- 体験した怖い話 作り話を語り合うスレ
338 :名無し百物語[]:2023/10/01(日) 21:15:44.34 ID:mdyzerVp - 石じじいの話です。
以前、亥の子の風習について話したことがります。 それは、ハロウィンが一般化する前の、子どもたちの楽しい夜のお祭りでした。 私が子供のときにも、この風習は残っていました。 田の神が山の神になるために帰っていく時に感謝を捧げる祭りであったとも言われます。 また、この日に、その年に農作業を手伝ってくれた他の家に餅を配る風習もあったそうです。お世話になった人へのおかえしです。 そのため、ある地方では亥の子には必ず餅をつかなければならなかったということです。 十月の亥の日の夜には、子どもたち、男の子のみなのですが、が家いえの前を藁鉄砲や石で打ちながら一軒いっけんまわりました。 私の集落では石で地面をついてましたが、近くの町では藁鉄砲のところもあったようです。 コンクリートの地面を石でつくことはできませんからね。 それに石はあぶない。 ある地方では、その時に唱える歌は「亥の子の餅つかん者は、鬼を生め、蛇生め、角のはえた子生め」だったそうです。 「それはうちらの村の亥の子のやりかたとはちがうね。うちらでは、そがいなこと言わんと、亥の子唄うたわいね」と私がコメントを加えると。 じじいが言うには: 「ある年にな、その『蛇』を生んだ家があったんで。」
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339 :名無し百物語[]:2023/10/01(日) 21:16:35.11 ID:mdyzerVp - 石じじいの話です。
じじいが石探しのために北海道を旅したときの話です。 北海道北部の日本海側の漁村で聞いた話だとか。 北海道の漁村では、冬になる前に海からの寒風を防ぐために垣をたてます。 丸太ん棒を縦横に組んだものにアシ、わらなどを屏のようにくくりつけて作るのだそうです。 雪囲いの意味もあり、雪が来る前にたてます。 ある漁村では、その風よけに鋭く尖らせた木の棒(ヤリ)を海に向かってたくさんとりつけるこのもあったそうです。 これは、海からやってくる魔物を防ぐためだということでした。 その魔物は、観念的、宗教的なものではなく実在するものであり、吹雪の夜に雨戸や窓を破って家に侵入し人をさらうのだということでした。 さらわれた人は喰れたのです。 食い荒らされた死体が海岸に放置されていたり波間に漂っていたりしたそうです。 日頃、海で漁をすることに対して、怒った海の生物、神ではないとか、が仕返しにくるのだ、ということらしいのです。 この魔物に対抗するために、座敷に短いやりや短刀を立てかけておく家も多かったそうです。 実際に、やりの練習をする人もいたらしいのです。
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340 :名無し百物語[]:2023/10/01(日) 21:17:51.45 ID:mdyzerVp - >>339
この話に関連する話として: ある吹雪の夜、トイレに行こうとして土間を通った時、土間の目張りをし忘れた窓を開いて入り込もうとしている「魔物」がいたことがあったそうです。 見つけた人は、大声で家人に知らせました。 主人が、やりでその魔物を突くと、ソレは、低い唸り声をあげて窓から外へ落ちていなくなったそうです。 その声は、女性のもののようにも聞こえたと。 と、別の聞き書きメモにありました。 魔物の姿についての話は、聞き書き帳にみつけられませんでした。
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