- 今までにあった修羅場を語れ 43話目
91 :おさかなくわえた名無しさん[]:2019/08/14(水) 08:11:23.07 ID:xDHO0kPr - 宿題の丸投げ・代筆をテーマに、多少の誇張・脚色を加えた実話です。
会話の場面は、中学校の3年生の教室でのできごとです。 自分のしていることを棚に上げて、事件に引きずり込まれた側である私を 無責任呼ばわりするクラスメイトがいました。 相手は「さとる(仮名)」で、私は「こうじ(仮名)」です。 1学期に始まった事件は2学期にクライマックスを迎えました。 ● 第1章 火曜日 ── ある2学期の放課後 ── さとる:「今日も追加で宿題をお願い。」 こうじ:「またかよー。」 さとる:「今度は英語。(机にドサッ。)」 こうじ:「俺に頼むなって、何べんも言ってるだろ。」 さとる:「一生のお願い。」 こうじ:「公文の小学生向け算数ドリルに続いて、今日は中1向けの動詞変化か。」 さとる:「あさってまでに提出しないとまずいんだよ。だから解いて。」 こうじ:「嫌だ。自分でやれよ、公文の宿題くらい。」 さとる:「一生のお願い。」 こうじ:「そのセリフ、何べんも聞いた。」 さとる:「だから解いてちょうだい。一生のお願い。」 こうじ:「宿題の代筆、今までずっと俺がやらされてきたけど、これ以上はもう断るよ。」 さとる:「こうじはもう△△高校の推薦入試に受かったんだから時間余ってるだろ!」 こうじ:「余ってるどころか勉強の必要性がもっと増えたくらいだ。」 (つづく)
|
- 今までにあった修羅場を語れ 43話目
92 :おさかなくわえた名無しさん[]:2019/08/14(水) 08:11:56.19 ID:xDHO0kPr - (>>91のつづき)
さとる:「そんなのいいから公文の英語ドリル。偏差値高いこうじなら解けると思って 頼んでるんだ。一生のお願い。」 こうじ:「俺はな、高校入学後に備えた高度な勉強を、 今のうちにしておかないといけないんだ。」 さとる:「だからさー、それはやらなくていいから、この公文の宿題、やって。一生のお願い。」 こうじ:「俺が必要があってしている勉強を、やらなくていいってお前が言うのは、 相当な侮辱だぞ。」 さとる:「ねぇ、一生のお願い。」 こうじ:「中3になって小学校の算数とか中1の英語って、学力面で心配してないのか?」 さとる:「公文なんてやりたくないけど、サボってるのが親にばれたくないんだ。 だから一生のお願い。」 こうじ:「俺は、やりたくないどころか、やるべきでない立場だぞ。これ以上、俺を巻き込むな。 一生のお願いなんていうワンパターンな口癖を言われるのはもう飽きた。」 さとる:「ねぇ、一生のお願い。俺の宿題やって。」 こうじ:「一応、受け取っておくけどさー、どうなっても知らんぞ。」 さとる:「いつものように、筆跡は俺のをちゃんと真似しといてね。 できた宿題、あさってもらうから。」 (つづく)
|
- 今までにあった修羅場を語れ 43話目
93 :おさかなくわえた名無しさん[]:2019/08/14(水) 08:12:43.37 ID:xDHO0kPr - (>>92のつづき)
