トップページ > 創作怪談 > 2023年06月03日 > YRrdetbS

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名無し百物語
体験した怖い話 作り話を語り合うスレ

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体験した怖い話 作り話を語り合うスレ
226 :名無し百物語[]:2023/06/03(土) 21:34:12.08 ID:YRrdetbS
石じじいの話です。

図工がとても得意な小学生がいました。
その男の子は、絵もうまいし粘土細工なども上手でした。
リアルな作品も抽象的な絵もよく描け、デザインのセンスもあったそうです。
ある夏休みの図工の宿題で、彼は犬の石膏像を作ってきました。
柴犬のような犬のリアルな頭でした。人に愛嬌をふりまているようで、とてもかわいく見えたそうです。
そのできに同級生たちも先生も驚きました。
その作品は金賞をもらって教室に飾られました。
その後、みんなにも見てもらおうと図工教室に展示されました。
みんな、おどろき、またよろこんだそうです。
その作品は長く展示され、ついには、その作者である男の子が卒業しても学校に残されました。
それから、ずいぶん時間がたって、
10年以上もたっていたということです。
その由来も忘れられてホコリをかぶっていた、その石膏像を、美術クラブの女の子が見つけて、それに着色したそうです。
彼女は、絵がとても上手だったので、犬の像は非常にリアルに着色されました。
それはそれで作品として立派なものだったということです。
これは、なおさらカワイイと皆がよろこびました。
そのうち、ある生徒がよく見ようとして、高い棚に置いてあったその像を手にとろうとしました。
しかし、誤って落としてしまいます。
[つづく]
体験した怖い話 作り話を語り合うスレ
227 :名無し百物語[]:2023/06/03(土) 21:35:00.58 ID:YRrdetbS
>>226
[つづき]
石膏像はバラバラに割れました。
割れた断面を見てみると、石膏の中に骨のようなものがあります。
そこにいた子たちは怖くなって、壊したことを先生に言いました。
クラブの先生は、それを理科の先生に見せて調べてもらいました。
理科の先生が調べたところ、それは犬の頭骨だったそうです。
骨に石膏を塗りつけて固めて、表面を削って形を整えて毛並みなども表現していました。
両方の眼窩には、きれいなビー玉が詰めてあったそうです。
作者の男の子についての情報は残っていましたが、かなり前のことなので今さらどうこう言うこともない。
その理科の先生は、石じじいの科学知識の顧問のような人物でした。
彼がじじいに言うには:
「あれは、中に犬の骨が入っとったけど、まわりは石膏で固めて、それを削って形を作っとったんで。骨は石膏像の芯みたいなもんよ。」
「考えてみんさい。鼻や頬の形や、まぶた、耳の形は骨には残っとらんので。それをあの子は、きれいに削り出して、ほんものみたいに写実的に作ったんぞ。これはなかなかできん。」
「あの子には才能があったんよ。骨なんか中に入れんでも同じようなええもんができたろうのう。」
「もしかしたら、その犬は、あの子にとって大事なもんやったんかもしれん。飼うとった犬やったかもしれん。生きとった時の姿をようおぼえておったんかのう・・・。」

愛するものとの、そのような別れかたもあったのかもしれません。


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