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636 :名無氏物語[sage]:2011/12/20(火) 06:34:11.21 ID:O1a+vbGi - >>623
新羅は倭国の隣なんだから、その舞剣器は、かならず相伝の術があったはずなんだけど、はっきりわからない=(不可攷) だから、黄倡カを本国剣の縁起ということにする。 つまり、 1、倭国には舞剣器があるのははっきりしてる。 2、新羅は倭国の隣だから、倭国にあるなら新羅にもあって、花郎が伝えてたんじゃないか。 3、でも花郎が舞剣器を伝えてたという明確な資料がなくてわからない。 4、だから、記録のある黄倡カを本国の剣の縁起ということにしよう。 この相伝という言葉は、倭国から新羅に伝わったとか、新羅から倭国に伝わったとかの意味じゃなく、 北斗神拳の一子相伝みたいに、代々受け継いだという意味じゃないかな。 倭国に伝わってるんだから、隣同士の国の新羅にだって伝わってたはずなんだけど明確には解らないと言ってるんだと思うよ。 初見の資料で良くわからんけど、本国剣って、 固有の剣法を指す固有名詞ではなくて、「本国の剣の縁起」みたいな意味のような気がするけど、どうなんだろう。
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643 :名無氏物語[sage]:2011/12/20(火) 11:52:48.31 ID:O1a+vbGi - >>641
文字が2,3コ抜けてるようですね。 西域之等韻というのが具体的に何なのか知らないので、はっきりわかりませんが、 文章の文意は、 茅元儀が朝鮮で得た剣譜というものは、西域の等韻に譬えれば、それは本国で始めた譜と言えるし、 日本の尚書に譬えれば、それは中国の譜を伝えたものだと言える。 (ようするに、考え方によって自前のものとも輸入物とも両方いえる) 言うまでもなく、この伝がはじまってから茅元儀の世まで百数十年経っているのに、 互いに相伝授してきた者たちが誰なのか、大まかな所すら残っていないのはどうしたことか。 本国の人(朝鮮の人)が、どうして自分たちで伝習せずに、 茅元儀の武備志が出てから、これを伝習したのか。 おかしな話だ。 前に既に茅元儀の假託だと言っておいたが、いままた、本国剣の下に論を重ねる。 要点は、茅元儀が朝鮮で得たというのは眉唾だという話で、日本の剣術とは無関係な議論ですね。 ちなみに、「不少見何歟」は史記・伯夷列傳の語で、 「あらましさえ記されていないのは、何としたことだ」という意味です。
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644 :名無氏物語[sage]:2011/12/20(火) 11:56:23.80 ID:O1a+vbGi - 字が抜けてました。
ちなみに、「不少概見何歟(少しも概見せざるは何ぞや)」は史記・伯夷列傳の語で、 「あらましさえ記されていないのは、何としたことだ」という意味です。
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646 :名無氏物語[]:2011/12/20(火) 14:04:43.86 ID:O1a+vbGi - >>645
>>636と>>643を読んでもらえばわかると思うけど、 日本の剣術が朝鮮から伝わったなんて、この文のどこにも書いてないよ。 黄倡カを本国剣の縁起としたのは、黄倡カ以前の記録が無いから。 記録が無いのに新羅に舞剣器が伝わっていたはずだと推測された根拠は、倭国の隣国だということ。 つまり、それだけ倭国の剣術が名高かったということが推測できる。 前半部分でわかることは、それだけで、新羅から倭国に伝承されたなんて書いてない。 もちろん倭国から新羅に伝わったとも書いてない。 後半は、茅元儀が剣譜を朝鮮で手に入れたということが信じがたいという内容で、 日本の剣術が朝鮮から伝わったとか、その逆だとか、そんな話題は一言も書かれたない。 茅元儀が朝鮮で剣譜を手に入れたのが本当なら、 朝鮮に剣譜が伝わってから茅元儀が手に入れる間の百数十年間に、 朝鮮人の伝承者の名前が知られているはずなのに、そんな記録は一切ない。 だから、茅元儀が朝鮮で手に入れたというのは仮託にすぎないと言ってる。
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648 :名無氏物語[sage]:2011/12/20(火) 17:49:09.75 ID:O1a+vbGi - >>647
>俺は、新羅は倭の隣にあるから、その舞劍器には必ず(新羅が)相伝してきた術もあるはずだと読んだよ。 これの「その舞劍器」の「その」は倭国を指してると思ってるの?それとも新羅?
