トップページ > 創作怪談 > 2023年12月05日 > ZDe1V1dD

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名無し百物語
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382 :名無し百物語[]:2023/12/05(火) 17:26:49.13 ID:ZDe1V1dD
石じじいの話です。

じじいが、彼の子供の頃 あるいは、さらに昔 の風習を話してくれました。

皆さんは、お月見をしますか?
子供の頃には、中秋の名月の晩に、お月見をしました。田舎の、のんびりした月見です。
名月の晩には、よその畑の作物 主に果物 をとって食っても良いという風習があったそうです。
なぜ、そのような行為が許されたかというと:
最初にこの土地(村)をひらいた人々が皆でともに行った激しい労働の記憶や収穫物を分け合う気持ちは、土地がある限り、そこに残っているのだ。
そのため、一年に一度だけ昔に時を戻して、だれがどこの作物をとってもよい日をつくったのだ。
そうすることを、ご先祖様は喜びなさる、ということでした。
畑のものでなくても、お月さまに供えてあるものを子どもたちがとって歩く風習がある村もあったそうです。
神に供えたものは、もう自分のものではなかったので、それをとって食べるのが悪いということではなかったのです。
墓に供えたものを鳥がたべてもよい。神前にそなえたものを皆で分けてたべたりするのも同じことだと。
神に供えた あとの ものまで自分のものだ:ということになると、みんなで楽しもうとするのではなく、自分たちだけで楽しむものとなり、共同体の行事の持つ楽しみも消えていったのです。

お月見をしていると、満月の暗がりから、人の声がよびかけてくることがあったそうです。
「おかあさん」とか「XXよ」とか  XXは人の名前
その声は、先に死んだ親族の声のように聞こえたそうです。
その暗がりをさぐるのですが、だれもいない。
それを気味悪がる人もいましたが、かえって喜んで、楽しみにする人たちもいました。
月夜に、南向きの部屋で障子だけを閉めて寝ていると、障子に、人の影が映ることもありました。
その影も、声をかけてきます。
「おかあさん」
『おお、SSよっ!かえってきたんか?』 SSは、話しかけてくる死んだ人の名前
「はい」
そこで、障子を開けてしまうと、そこにはだれもおらず、その後、声はしなくなる。
だから、そのような影が来ると、我慢して障子越しに話をしなければなりませんでした。
ただし、その影は細かい内容の話はせず、「はい、いいえ、そうです、ありがとうございます、すみません」などと受け答えをするだけだったそうです。
しかし、声は、その人物のものに間違いなかったのです。
魔物だったのかもしれませんが、何も悪さはせず、たたりもせず、残された者の心をなぐさめてくれたといいます。


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