- 尖がる心【<剣鉈について語れ=】非服従の魂3
695 :名前なカッター(ノ∀`)[sage]:2014/11/25(火) 18:23:32.32 ID:uuNYf2rP - 朝からの雨ではあったが、無聊を託つ身なので、ままよと雨合羽をひっかけて罠の見回りに向かった。
久しぶりの雨で密かに期待する所はあったが、先日、猪が獲れた近くの罠で又もや猪が掛っているではな いか。今度は前のよりも大きくて60キロ以上はある成獣だ。 我が家の冷蔵庫は既に一杯だが、獲物は従弟が引き受けてくれる事になったので、従弟と共に仕留め作 業に入る。 従弟の見立てによると牙が見えないから雌と言う事なので、それ程凶暴では無いだろうと、足や首にロ ープを掛けるのは省いて、そのまま仕留る事とした。 それでもやはり怖いのには変わりなく(^_^)大きな杉の立木を盾にして猪を攻める。急所を狙う余裕も 腕もなく、向かって来る猪に向って槍を突き出すと右首に深々と突き刺さった。更に2の槍、そして3度 目には首から鮮血が噴出したので、動脈を切ったと確信し、何時もの如くその場を離れて次の罠を見回っ た。 他の罠には異常が無いので、獲物に戻ると敵は未だ攻撃の姿勢を緩めずに突っかかって来るではないか 。それを迎えて槍を突き出すと背中に刺さり、槍の穂先が刺さったまま抜けてしまった。 ならばと、穂先の抜けた棒に剣鉈を紐で縛り、竹竿に短刀を結んで槍の始まりとなった菊池槍に習った が、致命傷を与えたはずの猪はそれでも反撃して隙を与えない。そこで、従弟に首に縄を掛ける為に準備 してきた長い竹竿で猪に向かってフェイント攻撃をしてもらい、私は湿地で動きに悪いが横から攻撃する 事とする。 しかし、猪はどちらが危険な敵であるかが判るようで、こちらに向ってくるが、やはり隙は出来て剣鉈 槍が猪の耳の後ろを深々と抉った。これで勝負は決し、猪は死の痙攣を始めるや、間もなく横たわり、急 ぎ棒から外した剣鉈で止めを刺す。 その場で猪に手を合わせて冥福を祈り、従弟の仕事場へと運んだ。
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