- 体験した怖い話 作り話を語り合うスレ
377 :名無し百物語[]:2023/11/22(水) 22:07:40.09 ID:g4RNDhzh - 石じじいの話です。
犬神憑きの話がノートに見つかったので、まとめて書いてみましょう。 聞き取りノートのあちこちに散らばっている断片を集めて整理したものです。矛盾しているところもあるのですが修正しようがありませんでした。 じじいの故郷 私の故郷でもあるのですが は、犬神憑きの本場です。 以下に、それについての情報を列挙しましょう。 #犬神が憑くプロセス: 犬神は、ある人 犬神憑きと呼ばれるのですが に使役され、他人に憑いて災禍をもたらします。 犬神憑きの家には、そのような使役用の犬が7頭いるとも、家族の数だけいるとも言われていました。 この犬が、犬神憑きの指図によって相手の口や鼻、耳、目、尿道、肛門、陰門、毛穴などから体内に侵入します。 #症状: 犬神に憑かれると、癲癇のような症状を起こす;気が狂ったようになる;犬のまねをする;とりとめのないことを口走るようになります。 道を歩いている時に急に失神したり、おかしなことを口走ることもあります。しかし、これは短時間でおさまるのだそうです。 高熱を出したり大汗をかいたりすることもあると。 肉体的な苦痛も激しくて死ぬこともあります。特に、腕や脚の関節が痛むそうです。 #対策: 犬神を退散させるのは祈祷師による加持祈祷です。 それには、御嶽教の行者がよい、と言われている地域もありました。 盲目の巫女を連れてきて、ご託宣を聞くこともあったと。 犬神に憑かれやすい人は、ヒステリックな人、嫉妬心が強い人、内向的な性格の人、だそうです。 #犬神の形: 犬神に憑かれた人の証言によると、犬神の形態は白犬の仔のようなものであったと。これが鴨居の上を行き来するのだそうです。 #別の解釈: このような「犬神憑き症状」の原因には別の解釈もあり、それは、人の生霊が憑くことによって起こるのだ、ということでした。 また、この犬神憑きを行う「術法」は、修験者が行う加持祈祷の一つである「護法種」というものが一般の人に広まったのだ、という話もあったそうです。
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378 :名無し百物語[]:2023/11/22(水) 22:08:14.33 ID:g4RNDhzh - >>377
石じじいの話です。 犬神憑きについての話をもう少し。 #犬神憑きにかかわる「修験者」について: 修験者は、一部の地域では神官も兼ねていて、その土地の雨乞いや風祭、庚申講などの行事を司っていたそうです。 さらに、病気治療のための祈祷もおこなっていました。 そのような加持祈祷の種類は300種類以上もあったそうです。 #加持祈祷の例: 汗垂符;抜霊治病事;疫病退治;難産治療;石女の懐妊;男子の出産;腫物治療;やけど治療;夜泣き治療;ウマの加持;鼻血を止める;喉に魚の骨が刺さったときの治療;疱瘡符;生霊の除去;野狐が憑いたときの対策;などなど。 上記、漢字や解釈の間違いがあるかもしれません。中学生の私が聞き取った内容ですから。
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379 :名無し百物語[]:2023/11/22(水) 22:12:05.05 ID:g4RNDhzh - 石じじいの話です。
病人治癒のために、憑き物を落とす方法として、修験者や祈祷師をやとわないで自分たちで対処する方法もあったそうです。 法外な金を要求されることもなく経済的です。 そのためには、念仏講による念仏踊りを行います。 念仏のための「道場」を設置します。 六斎念仏の道場だったそうです。 道場には、二八宿や二五菩薩をかたどった、しめ縄や御幣をかざりました。 念仏踊りの中心となる人は法眼と呼ばれていたそうです。 道場に、阿弥陀如来、不動明王、十六善神の掛け軸をかけて、お灯明や供物を捧げます。 そうしておいて、太鼓や鉦を叩きながら三人一組で踊ります。 道場に病人をフトンに寝かして、そのまわりで念仏衆が刀を持って踊るのだと。 最後に、たんぽをつけた槍で病人の掛け布団をはねのけると、憑いていた魔物が病人の体を抜けだして退散するのだそうです。 田舎には、江戸時代の本物の槍があちこちに残っていたそうですが、それは使えない。本当の刃のついた槍を使うと危ないですからね。
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