- 体験した怖い話 作り話を語り合うスレ
179 :名無し百物語[sage]:2022/10/15(土) 21:12:28.44 ID:q6sfxqwy - [再録]
エレベーターは密室だから怖い。 俺は、使うのがすごく怖い。 その原因となった出来事の一つだ。 夜中に自分のマンションに帰って来てエレベーターを待っていた。 エレベーターが上から降りてくる。 ドアが開くと、女性が立っていた。 バスガイドのような制服を着て、行き先階ボタンパネルの前に壁のほうを向いて立っている。 顔はよく見えないが、美人で若いようだ。米倉涼子似だ。 「何階をご利用ですか?」ときれいな声でたずねてきた。 「あっ、7階をお願いします。」 彼女は7階ボタンを押してくれた。 ああ、彼女、今、仕事から帰りか。バスガイドも大変だな、と思った。 彼女は、突然、話しかけてきた。 「本日は、XXデパートをご利用いただきありがとうございます、ただ今、8階催事場では、お中元予約受付会を開催中です。屋上広場では、仮面ライダーストロンガーショーを絶賛開催中です・・・」 しまった!彼女はエレベーターガールだ!最近デパートにはエレベーターガールがいなくなったことを忘れていた! 俺は、彼女を刺激しないように、ひたすら7階へ到着するのを待った。 彼女との時間が、ものすごく長く感じられた。 7階に着いた! 「7階子供服売り場です。ご利用ありがとうございます。ゆっくりと、お買い物をおたのしみください。」 「お、お疲れ様です。」 俺は、走り出したい気持ちをおさえて、ゆっくりとエレベーターをおりた。 エレベーターは、そのまま閉まり、彼女は8階催事場に昇っていった。
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180 :名無し百物語[sage]:2022/10/15(土) 21:15:12.65 ID:q6sfxqwy - [再録]
エレベーターは密室だから怖い。 俺は、使うのがすごく怖い。 その原因となった出来事の一つだ。 深夜に帰宅してエレベーターを使った。 ボタンを押すとエレベーターは、すぐに開いた。 エレベーターの入り口が、何か荷物のようなものでふさがれている。 と思ったが、実際は、木製の大きな机が置いてあった。 そして、その机に向かって、中年のおっさんが椅子に腰掛けている。 机の上には、湯気のたっているコーヒーの入ったマグがあって、おっさんは、週刊ポストを読んでいた。 おっさんは、ジロリと俺を見て、「何階ですか?」 「あっ、7階をお願いします。」 おっさんはボタンを押して、週刊ポストを読み始める。 俺のマンションのエレベーターは割と広いやつだったが、机があるので乗る場所はものすごく狭い。もう、太ももが机と壁に挟まるくらいで身動きがとれない。 俺は、おっさんを刺激しないように、首を出入り口側に90度曲げて視線を合わせないようにした。 話しかけてきたらどうしよう。刺激すると、あの熱いコーヒーをぶっかけられるかもしれない。 7階に着いた。俺は、カニ歩きでエレベータを出た。 「お、お疲れ様です。」 エレベーターは降りていった。 後日、管理会社に、このことを伝えた。 「防犯カメラを調べて見ますが、そういうときは利用しないでくださいね。」 正論だ。
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181 :名無し百物語[sage]:2022/10/15(土) 21:20:53.41 ID:q6sfxqwy - [再録]
エレベーターは密室だから怖い。 俺は、使うのがすごく怖い。 その原因となった出来事の一つだ。 夜遅く、エレベーターに乗ろうとすると、喪服を着た中年男女と女子高生が無言で先にエレベータを待っていた。家族らしい。 お葬式帰りか・・・。 「こんばんわ」と挨拶して一緒に待っていると、すぐに、後ろに若い男女がやってきた。二人とも喪服を着ている。 「こんばんわ」 おいおい、今日は仏滅か? エレベーターに、6人が乗り込む(俺もふくむ)。 俺は、7階だ。 「4階お願いします。」 「あ、6階で。」 「あの、8階を。」 「ごかいを。」 4, 5, 6, 7, 8階のボタンが点灯した。 え?なんで? 4階で、喪服の女子高生がおりた。 えっ?親子じゃないの? 次に、5階で後から来た若い男性がおりた。 えっ?夫婦じゃないの? 次に、6階で、中年夫婦がおりた。 「おつかれさまでした。」 7階についたので、俺がおりた。 おりるとき、残った8階喪服女性が「おやすみなさい。」と。 俺は、「こんな偶然がかさなることもあるんだな」と思いながら、喪服のズボンのポケットから自分の部屋の鍵をとり出した。
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182 :名無し百物語[sage]:2022/10/15(土) 21:27:45.80 ID:q6sfxqwy - [再録]
エレベーターは密室だから怖い。 俺は、使うのがすごく怖い。 その原因となった出来事の一つだ。 夜の11時ごろ自宅のマンショに帰ってきた。 エレベータが1階に来ていて中は真っ暗の状態だった。 ボタンを押して明かりがついて扉が開いたら、若い男が下半身を脱いで『和式便所でうんこする体勢』でしゃがんでいた。 「ノックぐらいしろよ!」と怒鳴られた。 「すみません!」 当然、エレベーターには乗らないで、ちょっと離れて横から見ていた。 扉は閉まってエレベーターが上り始めた。 見ていると、7階でとまった。 俺の階じゃないか! 階段で7階までのぼったが、うんこ野郎が階段を上からおりてくるんじゃないかと思って怖かった。 ちなみに、7階の廊下には、どこにもウンコもシッコ跡も無かった。
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183 :名無し百物語[sage]:2022/10/15(土) 21:36:20.07 ID:q6sfxqwy - [再録]
