 凄いものがあります。 「ほら、フラメンコ先生のお家が舞台になっている あのオペラ」 「カルメンよね」 ニホンちゃんがロマニちゃんのその説明に応えます。 フランソワーズちゃんのお家のオペラの中で最も有 名といっていい作品の一つです。
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- 連続ドラマ小説「二ホンちゃん」40クール目
113 :マンセー名無しさん[sage]:2011/01/10(月) 22:45:28 ID:l2w0mCLY - そのオペラはフラメンコ先生のお家のメゾンリベリ
アが舞台になっていますがその作品の主人公はとい いますと。 「私のお家の人ってことになってるから」 「昔から物凄く色々なお家の人が歌ってきている役 よね」 「それだけでオペラ歌手の名鑑ができる位にね」 その主人公だけでなく相手の伍長さんや元々の恋人 に闘牛士といった役を歌ってきた歌手を見ていれば です。指揮をしてきた人達も驚く程錚々たる顔触れ が連なります。そこまで凄い作品なのです。 「先生のお家の人だけじゃなくてアテネのお家の人 も歌ってるしね」 「あっ、あの人ね」 アテネちゃんのお家の人とは誰か。ニホンちゃんは すぐにわかりました。
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114 :マンセー名無しさん[sage]:2011/01/10(月) 22:51:28 ID:l2w0mCLY - 「カラヤンさんが見つけ出した」
「そう、バルツァさんね」 「あの人も凄かったわよね」 「そうでしょ。とにかく色々な人が歌ってきてるの よね」 ロマニちゃんにとってはそれが自慢の一つだったり します。そのオペラでも占いの場面があったりする のです。 「凄く有名なオペラよね」 「そうよね」 「で、どうニホンちゃん」 ロマニちゃんはここで急に話題を変えてきました。
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115 :マンセー名無しさん[sage]:2011/01/10(月) 22:58:25 ID:l2w0mCLY - 「占いする?」
「ううんと、それじゃあ」 ニホンちゃんはロマニちゃんのお誘いに乗ろうとし ます。けれどここで。 ルーマちゃんがいきなりです。霧の様にニホンちゃ んの傍に来てです。こう囁いてきたのです。 「占いならね」 「えっ、ルーマちゃん!?」 「ええ、そうよ」 その赤い目を細めさせて驚いているニホンちゃんに 答えるのです。 「実は私もね」 「ルーマちゃんもまさか」 「そう。占いが得意なの」 こう言うのです。
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116 :マンセー名無しさん[sage]:2011/01/10(月) 23:04:26 ID:l2w0mCLY - 「これでもね」
「そ、そうだったの」 「意外かしら」 人間離れした青白い肌に口の中から見えるちょっ と長い二本の歯、ルーマちゃんはそういったトレ ードマークを見せながらニホンちゃんにお話する のです。その姿はどうも普通の人間のものには思 えません。 「それは」 「別にそうは思わないけれど」 「じゃあ。ロマニの占いの後でね」 「うん」 「私にも占わせて」 こうニホンちゃんに言います。
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117 :マンセー名無しさん[sage]:2011/01/10(月) 23:10:35 ID:l2w0mCLY - 「そうさせてね」
「うん、それじゃあ」 最近この二人を中心として学校では占いがよく 行われています。けれどそれがあまりにも度が 過ぎまして。 ある先生がです。こう言い出しました。 「学校で占いをするの禁止しようか」 皆があまりにも占いに熱中するからです。それ でこう言い出したのです。 勿論それを聞いたロマニちゃんとルーマちゃん はです。顔を顰めさせてです。こう言うのでし た。
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118 :マンセー名無しさん[sage]:2011/01/10(月) 23:16:27 ID:l2w0mCLY - 「占い位ね」
「別にいいじゃない」 これが二人の主張です。自分達が好きなことを 禁止されてはです。誰もがこうなることです。 二人も同じです。 それで、です。まずロマニちゃんがこんなこと を言うのでした。 「私の家の人間を怒らせたら怖いのよ」 「一体何をするの?」 「そうよ。例えばね」 凄みのある笑みを浮かべてです。そのうえでニ ホンちゃんにお話するのです。何か雰囲気がか なり危ういものになってきています。
