- 鬼和尚の仏教勉強会 講読ゼミ
5 :名無しを整える。[sage]:2017/10/29(日) 07:40:02.00 ID:PR6B6lhz - ブッダのことば(スッタニパータ)
第3 大いなる章、6、サビヤ 539 あなたは苦しみを滅ぼし、彼岸に達せられた方です。あなたは真の人(拝まれる人)です。あなたは完全にさとりを開かれた方です。 あなたは煩悩の汚れを滅ぼされた方だと思います。あなたは光輝あり、理解あり、智慧ゆたかな方です。苦しみを滅ぼした方よ。あなたはわたくしを救ってくださいました。 540 あなたはわたくしに疑惑のあるのを知って、わたくしの疑いをはらしてくださいました。わたくしはあなたに敬礼します。聖者の道の奥をきわめた人よ。心に荒みなき、太陽の末裔よ。あなたはやさしい方です。 541 わたくしが昔いだいていた疑問をあなたははっきりと説き明してくださいました。眼ある方よ。聖者よ。まことにあなたは<さとりを開いた人>です。あなたは、妨げの覆いがありません。 542 あなたの悩み悶えは、すべて破られ断たれています。あなたは清涼となり、身を制し、堅固で、誠実に行動する方です。 543 象の中の象王であり偉大な英雄であるあなたが説くときには、すべて神々は、ナーラダ、パッバタの両[神群]とともに随喜します。 544 尊い方よ。あなたに敬礼します。最上の人よ。あなたに敬礼します。神々を含めた全世界のうちで、あなたに比べられる人はおりません。 545 あなたは覚った人です。あなたは師です。あなたは悪魔の征服者です、賢者です。あなたは煩悩の潜在的な可能力を断って、みずから[彼岸に]渡りおわり、またこの人々を渡すのです。 546 あなたは生存の要因を超越し、諸々の煩悩の汚れを滅ぼしておられます、あなたは獅子です。何ものにもとらわれず、恐れおののきを捨てておられます。 547 麗しい百蓮華が泥水に染まらないように、あなたは善悪の両者に汚されません、雄々しき人よ、両足をお伸ばしなさい。サビヤは師を礼拝します。」 (´・(ェ)・`)つ
|
- 鬼和尚の仏教勉強会 講読ゼミ
6 :名無しを整える。[sage]:2017/10/29(日) 08:10:54.00 ID:PR6B6lhz - >>5
538 ブッダを称賛する10の偈。 ブッダの特徴、修行者にとっては修行の目標とすべきこと。 長部経典の梵網経の中で修行者達に62種類の見解があることが述べられている。63番目は有身見(永遠不滅の真我があるという見解)であると注釈書には書いてある。 諸々の修行者たちはこれらの見解に基づいて論争するが、これらの見解は観念と文字に依存しており、真実ではない。ブッダはこれらの見解の欠点を明らかにして、調伏して、論争の激流を終わらせた。 539 苦しみを滅ぼした方として称賛した。 彼岸(涅槃)に達した方。 真の人(拝まれる人)。完全にさとりを開かれた方(阿羅漢(人格完成者)として、正自覚者)。 煩悩を滅ぼし(煩悩を滅尽し)、光輝あり、理解あり、智慧ゆたかな方(光輝ある方として、思慧ある方として、多大なる知慧ある方になる。 540 「聖者の道の奥をきわめた人」 「温和な方」515参照。 温和とは、 @ 冷静で平等であること。無関心のように見えるが、執着がないこと。 A 念があるとは気づきがあること。自分の身口意の行動が自覚的であること。 B 生き物を殺さないこと。生き物に対する慈しみの心があること。 C 激流を渡ったこと。煩悩を克服したこと。 D 心に煩悩がないから、心には濁りがなく澄み切って透明であること。 E 情欲の高まりがなく、興奮することがないこと。 これらの特徴を持つ人。 「聖者の道の奥をきわめた」はA、Bなどから始めて、@、C、D、Eなどになる。 太陽の末裔(太陽の眷属)とは、ブッダを意味する。スッタニパータの54参照。 541 「あなたは、妨げの覆いがありません。」の意味は、あなたには心を覆って善をおこなわせないもの、智慧の力を弱めるものがない。具体的には五蓋(貪欲、瞋恚、沈鬱・眠気、興奮・後悔、疑い)。 542 前半は、悩み苦しみがすべてなくなったことを示す。解脱したこと。 後半は解脱すると、どのようになったかを示す。 @清涼になった(〔心が〕冷静になった) 。仏教用語では「捨」。 冷静で平等な判断。「悟りの光(智慧)が現れた」ということ。解脱すれば当然悟りの智慧が現れる。悟りの智慧が現れたから解脱したのだと言える。 