エレベーターは密室だから怖い。 俺は、使うのがすごく怖い。 その原因となった出来事の一つだ。 みんなは、「カンチョウ」という遊びを知っているだろうか? 平日の昼に帰ってきてエレベーターに乗った。 若い女性も一緒に乗った。彼女は大塚寧々似の美人で、ちょっと得した気分だった。 ドアが閉まる直前に小学生の男子が二人走りこんできた。 一人には見覚えがあった。このマンションの悪ガキだ。もう一人は、やつの友達だろう。 二人とも、学校からの直帰らしくランドセルを背負っている。 奴らは、4階のボタンを押しやがった。おいおい、4階くらい子供は階段でいけよ。 俺は7階、大塚寧々は9階だ。 ドアが閉まった直後、その4階の悪ガキは、これにアイコンタクトしてきて満面の笑みでうなずいた。 そして、後ろから、大塚寧々に「カンチョウ」をかましやがった。 『ズンっ!』という音がして、カンチョウは見事に決まった。 絶叫する大塚寧々。 その時、4階でドアが開いて二人のガキが笑いながら出ようとした。 すると、大塚寧々は、その二人のランドセルを掴んで、二人をエレベーター内に引き戻した。 そして、二人を壁に思いっきり叩きつけた。 『どっかーん』と大きな音がして、揺れるエレベーター。 大泣きしはじめるガキ二人。 俺は、すぐには事態がのみこめなかった。 大塚寧々は、激怒して、ガキたちをガンガンと壁にぶつけて押し付けるのをなんども繰り返えす。 「あんたたち!許さないわよっ!」叫ぶ大塚寧々。 エレベーター内に響く、ガキたちの叫び声と大塚寧々の怒号。 「あの、ちょっと、落ち着いて」と、俺は弱腰で事態をおさめようとするが、まったく聞く耳を持たない大塚寧々。 おいおい、このエレベーターの防犯カメラ作動してるんだろうな!俺は、無関係だぞ! その騒ぎで、俺は、エレベーターが自分の7階を通り過ぎたことに気がつかなかった。 チーン、と9階についてドアが開いた。 大塚寧々は、笑顔で「おさわがせしました」とあいさつして、泣き叫ぶガキ二人を引きずりながらエレベータを出て行った。 すごい腕力だ。遠ざかる叫び声。 その後、なにか事件が起きたという話は聞かなかったし、あの悪ガキの姿は、それからもときどき見かけた。 なんとなくオドオドしていたけど。
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184 :名無し百物語[sage]:2022/10/15(土) 21:38:36.39 ID:q6sfxqwy - [再録]
エレベーターは密室だから怖い。 俺は、使うのがすごく怖い。 その原因となった出来事の一つだ。 夜遅く帰ってくると、エレベーターの四隅に盛り塩がされていたことがある。 おいおい、自分の玄関だけにしろよ。 お札がエレベーターの床に落ちていたこともあった。 拾い上げて、エレベーター内のお知らせ貼り紙と壁の間に差し込んでおいた。 次の日、俺の郵便受けに、そのお札が貼りつけられていたのにはビビった。
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185 :名無し百物語[sage]:2022/10/15(土) 21:41:49.34 ID:q6sfxqwy - [再録]
エレベーターは密室だから怖い。 俺は、使うのがすごく怖い。 その原因となった出来事の一つだ。 7階でエレベータをよんだら上から降りてた。 ドアが開くと、そこには、カンチョウ事件の大塚寧々が立っていた。 しかも、ものすごい高価そうな毛皮のコート着て。 10月だった。 えっ!この時期に毛皮? 目を合わせた大塚寧々は、にっこりと笑った。 俺は気がついた。 彼女、木刀を持っている。 木刀? 1階に着いたとき俺は彼女に先を譲って、あとから降りた。 彼女は、片手で木刀をちゃらつかせながら出て行った。 俺と同じ方向に歩いていったのだが、これは反対方向に歩いた。
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186 :名無し百物語[sage]:2022/10/15(土) 21:47:28.56 ID:q6sfxqwy - [再録]
エレベーターは密室だから怖い。 俺は、使うのがすごく怖い。 その原因となった出来事の一つだ。 以前、エレベーター内に机を持ち込んで週刊ポスト読んでいるおっさんの話があったが、それみたいな話。 夜遅く、エレベーターにのると、行き先階ボタンのパネルのところに丸椅子が置いてあった。 以前の経験があったので、「おっ!ポストおやじかっ!」と身構えたが誰もいない。 今度は丸椅子か! でも、動くエレベーターの中で椅子にすわるのはどんな感じだろう? ジェットコースター的な・・・。 興味をもった俺は、7階へのボタンを押すのも忘れて、それに座った。 いきなり、ドアが開いて、若い女性がのって来た。 ドアは自然に閉まっていたらしい。 「うげっ!」と彼女は低く叫び一歩ドアからしりぞいた。 彼女の顔はひきつっていた。 俺は、焦って思わず彼女にたずねてしまった。 「あっ!なっ、何階ですか?」 「はえ? あっ! 8階をお願いします」と、カバンを前に抱えて、おそるおそる彼女が乗って来た。 おいおい、乗るのかよ。遠慮しろよ。 俺は、立つ機会を逸してしまって立つに立てなかった。 8階と自分の7階を押して気まずい沈黙。 7階につくまでの時間は長かった。 7階について、俺が降りるときに、彼女は「はうーふっ」という深いため息をついた。 俺も、「へーえ、ふぅ」と、ため息が出た。 その後、マンションで何度か彼女に出会った。 そのたびに、彼女は、持っているカバンや買い物袋を体の前に抱えて、ニッコリとこわばったた笑いを俺にかえしている。
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