トップページ > 創作怪談 > 2023年12月10日 > SedTic3x

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名無し百物語
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体験した怖い話 作り話を語り合うスレ
384 :名無し百物語[]:2023/12/10(日) 16:39:46.86 ID:SedTic3x
石じじいの話です。

じじいが朝鮮に住んでいたとき、ロシア人の商人の知り合いがいました。
友人といってもよいでしょう。
彼は、ロシアの各地を放浪して、蒙古・満州から朝鮮に流れ着き、その時は、他のロシア人やタタール人を使って商売をしていたそうです。
じじいが彼から聞いた話がいくつかメモにあります。

人狼の話です。
そのロシア人がペテルブルグにいたときの話だとか。
人狼とはオオカミ男ですね。
以下は、自分が人狼であると言うリトアニア人女性の話してくれたことです。
彼女は、人狼のことを「狼型=ボルクモルフ」と呼んでいたそうです。

彼女によると:
人狼は、女性も男性もいる。
変身前は、普通の人間である。
子供(数歳)の人狼もいるらしい。彼女は会ったことはないが。
そのような子供人狼は、親によって早くに殺される事が多いようだ。
人狼にはいろいろな種類があり、自分でいつでも自由に狼型に変身できる者たちもいる。
狼型に変身すると凶暴になる。中には、知性が残っており会話が可能な者もいる。
しかし、変身前の人格は存在せず、その記憶はなく、もとの人間に戻ると、変身している間のことはほとんど憶えていない。
ただ、ぼんやりと部分的に記憶が残っている者はいた。
自分(リトアニア人女性)がそうだ。
人狼の種類?によっては、犬やシカ、魚、植物、大気現象(霧、雲)、非生物の物(棒、干し草の山、石)にも外見を変えることができる。
自分(彼女)以外にも、このような人間がいるのだが、自分は見ただけでは、それを見分けることはできない。
人狼であることが知られると、当然、殺される。
変身すると、人間の時の記憶をなくすので、非常に危険な状況になる。
だから、住む場所や職業を注意深く選ばなければならないし、頻繁に変える必要がある。
人狼の中には、他人に危害を加えないように、正教の隠遁者として生活している者もいる。
自分(彼女)は、自分の意志で変身できるのだが、まれに自分の意志とは関係なく変身してしまうことがある。これが問題だ。
どうすれば人狼になるのか?
人狼は、洗礼を受けないで死んだ子供か背信者がなるという話がある。
女性が妊娠中に、狼に殺された動物の肉を食べると、人狼の子供を生むという話がある。
人狼の属性 能力 は遺伝する。
噛まれたら人狼になるというわけではない。
反対に、狼が人間の能力を得た、という存在もいるようだ。
書き込み者の註:猫又のようなものものでしょうか。
人狼は、一般に長命である。

こう話したリトアニア人女性は、「私も、いつ狼型に変身するかも知れないから、注意しろ。もう会わないほうが良い。」と言い、近いうちにフィンランドに移住するつもりだと言っていたそうです。
以前紹介した、蒙古の「マハチン」も、この一種かも知れません。
体験した怖い話 作り話を語り合うスレ
385 :名無し百物語[]:2023/12/10(日) 16:40:38.49 ID:SedTic3x
石じじいの話です。

人狼に関連した話をもう一つ。これも朝鮮のロシア人が語ったものです。
以前に、肉食の獰猛な子供兵士を育成する施設が帝政ロシアにあったという話をしました。
それと関連しそうな話です。
人狼のような存在は、ウラル山脈周辺やバイカル湖周辺でも知られていたようです。
そこでは、人が狼に変身するのではなく、「吸血鬼」と呼んでよいものだったらしいのです。
それは、すべて女性で、魅力的なので男性は惑わされて喰われてしまう。
まあ、魔物伝承の定番の設定です。
血を吸われて同族になるというのではなく、肉を喰われ血を吸われる。骨も砕かれ、中の骨髄を喰われてしまう。
あとは食い荒らされた無残な死体が残るだけ。
ある種の「食人癖」ではないか、と考える人々もいたそうです。
さて、ここからが本題:
ロシア帝国の時代には、軍に「人間生物兵器」研究機関があったそうです。
そこでは、オオカミ型の凶暴な食肉類を「兵士」にする、という研究が行われていました。
トラのようなネコ科の動物ではなく、集団行動の習性を持っていたそうです。
あるいは、子供をオオカミ型の食肉類に改造したものだったのかも知れない、と。
それらは、「アントロヒシニク」と呼ばれていました。
「ソレ」はコドモであり、オス(少年)もメス(少女)もいる。
それに関係していた生物学者によると、少女(メス)のほうが知能が高くより凶暴なので殺傷能力は高いのだが、上官の命令に服従せず集団的な反乱を起こす可能性が高いので、兵器としては使いづらい:ということだったそうです。。
その研究所・訓練施設は、クラスノヤルスク付近にあったとか。
ロシア革命後、それがどうなったのか?そのデータはどうなったのかはまったく不明です。


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