トップページ > 創作怪談 > 2022年07月07日 > 0Lnp43Qj

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名無し百物語
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怖い話置いとく
10 :名無し百物語[sage]:2022/07/07(木) 19:13:30.81 ID:0Lnp43Qj
ヒルコ村伝説

これはあくまで、噂として聞いた話なのだが、山陽地方のどこかに"ヒルコ村"と呼ばれる集落があるそうだ。
どういう曰くがあるのかは知らないが、昔からこの村では毎年必ず数人の奇形児が生まれるらしい。
村人たちは、日宇して亡くなった赤子たちを"ヒルこのミコト"として祀り供養していた。
"ヒルこのミコト"というのは、ご存じの通り"イザナギのミコト"と"イザナミのミコト"の間に最初に生まれた
四肢欠損の神様なのだが、それはそれとして、ある年のこと、この村は大飢饉に見舞われて、饑えた村人たちは、
やむなく、生まれた奇形児の遺体を鍋にして食べてしまった。要はこれまで神様として祀っていたものを、
食したわけだが、この鍋がコトノホカ美味であった。その為に村人たちは病みつきになり、それからは村で生まれた
奇形児たちを鍋にして食べるのが風習となった。今でも"ヒルコ村"ではヒルコ鍋の風習が続いている。
ところで、よそ者の娘がヒルコ村に足を踏み入れてると、奇形児を孕むとの言い伝えがあり、これはヒルコ神の祟りと
して、恐れられている。


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