- 中東、アフリカの反政府デモ総合
655 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/04/03(日) 20:59:01.01 ID:SW6pM2hq - アラブ諸国の多くが直面している大衆による反体制の動きが、シリアでも本格的になってきている。
シリアの体制が不安定化することで最も強く影響を受けるのは、トルコとパレスチナのハマース組織 ではないかと思われる。 トルコはシリアと間に最も長い国境線を有しており、シリアの不安定化は直接的にトルコの国内状況に 影響を及ぼすことになる。事実、大衆蜂起が始まって間も無くすると、クルド・ゲリラがシリア国境から トルコに越境攻撃をかけている。シリアにはハッカリ市を中心に15万人のクルド人が居住している。 シリア政府が国内の反政府運動に神経を尖らせているなかでは、クルド人の動きまで取り締まることは 出来なかったから起こった現象であろう。 こうしたこともあってか、トルコのエルドアン首相やダウトール外相は、アサド大統領やモアッレム外相と 連絡をとり、民主化を推進するようにシリア政府に助言している。この働きかけに対し、シリア側は十分に 応えていないという不満が、トルコ側にはあるようだ。そのトルコ側の不満が今後どう変化していくのか。 トルコは根気よくシリアに非常事態の解除、政治犯の釈放、新憲法の制定といった民主化変革を呼び かけていくのか、あるいはシリアに対し、もっと厳しい対応をするのか。 トルコの専門家たちは押しなべてシリアの影響は軽微だと言っているが、トルコには時間的な余裕は それほどないと思えるのだが。それは、トルコでは間も無く統一地方選挙が行われるからだ。 パレスチナのハマースにとっても、シリアの国内政情不安は大きな問題であろう。ハマースにとって シリアは最も強力に援護をしてくれている国だからだ。ハマースの幹部はガザからシリアのダマスカス に逃れ、そこで活動を継続している。シリアの体制が不安定化すれば、シリア政府にとってハマース への支援は、第二義的な重要性しか持たなくなるであろう。 ガザのハマースの政治的外交的活動は、シリアのダマスカスが中心であり、シリアはハマースにとって 物心両面で援助してくれている国でもある。ハマースの仇敵であるファタハ組織や、パレスチナ自治政府 に対して苦言を呈してくれるのもシリアなのだ。しかし、今のハマースにはシリア政府を支える何の手だて もあるまい。
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