- ☆みんなのメル友面接日記-113冊目☆
882 :なまえを挿れて。[sage]:2015/07/21(火) 13:40:42.97 ID:ugUj0EyN0 - 長い割に性的な描写はないので興味のない方は読み飛ばしてください。
(1)某DIK 東京 アラフォー 180/73 鬼子梨 中年の地味な脇役俳優にいそうなタイプ (2)神奈川 28歳 158/48(推定) 独梨、自称エロさ8割減の佐藤江梨子 (3)2年くらいの間、一度も会わず他愛もないメールのやり取りを続けている女性がいた。 写メや電話番号さえ交換していなかったが、会話の端々からもてるタイプの女性を何となく想像していた。 その間もお互いパートナーができたり終わったりしていたが、特にやり取りが途絶えることもなかった。 そんな遠く離れた仲のよい親戚のような関係を続けていたある日、 「結婚することになりました。ついては一度会いませんか?」 という素っ気ないメールが。 しばらく男の影がなかったので唐突で驚いたが、この緩い関係も終わらせたいのだろうと察したので、 直接会っておめでとうと伝えたかったこともあり承諾した。
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883 :なまえを挿れて。[sage]:2015/07/21(火) 14:11:38.86 ID:ugUj0EyN0 - (4)待ち合わせたのは土曜の昼、彼女の住まいに程近い繁華街の喫茶店の前だった。
何故かどちらも服装や目印は聞かなかったものの、ほぼ同じタイミングで到着したこともあり、 顔を見合わせてお互い照れながら初めまして、とぎごちなく言葉を交わした。 こちらが相手に与えた印象はわからないが、こちらが抱いていた印象とは全く違和感がなかった。 席に座って数分後には最初のぎごちなさも溶け、メールと同じテンションで会話が弾んでいた。 30分程経ち会話も一段落した頃、彼女が居住まいを正し「長い間いろいろありがとうございました」と 深々と頭を下げた。 こちらは特に礼を言われるようなこともしていないので、いやいやこちらこそ、と茶化しながら 同じく礼をしてみせたが、頭を上げると彼女が涙ぐんでいて少し驚いた。 聞けば地方出身の彼女は近くに親しい友人もおらず、客観的にアドバイスしてくれる存在が貴重だったとのこと。 週に何通かのやり取りだけでもかなり気持ちが救われていました、と涙半分笑い半分で話してくれた。 多分その時こちらの目にもうっすら涙が滲んでいたんだろうと思う。 彼女が照れ隠しのようにバッグからハンカチを出しこちらに差し出してくれた。 受け取る時に指が触れ、年甲斐もなくどきっとしたのを気付かれたかどうか。 しばらくして散歩でもしようか、ということになり山下公園へ。 彼女がすっと腕を組んできたが、何となく腕をほどき改めて手を繋いだ。 今まで知らなかった子供の頃の話や結婚するお相手の話等々、中学生のカップルのようにひたすら 歩きながらいろんなことを話した。 話は尽きそうになかったが、彼女が疲れただろうという気遣いと自分の空腹感からw、 近くの中華料理屋で遅めのランチをとることに。 話しながら一通り食べ終わった頃、彼女が読みたがっていた作家の新刊を渡した。 これから嫁入りする娘にアクセサリーを贈るわけにもいかず苦渋の選択だったが、思いの外喜んでくれてほっとした。
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884 :なまえを挿れて。[sage]:2015/07/21(火) 14:37:48.46 ID:ugUj0EyN0 - ラストです。
その後再度喫茶店へ。 まだ話は尽きそうになく正直名残惜しかったが、さすがにきりがなかったので そろそろお開きにしようか、と提案してみる。 その頃にはすっかり寛いで軽口も叩くようになっていた彼女は 「えー。まだ一緒に遊びたい」 とわざと幼い口調で拗ねて見せたが、アラサーなのに妙に可愛いのでこちらもつい 勢いに乗ってはいはい、と軽くいなしながら頭をぐしゃぐしゃに撫で回した。 もう、と口を尖らせつつこちらの手を取り、拳の形に丸めて自分の両手で包み込む彼女。 そのままこちらの目をじっと見つめて 「ねぇ。少しも嫉妬とかしてくれないんですか?」 と聞いてきた。 一瞬答えに詰まったが、可愛い娘を嫁に出す父親が婿に嫉妬しないわけないだろ、などと わけのわからない回答でお茶を濁すと、彼女も可愛い娘で悪かったですね!、とこちらの 手の甲を抓ってきたのでその場は何となく笑いで紛らわすことができた。 そこからさらに一時間ほど話をした後ようやくお開きに。 一人暮らしの彼女の住まいが近かったこともあり、ついでに寄って行きますか? と誘ってくれたものの、さすがにそれはいろいろと悪い気がして辞退した。 彼女は改札まで見送りに来てくれたが、どちらからともなく引き寄せてハグをした。 頭を撫でながら、幸せに、とだけ伝えると、はい、とだけ小さく答えた声が耳に残っている。 (5)その後新郎と撮った結婚写真が送られてきた。サムネイルで中身はわかったものの、 何故かファイルを開く気になれず中身は見ていない。 (6)末永くお幸せに。
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