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650 :名無氏物語[]:2011/12/20(火) 18:02:35.31 ID:O1a+vbGi - >>649
ちがうよ。それでは、文脈がおかしいことになる。 まず、これは李朝の話じゃなく、倭国と新羅と百済の時代の話。 百済王を殺したという新羅人の黄倡カは花郎だ。 黄倡カが身に付けていた舞剣器は花郎が伝承してきたものであろう。 しかし、そういう資料が無いので、黄倡カを本国の舞剣器の始まりとする。 こういう話になってる。「その」は「黄倡カ」を指してる。 黄倡カの舞剣器が花郎で伝承されたものだと推測できるのは、 新羅が倭国の隣の国だからだという理屈。 百済・新羅・倭国の時代に江戸時代のような流派に分かれた剣術はないだろう。 倭人が半島で振るう戦場剣法が恐れられていたということ。 649氏は、これを李朝・江戸時代の話と勘違いしているように思える。
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652 :名無氏物語[sage]:2011/12/20(火) 18:19:58.31 ID:O1a+vbGi - 貴方の説にしたがって訳してみると、以下のようになる。
1、花郎の徒衆はかつて数千人いて、相ともに忠信を勉励していた。 2、かつ、新羅は倭国の隣である。 3、だから倭国の舞劍器には必ず(新羅が)相伝してきた術もあるはずだ。でもはっきりしたことはわからない。 4、いま、それで黄倡カを本国剣の縁起とする。 3の部分だけ、文脈が通ってないよ。 1、2、4は、新羅の話をしてるのに、3だけ突然、倭の話になってしまう。 前後に脈絡がなくなってしまってる。 だから、この解釈は間違い。
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654 :名無氏物語[]:2011/12/20(火) 18:33:27.92 ID:O1a+vbGi - >>653
黄倡一作黄昌、即新羅所置花カ也。 如述カ永カ之流故曰黄倡カ也。 この文以前が本文で、(案)以下この部分は、本文に対する編纂者の考証や自分の意見を述べている所。 ざっと訳すと、 黄倡というのは黄昌とも書きます。すなわち新羅が設置した花郎(に所属した人間)です。 述郎や永郎のようなもので、それで黄倡カと言います。 「作」というのは、「とういう文字を使う」「と書く」という意味で、なにかを作るわけじゃない。 同一人物だけど、伝承によって、黄倡と書く場合もあり黄昌と書く場合もある。 花郎に所属する者は、姓名の下に郎を付けるので黄倡カという。 という意味です。
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657 :名無氏物語[sage]:2011/12/20(火) 18:43:01.52 ID:O1a+vbGi - >>655
>倭は新羅の隣にあるから これだったら、まだ、なんとか文脈は通る。 でも、原文は「新羅は倭国の隣にあるから」になってる。 主語が新羅か倭かでぜんぜん違うから、そこら辺をアバウトに読んでると誤読することになるよ。 文章そのもの、文脈を追わずに、 文化は半島から列島に伝わったという文章のはずだという思い込みで文を読んでるんじゃないかな。 原文は、単に新羅の剣術の話のみで、列島に伝わったとか列島から伝わったとか、 そんな話には全く触れてないよ。
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659 :名無氏物語[]:2011/12/20(火) 19:49:20.78 ID:O1a+vbGi - >>658
きょうググってて見つけたyoutubeの動画です。 韓国人をおちょくったネトウヨらしい作りは共感できませんが、 この問題の周辺知識を仕入れるのには良いんじゃないでしょうか。 動画作者のワルノリはおいといて、資料の部分だけでも見て下さい。 クムド詐欺 本国剣法 ttp://www.youtube.com/watch?v=ozLgCivt9z8 韓国史のなかの剣術 ttp://www.youtube.com/watch?v=ZxkZeL1t-F8
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661 :名無氏物語[]:2011/12/20(火) 21:01:14.09 ID:O1a+vbGi - >>660
だいたいそういうことですが、倭に舞剣器が相伝されていたとまでいうと言い過ぎだと思います。 倭では刀剣の文化が盛んで、倭と政治的地理的に近しい新羅にも刀剣の文化があっただろう。 そして黄倡カの舞剣器も、そういう新羅の刀剣文化の中で伝承されたものであっただろう。 しかし、そこを明確にできる資料がないので、黄倡カを本国の剣の始祖ということにしよう。 ということだと思います。 この文は、倭と新羅が地理的政治的に近しいという言及であって、 どっちが先だ、どっちが後だというところまでは言及していないということです。 まあ、常識的には仏教などの文化は大陸から半島経由で列島にということになりますが、 上にリンクした動画を見ると、朝鮮半島は弓矢は盛んだけど刀剣はあまり得意ではないようで、 だったら、ごく初期の刀剣文化は南から来たのかもしれないし、(考古学はまったく知りません) この文だけで剣道は半島起源で日本に伝わったというのは無茶すぎますね。
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665 :名無氏物語[]:2011/12/20(火) 23:00:38.61 ID:O1a+vbGi - >>662
こう訳す気持ちは、すごくよくわかります。 実際、訳文を見せられると、あれ、これがあってるのかなと思います。 僕もドキッとしました。 でも、この訳って、「今因黄倡カ爲本國劍之縁起」の「因」の字を訳してないと思います。 因は原因の因で、「いま、そういう理由で黄倡カを本国剣の起源とする」となるのですが、 その理由・原因とは「不可攷矣」=「確認できない」です。 「彼が日本に剣法を伝えた可能性を確認できないので本国剣の起源とする」 では、文章の意味が通りません。 意味が通らないので、英訳では、この「因」を飛ばして訳してません。 「新羅国内で、黄倡カ以前に剣法の伝承を確認できない。だから黄倡カを起源とする」 ならば、きちんと文章の意味が通ります。 つまり、「其舞劍器、必有相傳之術」は、日本に伝えたということではなく、 新羅国内での伝承についての言及ということになります。
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666 :名無氏物語[sage]:2011/12/20(火) 23:05:16.95 ID:O1a+vbGi - >>665
×「彼が日本に剣法を伝えた可能性を確認できないので本国剣の起源とする」 ○「彼らが日本に剣法を伝えた可能性を確認できないので、黄倡カを本国剣の起源とする」
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