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119 :マンセー名無しさん[sage]:2011/01/10(月) 23:22:47 ID:l2w0mCLY - 「呪いとか」
「あの、それは幾ら何でも」 「冗談に思える?」 「あまり。そうは」 かなり控えめに言うニホンちゃんでした。今の ロマニちゃんの顔は何かハイチちゃんを思わせ るものになっています。クラスでそうしたお話 になるとやっぱり、というあの娘の顔になので す。 けれどニホンちゃんはあえてこう言ったのです。 オブラートに包むのこそ日之本流ですから。 ロマニちゃんはそんなニホンちゃんの言葉を受 けて止まるかというと。こう言うのでした。
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120 :マンセー名無しさん[sage]:2011/01/10(月) 23:28:41 ID:l2w0mCLY - 「よし、じゃああの先生をね」
「本当にするのね」 「そうよ。ロマニ家の人間を怒らせたら本当に 怖いのよ」 こうして呪いをかけようと何処からか怪しい人 形まで出してきています。けれどその彼女にな のでした。 ルーマちゃんがまた霧の様に何処からか来て、 です。彼女にこう囁くのでした。 「ここはね」 「ここは?」 「もっといいやり方があるわ」 その赤い目に妖しい光をたたえながら。ロマニ ちゃんにお話します。
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121 :マンセー名無しさん[sage]:2011/01/10(月) 23:38:37 ID:l2w0mCLY - 「私に任せて」
「ルーマになの」 「そう。そんなことを言う人には先生であって もね」 その白い顔に凄みのある笑みを浮かべてです。 ルーマちゃんのお話は続きます。 「させないから」 「許さないじゃなくて」 「そう、させないの」 これがルーマちゃんの言葉でした。 「ここは任せてね」 「いい考えがあるみたいね」 ロマニちゃんもそんなルーマちゃんの言葉から 察したのでした。
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122 :マンセー名無しさん[sage]:2011/01/10(月) 23:44:20 ID:l2w0mCLY - それで、です。ここは彼女に任せることにして、
です。こう告げました。 「じゃあここはね」 「任せてくれるわね」 「ええ。具体的にどうするの?」 「夜よ」 こんなことを言うのでした。 「夜になればわかるから」 「あの、夜って」 「私の本当の時間は夜なのよ」 ルーマちゃんは今度はニホンちゃんに対して答 えます。やっぱりかなり妖しい、人間のものと は思えない笑顔です。
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123 :マンセー名無しさん[sage]:2011/01/10(月) 23:50:51 ID:l2w0mCLY - その笑顔で、です。ルーマちゃんはさらに話す
のでした。 「だから。夜になればね」 「何かするのね」 「そうよ。夜になればわかるわ」 こう言ってです。今は二人の前を去るのでした。 その動く時もです。音がしません。 しかも何か影も何処かにいったようです。そうし たものを見てロマニちゃんはそっとニホンちゃん に囁くのでした。 「ルーマってね」 「うん、前から思っていたけれど」 ニホンちゃんもです。ロマニちゃんが何を言いた いのかわかっています。
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124 :マンセー名無しさん[sage]:2011/01/10(月) 23:56:39 ID:l2w0mCLY - それで、です。ロマニちゃんに対して言葉を返す
のでした。 「ちょっと。普通の人には」 「やっぱり。噂通りね」 「トマトジュースをいつも飲んでる人じゃないわ よね」 「そう思いたいけれど」 この辺りは誰も確信を得られないのでした。それ は何故か、ルーマちゃんだからです。 その日の夜です。その占い禁止を言っている先生 のお家の前にです。急に霧が出て来て。 多くの蝙蝠や狼、烏に蛇達が出て来て。そのうえ でルーマちゃんが出てきました。
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