トップページ > 創作怪談 > 2023年07月28日 > lktc+JGj

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名無し百物語
体験した怖い話 作り話を語り合うスレ

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体験した怖い話 作り話を語り合うスレ
244 :名無し百物語[]:2023/07/28(金) 19:38:23.11 ID:lktc+JGj
石じじいの話です。

じじいが朝鮮にいたときの話です。
山を歩いていると、一匹の犬がどこからともなくあらわれて距離をあけてついてきたそうです。
野犬の群れか?と思い緊張して身構えましたが他に犬はいませんでした。
こちらが立ち止まると、犬も止まる。
あまり気にしてもしかたがないので、歩きつづけましたが犬はついてきます。
いっしょに歩いていたらだんだん恐怖心は失せていったそうです。
腹が空いたので、ひとやすみして昼食にすることにしました。
朝、宿屋で弁当をたのでおいたのですが、宿の飯炊きが間違って二人分どころか三人分ほどの量を作っていました。
必要な分だけ持って、あとはおいておこうとしたのですが、「なにかあるかもしれないし、邪魔にはならないから」と彼女が言うので、それもそうかと思い携行していたのです。
しかし、やはり重い。
この犬にも、少し分けてやろうと思いました。
飯を少し投げてやると、犬は少し逃げる。
見ていると警戒して食べないので、じじいは無視して自分の弁当を食べ始めました。
すると、犬は、おそるおそる近づいてきて、それを食べ始めたそうです。
じじいは、また少し投げてやりました。さっきより近いところに。
犬は、おそるおそるよってきて食べました。
それを繰り返していると、犬も警戒心をといたのか、かなり近くまでよってきたそうです。
そして、そこへちょこんと座りました。
そこへ飯を投げてやっても、もう逃げない。美味しそうにそれを食べました。
犬は腹が空いていたのか、たくさん食べたそうです。
じじいは、なにげなく犬に話しかけたそうです。
「犬よ、おまえは一人か?」朝鮮語で。
「アア」犬がこたえました。朝鮮語で。
[つづく]
体験した怖い話 作り話を語り合うスレ
245 :名無し百物語[]:2023/07/28(金) 19:39:12.02 ID:lktc+JGj
>>244
[つづき]
じじいは驚きましたが、ここでとり乱すと襲われるかもしれない、
犬のなき声がたまたま人の声のように聞こえたのかもしれない、と考え、続けました。
「腹がすいとったんか?」
「アア」
「人の言葉がわかるんか?」
「ワカル」
これは、明らかに人の言葉です
「どこでなろうた?」
犬答えず
「人にかわれとるんか?」
「イヤ」
「何歳ぞ?」
「ゴ」
「なかまはおらんのか?」
「オル」
「どこに?」
犬答えず
「こどもはおるんか?」
「オラン」
「もっと食うか?」
「イヤ」
「この山にすんどるんやな?」
犬答えず
「さびしゅうないか?」
「イヤ」
「そうか、親はおるんか?」
犬答えず
犬は、うずくまって眠そうにしはじめました。
じじいは、もっと会話をしてみたい気もしましたが、今日中に山を越えなければならないので先を急ぐことにしました。
「もうすぐ、冬になるけん、からだだいじにせいや。これで行くけんのう。」
犬はゆっくりと身を起こし言いました。
「あなたもお体をおだいじに。ここからの道は、峠を越えたところに岩場があってあぶないから気をつけなさい。
たべものをくださり、ありがとうございます。またここを通ることがあったら、この場所で『ハヤン』とお呼びください。きっとまいります。」
じじいはあっけにとられました。
それは、流暢で丁寧な朝鮮語だったのです。
じじいは、非常に興味を持ちましたが、このまま立ち去ることにしました。
深い関係を持たないほうが良いだろうと思ったからです。
少し歩いて、うしろを振り向くと、犬は山の斜面をのぼっていきます。
犬は、一度こちらを振り向きましたが、すぐに林の中に消えていきました。
朝鮮の秋の空は真っ青で、山は紅葉で黄金色に輝いていたそうです。


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