トップページ > 創作怪談 > 2022年05月12日 > E4qbuiTU

書き込み順位&時間帯一覧

1 位/2 ID中時間01234567891011121314151617181920212223Total
書き込み数0000000000000000005000005



使用した名前一覧書き込んだスレッド一覧
名無し百物語
怖い話置いとく

書き込みレス一覧

怖い話置いとく
2 :名無し百物語[sage]:2022/05/12(木) 18:23:15.07 ID:E4qbuiTU
俺は祭りが好きだ。普段は活気のない寂れた神社が、その日に限り人が増え活気に溢れる。開催する時間帯は夜が多いが、夜とは思えないほど明るい、そんな時間が俺は好きだ。

朝、いつもより早く目が覚める。布団から起き、大きく伸びをした。「今日は夏祭りだ!」
小学5年の夏休みのある日、普段とは違い、世界が明るく見える。立ち上がり真っ先に向かうのは机の上、この日のために4ヶ月も前からお手伝いをし、お小遣いを必死に貯めてきた貯金箱を開ける。もうなんでも出来そうな金額……それを財布に入れ、大事にポケットに入れる。そうして、部屋を出て階段を下り、母の元へ行く。

「あら、今日は早いのね。」と嫌味のように母は言う、確かに普段は何度起こしても起きないのは確かだ、しかし珍しく自分1人で起きてきたんだ、もう少し褒めてくれてもいいのでは?なんて思いながら、「母さんご飯は?」母に朝食をねだる、「もうすぐ出来るわよ。」母はため息混じりに答える。宣言通り、そこから5分もしないうちに朝食が運ばれてくる、白米と味噌汁、魚の干物……それを急いで口に放り込んでいく、母が「行儀悪いわよ。」なんて声を流しながら、素早く食事を終えた、「ご馳走様!!」と元気よく言いながら席をたち、身支度をする。歯を磨いて顔を洗い、子供用の携帯を首にぶら下げる。「行ってきます!!」と、母からの行ってらっしゃいの声も待たず、走って家を出る。
怖い話置いとく
3 :名無し百物語[sage]:2022/05/12(木) 18:30:11.01 ID:E4qbuiTU
祭りの日はいつもそうだ、まだ始まる何時間も前から家を出る、待ちきれないのだ。
走って向かうのは祭りが開催される神社、普段は人気のない神社も、祭りの朝となると屋台の設営で賑やかだ。神社の鳥居をくぐってぶらぶらと設営の様子を見学する。
「おい坊主、まだ祭りは始まってねぇぞ!!」そんな怒っているとも笑っているとも取れない声が掛けられる。声の方に目をやると、頭にタオルを巻いたおじさんがこっちを見ている。
「ここにいたら危ねぇから、遊ぶならどっか他のとこにしろ!」とおじさんに言われた。
俺はおじさんの顔の怖さに圧倒されすごすごと、神社を後にすることにした。こんなやり取りも、いつもの事だ。

神社を出たあと、毎年のように周辺を散策する。1面の田んぼ道を走り、疲れたから立ち止まり、水路で気持ちよさそうに泳ぐカエルを眺める……(退屈だ……)そんなことを思いながら歩き出す。これも毎年のことだ。
そんな感じで長い時間をどうにか潰す。何をするでもなくぶらぶらと……

そうしているうちに、周囲がだんだん暗くなってきたのに気付いた、そろそろ祭りが始まる頃だ、毎年のことだから、どれくらいの時間に祭りが始まるかなんてわかりきっている。そうして俺は神社へ向かう。
怖い話置いとく
4 :名無し百物語[sage]:2022/05/12(木) 18:30:38.49 ID:E4qbuiTU
神社に到着すると、朝とは比べ物にならないほど賑わっていた。無駄に広い神社に沢山の屋台、当然人も多い。俺は興奮しながら人混みに入っていく。そして、射的やひもくじ、輪投げで遊んだり、朝ごはん以来何も食べてないので、焼きそばを食べたり、唐揚げを食べたり、ポテトを食べたりした。そんなこんなで祭りをひとしきり楽しみ、いつものように人気のないところで戦利品の確認をしていると、急激な眠気が襲う。早起きをして、一日中歩き回り、祭りでの興奮が覚めたところだ、眠くなるのは無理もない。横になるとひんやりとしたコンクリートが気持ちいい、夜とはいえまたま暑いのだ。俺は眠ることにした。

目が覚めると、周囲が異様に静かなことに気がついた。携帯で時計を確認する。9:30、もう祭りが終わって1時間以上経っている。俺は急いで起き上がると、出口に向かい歩き出した。当然仮設の電灯も撤去されてるのだろう、あたりは暗い、更には月も隠れている。ある程度歩いたところで異変に気がつく。屋台が出ている、それもひとつじゃなく沢山、当然明かりもなければ人もいない。無人の屋台が立ち並んでいる。普通なら終わりと同時に片付けられるはずだ。そんなことを思っていると、どこからか話し声がする。俺はその話し声の方向に行ってみた。
怖い話置いとく
5 :名無し百物語[sage]:2022/05/12(木) 18:31:04.76 ID:E4qbuiTU
話し声が発せられている場所は、人が何人か集まって話している。不思議に思いながら近づくと、異変に気がつく。大きい、自分の父親よりも一回り位大きい、それに形が変だ、確かに足が2本あり、腕も2本、頭も胴体もある。しかしバランスがおかしい、短い手足、大きい胴と頭。俺はこれは近づくべきでは無い、そう判断し、その場を立ち去ろうとした。
ピロン!!
携帯が鳴った。
全身が硬直した。
目の前の人のようなものが振り向いた。
人間ではない。
大きな顔には、耳まで裂けた口が吊り上がり、大きな目は半開きで目の両端を下げている。
笑顔……それもとびきり気持ちが悪い笑顔。
俺の足は動かなくなった。
こっちに来る、逃げなきゃ、走らなきゃ。
その化け物が1歩を踏み出したと同時に俺は走り出した。

急いで出口まで向かう。あと少しで出口だ!!
そうして走っていた俺の足は再び止まった。
出口の前にも化け物が……。
後ろの遠くの方から足音が聞こえる。
もう直ぐ追いつかれる。俺は近くの灯篭のそばに隠れた。足音が近ずいてくる。息を殺し様子を伺う。どんどん足音は近ずいてくる……。身体に力が入る。足音は僕が隠れている灯篭のすぐそばまできた。頼むやり過ごしてくれ……。
プルルルルッ!!
電話がなった。
頭が真っ白になる、携帯の着信音を止めようと震える手を動かしていると、目の前に何かが立った。
顔を上げる。
奴だ……。顔には満面の笑みを浮かべてこっちを見下ろしている……。
怖い話置いとく
6 :名無し百物語[sage]:2022/05/12(木) 18:31:24.43 ID:E4qbuiTU
暑い夏の日、子供たちが神社で遊んでいる。
ひとりの少女が灯篭の裏で何かを見つけ近ずいて行く。それを拾い上げた少女は、それをまじまじと見たあとに地面におき、駆け出して行った。地面には、子供用の携帯が転がっていた。


※このページは、『2ちゃんねる』の書き込みを基に自動生成したものです。オリジナルはリンク先の2ちゃんねるの書き込みです。
※このサイトでオリジナルの書き込みについては対応できません。
※何か問題のある場合はメールをしてください。対応します。