トップページ > 創作怪談 > 2022年12月23日 > ubSFfJJF

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名無し百物語
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199 :名無し百物語[sage]:2022/12/23(金) 11:59:11.37 ID:ubSFfJJF
怪談ではないがちょっと気味の悪い話なので、興味のある人は読んでくれ
もう30年くらい前に大学の同級生のKから聞いた話だが・・

時期はちょうど今頃、真冬のある寒い日の夕暮れ時、下町の小さな病院の待合室でのこと。
風邪をひいて38度を超える熱があったKは、病院の受付で手続きをすませて、座るところはないかと薄暗い待合室を見た。その狭い部屋には長椅子が2脚置かれており、正面の椅子には中年の女が、その向かい側に置かれた椅子には4~50代のサラリーマン風の男が座っている。女の隣にはバッグが置かれていたのでKは少し離れて男の横に座った。寒い屋外から暖房の効いた温かい部屋に入ったKは、落ち着いた気持ちでため息をついた。
しばらくしてふと隣に目を向けると、そのサラリーマン風の男は片腕を長椅子の背もたれにかけて上半身を斜めにした姿勢でKの顔をじっと見ている。無表情なその男の目にKは(なんだこの人、変な人だな)と思ったが、気を取り直して「こんにちわ」と挨拶をした。が、応答はない。「寒いですね」・・・返事がない。男は黙って、ただKの顔を凝視している。気持ち悪くなったKは正面を向いて目を閉じた。そして眠り込んでしまわないように、勉強のこと、家族のこと、就職のことなどを考えてときを過ごした。
しばらくすると受付の看護師が「○○さん。診察室へお入りください」と言った。中年の女が返事をして立ち上がり、バッグを手に取って診察室の扉を開けて中に入っていく。Kは空いた長椅子をしばらく眺めていたが、ふと何かを感じて隣の男を横目に見た。その瞬間Kは全身が総毛立つのを感じた。
なんと、その男はさっきとまったく同じ姿勢、同じ無表情な目でKを凝視している。「さっきからずっと俺を見ていたのか」と思ったKはあまりの気持ち悪さに耐えられなくなった。空いた長椅子に移ろうかとも思ったが、そのちょっとした動きが男を刺激して因縁をつけられるかもしれないと思うと、動くことすらできなかった。Kはまた正面を向いて目を閉じた。だが、もちろんさっきまでのように落ち着いた気持ちでははいられない。今にもその男に何かされるんじゃないかという不安で心臓が高鳴った。Kは早くこの男の診察の順番がきてくれと願った。しばらくしてようやく受付の看護師が「△△さん。診察室をお入りください」とその男に向かって言った。
それを聞いたKは目を閉じたまま、その男が診察室へ入って行くのを待った。が、男が椅子から立ち上がる気配がない。そして、看護師が今度は少し強い調子で「△△さん、診察室へお入りください」と言った。が、それでも男は動かない。看護師は受付から出てきて、その男の肩を叩いて「診察室へ・・」と言いかけたが、突然慌てた様子で看護師自身が診察室へ入って行った。そしてすぐに開かれた扉から医者と一緒に出てきた。
医者はその男の正面にしゃがみ込んで脈を取ったり、胸や首を掌で押さえたりしていたが、やがて、看護師と二人でその男を長椅子に寝かせ、心臓マッサージを始めた。医者はしばらくその男の胸を両手の掌でリズミカルに押していたが、腕時計を見て経過時間を確認し手を止めた。そして、長椅子に寝かされたその男の両手を胸で合わせ、両目を閉じさせた。
少し離れたところからその様子を見ていたKは、そのときようやく気がついた。
Kが待合室に入ったとき既に男は死んでいたのだと。


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