- 【小説】スナック眞緒物語【けやき坂応援】
703 :名無しって、書けない?(東京都)[]:2019/10/31(木) 22:20:20.03 ID:44k8Rz1X0HLWN - ひよひよワールド(その17)
美穂は集中して、この上なくすばやく半グレ首魁の腰に飛びついた。 しかし、それ以上の速さで半グレ首魁は身をひるがえした。 無様に倒れながら、嘘っ!と美穂は思った。 「身の程知らない奴だ。兄ぃはなあ、東日本のボクシングの新人王だったんだ!」と半グレの一人が言う。 「この女には驚かされるばかりだな。この状況で、物おじしないどころかこんな戦略を練っていたとはな。 しかも、これだけの速い動き。お前らだったら、余裕でナイフを奪われていた。おい!しっかり押さえつけておけよ」
|
- 【小説】スナック眞緒物語【けやき坂応援】
704 :名無しって、書けない?(東京都)[]:2019/10/31(木) 22:20:58.73 ID:44k8Rz1X0HLWN - どうしよう?どうしよう?と震えるだけで、美穂にはもうなす術が何もなく、恐怖がぶり返した。
いやだ、いやだ、こんな奴らに穢されたくない。死にたくもない。怖い、怖い、誰か助けて。 そのとき、「心配ないよ、美穂ちゃん」というひよたんの声が体の中から聞こえる。 これは幻聴なの?
|
- 【小説】スナック眞緒物語【けやき坂応援】
705 :名無しって、書けない?(東京都)[]:2019/10/31(木) 22:21:10.41 ID:44k8Rz1X0HLWN - 今度は、「もうやめなよ」というひよたんの声が鼓膜を通してはっきり聞こえる。
あの声は、まさか?いや、そんなはずはない、失神していたのに。 倒れた状態で押さえつけられている美穂は声の方向を見ると、ひよたんは立ち上がっている。 「あなたたち、いい加減にしないと痛い目に遭うよ」 ひよたん、ダメ、こんな奴らを挑発しちゃ!と美穂は言おうとするが、恐怖で声が出ない。 「美穂ちゃんを離しなさい」 お願い!私のことよりも自分の身の安全を考えて!(続く)
|