- 【石工組合】湯駄屋の陰謀【啓蒙協会】50
911 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2010/09/05(日) 01:52:36 ID:Xgxwuhxu - 進化の流れの中での生き残り戦略は、力の強さや素早さ、凶暴さの獲得という選択だけ
ではない。戦わずに済む暮らし方を身に付けていることも、一つのタクティクスであると言 えるだろう。たまたま天敵が来ない場所で繁殖しているというような「運」であれ、現代に 生き延びている種は少なからず持っているはずなのである。強力な脚力や鋭利な牙を持 っていながら、「たまたま」それより少し強い種がそばに移り住んできたとか、「たまたま」 天変地異で全滅した等、「不運」ゆえに滅んだ種は数限りなくあったのである。
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912 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2010/09/05(日) 01:53:47 ID:Xgxwuhxu - 動きが速ければ良くて遅ければ悪いなどと、生物の世界はそんな単純なものではない。
他の者達がやらないことをやる、それこそが世界に自分の居場所(生態学では生態的 地位ecological nicheと言う)を確保するための鉄則なのである。弱肉強食の世界では 弱いものは滅びる? そんなことはない。なぜなら、弱いものがいなくなったら強いものは 食べ物が無くなるからだ。だから食べる方も、滅ぼさない範囲内でしか食べないのである。 寧ろ、強者の宿命について考えてほしい。6億年前に動物と呼べるものが登場して以来、 各時代時代には生態系の頂点に君臨した動物種がいたが、必ず絶滅しているのである。
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913 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2010/09/05(日) 01:54:50 ID:Xgxwuhxu - マンモスの先祖がまだ小さかった時、真っ直ぐに突き出た牙は、樹皮を剥いだり
根を掘り起こしたり戦ったりするためには有効だった。立派な牙を持った個体は 自然選択で選択される。それが長く続くと繁殖を行う場合において、相手の異性 が立派な牙を持っている個体を選択する。そうする事が繰り返されると、立派な 牙を持っていない個体は淘汰されていく。この現象により、牙の機能より異性に 気に入られる牙を持つ個体が選択的に繁殖して行く。この選択を性淘汰という。 立派過ぎて機能的には問題がある牙の出現は生存には不利に働くが、配偶者 を獲得するためには有利に働くのだ。しかし、環境が変化すれば当然ながら性淘 汰より自然淘汰が優先される。つまり、マンモスは牙の大小に関わらず滅亡し、 自然により淘汰されたのだ。
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