● 第2章 木曜日 ── 公文の宿題の締め切り日 ── さとる:「こうじー、公文の宿題、やっといた?」 こうじ:「やってない。」 さとる:「何でやらないんだよ。」 こうじ:「自分でやるべきものを人にやらせておきながら文句言うのかよ。」 さとる:「今から急いでやって。一生のお願い。」 こうじ:「あのドリル、今ここにはないよ。」 さとる:「今から家に取りに行けよ。」 こうじ:「家にもないよ。」 さとる:「無責任だぞ!」 こうじ:「無責任なのはどっちだろうな。」 さとる:「とにかくお前の責任でどうにか終わらせろ。」 こうじ:「昨日提出した。」 さとる:「どこに?」 こうじ:「公文の事務所。」 さとる:「勝手なことするな! こうじが宿題の問題解いて俺に渡せばいいだけの話だ。」 こうじ:「勝手なことしてるのはどっちだ? 他人に宿題を丸投げしてる人がよく言うよ。 さとるが俺に宿題を代筆させてることも、昨日、事務所の人に話しておいたから。」 さとる:「怒るぞ! こうじが公文まで行ってチクるなんて。」 (つづく)
|
- 今までにあった修羅場を語れ 43話目
94 :おさかなくわえた名無しさん[]:2019/08/14(水) 08:13:40.46 ID:xDHO0kPr - (>>93のつづき)
こうじ:「いいか、さとる。初めは『問題の解き方を教えて』という頼み事だったから、 さとるの成績を上げるためならと思って俺は引き受けたんだ。 そのうち『面倒だから解いて。』ってなって、 そのあとに『代筆がばれないように筆跡もまねて。』とまで言ってきて、 要求はエスカレートするばっかりじゃないか。 俺は自分の勉強時間が削られて困ってるんだ。 だから、さとるの現状を公文の職員に伝える必要性も出てきたってことなんだ。」 さとる:「おめぇ、チクるのはナシだぞ。あと、来週も新しい宿題が出るから、 それも頼むぞ。これも一生のお願いだから。」 こうじ:「一生のお願い、一生のお願い、って、それもう聞き飽きた。 いっつもワンパターンな口癖ばっかり。 さとるの一生のお願いを、3年生のときだけでも俺が何度聞き入れてあげたと 思ってるんだ。迷惑なんだよ、さとるが言う一生のお願いは! そもそも一生のお願いというのはな、一生に一度しかできないものなんだよ。 なのにお前、それさえ言えば相手を何度でも従わせることのできる 魔法の言葉と勘違いしてないか? 一生のお願いをいつもいつも繰り返しやがって、さとるは何回死ねば気が済むんだ! 俺は公文の宿題に限らずいろんなことで さとるの一生のお願いを100回くらい聞き入れてあげたんだから、 一度くらい、逆に俺の方からさとるに対して一生のお願いを させてもらってもいいよな? 自分の勉強は、自分でやれ!」 さとる:「なに説教じみたこと言ってるんだよ。これからも公文の宿題、 代わりにやれ! いいな!」 (つづく)
|
- 今までにあった修羅場を語れ 43話目
95 :おさかなくわえた名無しさん[]:2019/08/14(水) 08:14:59.56 ID:xDHO0kPr - (>>94のつづき)
こうじ:「さとるが公文の宿題をほかの人に丸投げすることで、 いろんな人が迷惑を受けてるんだ。俺だけじゃない。 さとるの両親も、公文の職員も、みんな迷惑してるんだぞ。」 さとる:「そんな迷惑なんて、あるわけないじゃん。こうじの思いつきで話すな!」 こうじ:「さとるが他人に宿題をやらせたことで、どんな形で周りの人に迷惑をかけてるかは、 俺がレポートにまとめて、昨日、公文の事務所に宿題と一緒に提出しておいた。 レポートの中身を見て、事務所の人は俺に味方してくれたよ。」 さとる:「ふざけるな! こうじは俺の宿題を代わりにやりさえすればいいんだ!」 こうじ:「さとるはきっと、今日の夜、両親とか公文の事務所の人から こってり絞られるだろうね。」 さとる:「俺をどうするつもりだ。」 こうじ:「明日から、さとるが公文の宿題を自分でするという、本来の姿になる。」 さとる:「俺に宿題を押し付けたら、家でゲームをする時間がなくなるだろ!」 こうじ:「ゲームをしたいがために俺を利用してたのか。」 さとる:「………」 こうじ:「そのことも今日、公文の事務所に伝えておこうかな。」 