- 体験した怖い話 作り話を語り合うスレ
423 :名無し百物語[]:2024/03/11(月) 18:17:04.55 ID:SepcE87S - 石じじいの話です。
朝鮮で知り合ったロシア人から聞いたという話を紹介しましょう。 皆さんはトーテムポールを知っていますか?アメリカ先住民のものが有名ですね。 これを立てる風習は、シベリアに住む、さまざまな少数民族にも広く見られるのだそうです。 ある場所では、木で作られた柱状のトーテムが草原に列をなしてたてられていました。 木柱の一番上の部分には、人の顔がレリーフとして彫られています。 それは、男性の顔であり、女性の顔を彫るのはタブーでした。 女性の顔を彫ると、そこに魔物がやどると言われていたそうです。 ある集落で、夜に、歌声が流れてくることがありました。 その歌の意味は聞き取れないが、しっかりとした旋律はあるので歌だと思ったそうです。 夜に、その声のもとを探してみると、どうも、そのトーテムの顔が歌っているらしい。 歌は独唱だったので、たくさん並んでいるトーテムのどれかひとつが歌っているのだろうと思われました。 しかし、トーテムの近くまで行って確認する勇気のある者はいませんでした。 そのようなことをすると呪われるかもしれない。 シャーマンに尋ねると、「トーテムが歌うなどということはない、気のせいだ」と。 いや、呪術師に気のせいだと言われても・・・。 ある夜、その歌を聞いていた女性が、急に家を飛び出し、行方不明になりました。 トーテムの歌と行方不明事件との関連性は、はっきりしませんでしたが、人々は、トーテムのしわざだと考えました。 恐れた村人はトーテムを全部取り払ってしまいました。 取り払った夜、また、歌が聞こえてきたのです。 これはたいへんだ!というので、村人が勇気を出して歌の聞こえてくる場所をさぐったところ、先に行方不明になった女性が歌っていたそうです。
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