- 漢字の字体はどうあるべきか
423 :康煕[]:2012/10/06(土) 00:07:52.10 ID:YszHIVbb - 若い頃に習った「集字聖教序(崇恩旧蔵本)」が手元にありますので、
玄奘の「般若心経」と、欧陽詢(557 - 641年)の「般若波羅蜜多心経」とを 比較してみました。 「色」の字体が異なる。 玄奘訳は、依が抜けている。菩提「土垂」。(依) 般若波羅蜜多。 「藐」の字体が異なる。玄奘訳は「艸冠」の下が「狠」で 鳩摩羅什の字体となっている。 「切」の字体が異なる。「土刀」、玄奘訳は「十刀」。 「掲帝」が、玄奘訳は「掲諦」となっている。 「薩」が、玄奘訳は「莎」となっている。 これぐらいの僅かな差異ならば、欧陽詢の「般若波羅蜜多心経」も やはり玄奘の漢訳と考えたほうがよいのでしょうか ? 欧陽詢の楷書の書風は、もっと縦長のスマートな字形で、 「般若波羅蜜多心経」は少し扁平な印象を受けますが・・ 我が国に将来されたのは集字聖教序 (玄奘漢訳の般若心経)で、 書道の手本とされ、三蔵法師の伝説とともに広く普及します。 また、春の四国路のお遍路さんは「掲諦、掲諦」と唱え、 西遊記にあやかって旅の安全を祈念するのです。 さて、本題の「顴」「遠」の字体、「若と苦」、できれば「藐」も じっくりと資料で確認をしてから、ご報告いたします。 篆書のように少ない発掘物に頼るよりも、楷書の変遷のほうが 字体の話題として楽しいですよね。
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