- 【フリーメーソン】ユダヤの陰謀【イルミナティ】10
657 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2007/08/01(水) 05:21:24 ID:npL1upmV - 1.自然法( natural law ナチュラル・ラー ) と 2. 自然権 ( natural rights ナチュラル・ライツ) と
3. 人権( human rights ヒューマン・ライツ )と 4. 人定法 ( positive law ポズィティブ・ラー) の関係と対立を副島隆彦の本から少し書き写します。 政治や思想を語る上でこの四つの事が分らなければ、欧米では向こうの高校生並みにさえ扱われません。 これらが分からなければ欧米人の本気の議論の輪の中になど入っていくことなど不可能なはずです。 なのでこの事を知らなければ自分の脳が現時点でどれほどのものなのかが分かるでしょう。 と、いってもあくまで一つの側面からですが。それでも判定基準にはなります。 それほどの大きな対立であり、常識ですから。
|
- 【フリーメーソン】ユダヤの陰謀【イルミナティ】10
658 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2007/08/01(水) 05:22:39 ID:npL1upmV - 分りやすくアメリカを例に取って説明をすると、自然法、これはバーキアンBurkean(エドマンド・バーク主義者)
=「自然法」派である。彼らは「人間社会には、社会を成り立たせている自然の決まり、掟(natural law)がある」 と考える。この伝統保守派の代表は、長年『ナショナル・レビュー』という政治評論誌の編集長を務めているウィリ アム・バックレーという老大家の評論家である。彼こそは”アメリカ保守の守護神”と呼ばれて、歴代共和党大統領 から尊敬されている人物である。日本でいえば小林秀雄や福田存にあたる。その後継者はABCのコメンテイターの ジョージ・ウィルである。 アメリカの正当保守派はほかに、レオ・シュトラウス(シカゴ派哲学の大御所)や、フリードリヒ・ハイエクのような 日本でも知られた古典保守思想家も含まれるが、同じ保守思想でも、アメリカ土着の保守であるラッセル・カークらの フィジオクラット(重農派)や後述するリバータリアン保守派とは区別される。このウィリアム・バックレー派の知識人 の大部分は共和党の本流として保守勢力の中心を支えている人々である。バーキアンの標語は人類の歴史をとうとうと 貫く普遍の真理を暗示する永遠の相の下に”という言葉である。だから彼らは本来あまり泥臭い現実政治には関わり たくないと思っている。
|
- 【フリーメーソン】ユダヤの陰謀【イルミナティ】10
659 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2007/08/01(水) 05:24:11 ID:npL1upmV - この(1)のバーキアンとともに保守二大思想でありながら、バーキアンと激しく対立するのが、(2)の
ロッキアンLockean(ジョン・ロック主義者)である。これが「自然権」(ナチュラル・ライツ)派である。 彼らは 自然法の存在そのものは認めながらも、ジョン・ロック(およびジャン=ジャック・ルソー)が唱えた「すべて人間は、 決して奪うことのできない固有の権利 inalienable rightsとして生命・身体・財産の自由を持つ」という言葉に基づく 自然権のほうを重視する。ロッキアンもバーキアンと同じく自然法(人間社会を貫く自然の掟)を認めるのだが、それ よりもこの自然権の方をより重要なものと考える。ロッキアンは具体的にはアメリカのエリート層である実務官僚や 法律家や現実的な政治家たちの集団であって、彼らロッキアンは、「法や思想が何を語っているかを問うよりも、自分 たちは個々の法律を解釈運用し実際に社会を運営するのだ」と考えるきわめて現実的な保守思想である。 この自然権派の現在の代表は、ロバート・ボーク(イエール大学法学部教授、連邦高等裁判所裁判官もしていた)であり 格調高く、かつ激しくリベラル派批判をする人物である。 (1)のバーキアンはこのロッキアンに対して、「そんなに憲法典を高く持ち上げてどうするのか。憲法が各種の人権を 保障したからといっても、それはどうせ紙キレだろう」と強い疑いの念を持っている。このバーキアン(自然法派)と ロッキアン(自然権派)の巨大な対立軸のことが、この百年間、日本の政治知識人層には全く分からないのである。
