- 体験した怖い話 作り話を語り合うスレ
404 :名無し百物語[]:2024/01/18(木) 14:44:35.89 ID:UhnqyRtW - 石じじいの話です。
これは、日露戦争に出征した老人から、じじいが子供の頃に聞いた話だそうです。 その老人は、二百三高地の戦闘に参加しました。ある突撃の際に、負傷した戦友を助けました。機関銃で撃たれた彼を引きずって後退したとか。 その戦友は、かなりの重傷であり、老人が見ても助からないと思われたそうです。 彼は、東北の田舎出身で、すこしのんびりした性格(ここは、じじいの話では差別的な表現でした)でしたが、頑強な体をもち勇敢でした。 老人とは非常に仲が良かったのですが、もう死んでしまう。 息をひきとる間際に、その戦友は言いました。 「おまえは、兵隊勤務で田舎者の俺に良くしてくれた。今度も、自分の危険も顧みず俺を助けてくれた。ありがとう。俺はもうダメだが、死んだらきっとお前を守る。危ういときには、かならず助けに来るからな。」 と。 この話をしてくれた老人は、その戦友とはちがい体も小さく臆病な人物でした。 この後の戦闘で、老人の部隊が全滅しそうになり、もうだめかという状況になりました。 もうだめか!と思った時、老人の心に急に勇気が出て、負傷して疲れ切った体に力がみなぎったそうです。 老人は勇敢に戦い、敵の拠点の一部を占拠することに貢献しました。そして、その戦闘から生還したのです。 しかし、彼も重傷を負い戦線離脱となりました。 さて、「かならず助けに来る」と言って死んだ戦友は助けに来てくれたのか? 「その戦友は、目の前に『出現』するのではなく、自分の心身の中に現れて助けてくれたのだろう」と老人は言い、涙を流したそうです。
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