- 体験した怖い話 作り話を語り合うスレ
219 :名無し百物語[]:2023/05/25(木) 18:08:27.43 ID:WzUHVu2d - エレベーターは怖いな
こんなこともあった。 夜、仕事からかえってくると、エレベーターのなかは真っ暗だった。 さすがに、こんなおそくに使う人はいないか。 ボタンを押すと点滅しながら明かりがついて、扉が開く。 その瞬間、中から、なにか小さなものが飛び出してきて、オレに飛びついてきた。 「うぉっ!」とのけぞるオレ。 そこには、オレの脚にじゃれつく犬が。 よくわからない雑種犬だ。柴犬とコーギーが混じったような感じだ。 無理に引きはがしても、オレのまわりを走り回る。 このまま放ってはおけないので、このシバーギーを連れて部屋に戻った。 腹をすかしていたらしく、飯にかつおぶしをかけてやったら、ガツガツと食べた。 メシ食べ終わると、すぐに眠りやがった。俺の上着の上で。 次の日、休みだったので、こいつをバックパックに入れてドッグフードやトイレ用具なんかを買いに行った。 部屋に置いてはいけない。 返ってきて玄関のメールボックスをチェックすると、一枚の紙きれが入っていた。 「ミサトちゃん(仮名)をかわいがってやってください。毎日、散歩につれていってあげてください。好物は、煮たブタの肝臓です。おねがいします。」と・・・。 おいおい、このマンションはペット禁止だ! それより、どうして、オレがこの犬を拾ったことを知ったんだ! どうしようもなくなったオレは、1ヶ月ほどこっそりと飼った。 逃亡を続ける指名手配犯の気持ちが少しわかったような気がした。 よし。どうも、昼間、オレの留守中には吠えないようだ。苦情も来ない。 真夜中の散歩が日課になった。 連休に、ミサトを自宅に連れていって、そこで飼ってもらうことにした。 今は、おふくろが「ジョン」と名付けてかわいがっている。 メスだ!メス!
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