- 【小説】スナック眞緒物語【けやき坂応援】
98 :名無しって、書けない?(東京都)[]:2019/02/12(火) 22:10:46.22 ID:FR+1fhrM0 - エル・エステ(その28)
人並みに成長して私も中学生となりました。 その年頃の女の子の大半がそうであるように、父とは距離を置くように私もなりました。 ただ、何を切っ掛けとしてそういう移行が起こるのかは一般的には曖昧なようですが、 入江莉緒の存在を知ったことが原因であるというのが私の場合にははっきりしています。 その入江莉緒ですが、あの日に映画のポスターで見て以来、その名前を目にすることはありませんでした。 中学の入学祝としてパソコンを買ってもらいました。 自然と触れ合うことのほうが好きだったので、パソコンにはあまり興味はなかったのですが、必ず一日に一回は起動させました。 それは「入江莉緒」を検索するためでした。 幼い頃とは違って、父に対しての興味も薄れ、大人の事情も理解できるようになったのに、 なぜ入江莉緒にそこまで執着していたのかは自分でもよくわかりませんでした。 結果はいつも空振りに終わっていたのですが、検索しなければ落ち着かず、就寝前の儀礼に半ばなっていました。(続く)
|