さとる:「そんなことしないでよー、頼むから、公文にはチクらないで、一生のお願い。」 こうじ:「さとるの一生のお願いには従えないって、さっき言ったじゃん。」 さとる:「ほんっと、こうじ、お前にはムカつくなー!」 ==【教室のドアがガラガラと開く】== 担任の先生:「○○(さとるの名字)君、今、ご両親と公文の関係者が 学校に来てるから、今から2階の指導室に来なさい。 あとそれから、ムカつくっていう言葉は周りにいる人の気分を害するから、 怒ってる意味で使うのはやめようって、ホームルームの時間に決めたじゃないか。 決めたことはちゃんと守って。それじゃ、指導室に行くよ。(手招き)」 こうじ:「さとる、バイバーイ。よかったら俺も行こうか?」 (つづく)
|
- 今までにあった修羅場を語れ 43話目
97 :おさかなくわえた名無しさん[]:2019/08/14(水) 08:16:09.21 ID:xDHO0kPr - (>>95のつづき)
このあと、なぜか俺も指導室に同室することになり、やり取りは続きました。 さとるとその両親、担任の先生、公文の職員を前に、 俺はさとるとの間に起きたことを洗いざらい話しました。 ◆ 初めは「解き方を教えて」という依頼だったから学力の手助けと思って教えたが、 月日がたつにつれて「解け」「書け」という代筆依頼へとエスカレートした。 ◆ 代筆依頼に限らず学校生活のいろんな場面にあったことだが、 俺はさとるの口癖「一生のお願い」を100回、いや何百回と聞かされ、うんざりしていた。 ◆ 公文の宿題を代筆する作業は、嫌なものでしかなかった。 ◆ 一連の代筆作業のせいで、俺の勉強時間がかなり削られた。 ◆ 宿題を丸投げする目的がゲームする時間欲しさだったということを今日知った。 さとるの両親は、「一生のお願いなんて言葉、どこで覚えたのかしら。」と あきれ顔でした。 先に帰っていいと先生に言われたので、俺は指導室から出ました。 しばらくすると、威勢のいいホッペタピシャーンの音が聞こえてきました。 聞かなかったふりをしてそのまま下校しました。 (つづく)
|
- 今までにあった修羅場を語れ 43話目
98 :おさかなくわえた名無しさん[]:2019/08/14(水) 08:17:36.72 ID:xDHO0kPr - (>>97のつづき)
● 第3章 公文の事務所に提出したレポートの内容 第2章に出てくる、締め切り前日(水曜日)にさとるの宿題とセットにして 私が公文の事務所に提出したレポートのメモ書きは、こんな内容です。 前の週から下書きを繰り返したわけですが、父のカバンに入っていた ビジネス文書をこっそり借りたりもして(ゴメン)、その文体を参考にしました。 時系列とか起承転結も意識しながら、公文への伝達事項を完成させました。 ※ 現物が既になく、思い出しながら書いているので、正確さに自信はない。 ┌──── メモ書きここから ──── │ │ 平成☆☆年☆☆月☆☆日 │ │ 公文の職員の皆様 │ │ 私は、☆☆中学校3年☆組の、こうじといいます。 │ 公文の会員であるさとると同じクラスです。 │ │ さて、突然ではありますがお伝えしたいことがあります。 │ 公文の宿題の「丸投げ・代筆」についてのことです。 │ 実は、今年の1学期以来、さとるの名で提出された公文の宿題(算数・英語)には、 │ さとるの命令で私が解かされて、しぶしぶ答えを書いた箇所が多数あります。 │ 代筆がばれないようにと筆跡までまねるよう命じられましたが、 │ さすがにそれは無理でした。 │ 過去の答案をさかのぼれば2人分の筆跡があることはわかると思います。 (つづく)
|