どのようにしたら、解脱するかは、ブッダの言葉にいつも接していること。ブッダの言葉を実践すること。ブッダのある言葉が縁になって、ある時、解脱を望んでいれば、解脱するでしょう。 A身を制した(〔心身の〕調御を得た) 身口意の行為を制御できるようになる。 B堅固になった(〔道心〕堅固になった) 特に努力しなくとも、意志の強い人間になる。 C誠実に行動する(真の勤勉〔努力〕ある)行いはすべて誠実になる。優しさのあふれた人間になるから。 ブッダが解脱されたこと、そしてその結果@からCの性格であることを称賛している。 543 @象、A龍、Bすぐれた聖者(行者、とくに仏をさす)」 ナーラダ及びパッバタとは智慧のある神々の集団であると注釈書に書かれている。ナーラダ神群及びパッバタ神群を含めてすべての神々が、ブッダの説法を聞いて、大変喜ぶと述べられている すべての神々も非常に喜んだということは、ブッダの解答(説法)は、ブッダの説法は時間や距離を超越している。 神々の世界は次元の異なる世界の象徴。ブッダの説法は地球の次元を超えた宇宙的な意味があることを神々という言葉で表現している。 (´・(ェ)・`)つ つづく
|
- 鬼和尚の仏教勉強会 講読ゼミ
7 :名無しを整える。[sage]:2017/10/29(日) 08:13:47.59 ID:PR6B6lhz - >>5
544 「最上の人」 ブッダの九徳(九の性質)。 1.阿羅漢: 一切の煩悩を滅尽し、神々・人間の尊敬、供養を受けるに値する方。 2.正覚者: 完全たる悟りを最初に悟って、その悟りへの道を他に教えることのできる方。 3.明行具足者: 八種の智慧と十五の良い性格を具えた方 4.善逝(ぜんぜい): 正しく涅槃に達し、善く修行を完成し、正しく善い言葉を語る方。 5.世間解: 宇宙、衆生、諸行と言う3つの世界を知り尽くした方。 6.無上の調御丈夫: 人々を指導することにおいては無上の能力を持つ方。 7.天人師: 人間、神々などの一切衆生の唯一の師。 8.覚者(仏陀): 真理に目覚めた方。 9.世尊: すべての徳福を備えた方。 545 ブッダの六つの特徴。 1.覚った方: 四つの真理(四聖諦)をみずから覚り、自己の覚った道を世間に示し指導する方。 ブッダは覚りを四段階に分析し、十結(10の煩悩)と覚りの四段階の関係を明らかにした。 2.教師: ブッダは阿羅漢果者。衆生が涅槃に至ることを願い、神々と人々を諭し、教えることができる方になる。 3.悪魔を征服する聖者: 欲界の支配者、覚りを妨害する悪魔を克服して、涅槃に至った聖者。 4.潜在的煩悩を断ち切った方。 苦の本体は「ナーマ・ルーパ(心・身体)」だと考察すると、顕在的煩悩は心に基づくもの、潜在的煩悩は身体に基づくものと考えると分かりやすい。 5.自ら渡った方: 彼岸(涅槃)に渡った。は激流(煩悩)を渡った。注釈書では輪廻を渡った。これらはすべて同じ内容。すべての煩悩をなくして、解脱して、涅槃に至ったこと。 6.人々を渡らせる方: 衆生が涅槃に至ることを願う方。 涅槃に至るかどうかは本人次第。 ブッダといえども、涅槃に至りたいと望まない人を渡らすことはできない。 546 生存の要因とは五蘊。五蘊は色受想行識(身体、感覚、表象、形成作用、認識)。これらを超越したとは、これらに執着しないこと。そのために、これらから自由でいるということ。 怖れおののくことない生命の象徴として獅子に例えている。 ブッダが怖れることがないのは執着がないから。怖れの原因は執着。執着がなければ恐れがない。 例えば、生命が一番執着しているものは、自分の命。どうしても生きていたいという執着がある。ですから死ぬのは怖い。殺されるのが怖い。 命に執着がなければ、死は怖くない。死も恐れないブッダには怖れるものは何もない。 547 ブッダが美しい白蓮華が泥水に汚されないように、善と悪の両方に汚されませんと述べている。ここで問題になるのは、何故悪だけでなく、善悪の両方なのかということ。 善にも汚されないと書いてある。何故善に心が汚されるのか? ダンマパダ267、スッタニパータ520参照。 ものごとを良い悪いとこだわると心が静まらない。世間の塵とは欲や怒りのこと。これらの煩悩から離れると心は静まる。 善と判断しても、悪と判断しても単純には決められないということがある。善にも悪にも汚されることがない、動揺しない、静寂を保っている。 (´・(ェ)・`)つ
|