|
- 【フリーメーソン】ユダヤの陰謀【イルミナティ】10
660 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2007/08/01(水) 05:25:17 ID:npL1upmV - この近代憲法典(フランス人権宣言やアメリカ憲法)が定めたジョン・ロック主義の「生命・身体および財産の、
国家からの自由・独立・不可侵」という自然権を二十世紀に入ってから、更に勝手に拡張して、「憲法はすべて の人間の生活と生存を保障している(つまり社会福祉を保証している)」と言い出したのが、(3)の「人権 (ヒューマン・ライツ)派」たる現代リベラル派である。 この人権派は(2)の自然権という古典保守思想から派生したものだが、今や世界中で最大勢力である。日本では、 本来(2)の自然権派であった福沢諭吉や、「民本主義」の吉野作造の思想が、(3)のリベラル人権派のなかに 飲み込まれて行方不明になってしまい、リベラル人権派との区別がつかないまま今日に至っている。 この人権派は、実際には、社会主義(マルクス主義)思想の影響を受けつづけた人々の思想である。この人権派は、 当然のことながら保守思想ではなくて、左翼的であり、文字通りリベラル派である。あくまで(2)のロッキアン の自然権派と区別をつけなければならない。このことが日本知識人層にはわからないのだ。 この人権派は、現在も世界中で大勢力であり、「世界人権宣言」や日本でも日本国憲法に定めがあることを根拠に して、この福祉推進・弱者救済の人権派が主流・多数派なのである。アメリカ民主党はこのリベラル派の政党である。 それはニューヨーク・タイムズ紙やワシントン・ポスト紙に代表される言論である。
|
- 【フリーメーソン】ユダヤの陰謀【イルミナティ】10
661 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2007/08/01(水) 05:26:26 ID:npL1upmV - 実はもうひとつ巨大な思想勢力がいる。アメリカの保守思想には、(1)(2)の外に、同じくイギリス近代政治
思想からの源流を持つ(5)のジェレミー・ベンサム主義(ベンサマイト Benthamite) という特異な勢力が存在 する。このベンサマイトは、近年アメリカで隠然たる大勢力になりつつある思想派閥である。このベンサマイトの アメリカ的展開を、”リバータリアン”という。 十九世紀中ごろのイギリスの奇妙な思想家、ジェレミー・ベンサムは、エドマンド・バークやジョン・ロックの 思想に激しく反対した。「その自然法や自然権というものが在るのなら、私に見せてみろ」と言い放ったのである。 したがって、この立場からは、人権派などはさらに木っ端微塵である。ベンサムは「憲法典に書いてあるからと いって人権が無条件に至上のものとはならない」と主張する。このベンサム主義の立場を、”ポジティブ・ロー” (Positive law)という。日本の法学者たちは、これを「実定法」と訳しつづけて、彼ら自身にもこのポジティブ・ ローという法思想の核心点は全く理解できず、意味不明のままである。このポジティブ・ローは、本来は「人定法」 と訳すべきだ。ポジティビズムとは、「社会のキマリは、神が決めるのではなくて、この地上の人間たちが決める のである」という考え方である。「人間たちが人為的に、現実世界のルールを作るのである」 即ち、「自然の法」 ではなく「人定」の思想なのである。だからポジティブ・ローとは、「神や自然が、法を人間に与えるのではなく、 法は人間たちが決める」という政治思想かつ法思想なのである。当然、この立場は「何が正しくて、何が公平で、 何が善であるかも、我々人間が決める」という、恐るべき、神、自然法の否定の思想となる。 ベンサマイト (ベンサム主義)は、徹底的な社会工学的な思想であり、ヨーロッパ近代思想の最後に登場した、巨大な星である。 リベラル派の人々から見れば、悪魔の思想として憎しみの対象となる。現に、社会主義思想を大成したカール・ マルクスは、同時代人ベンサムを「最悪の俗物ベンサム」と呼び、ジョン・メイナード・ケインズは、「蛆虫 ベンサム」とののしった。 副島隆彦 「日本の秘密」
|