- 【精霊の守り人】上橋菜穂子総合8冊目【獣の奏者】
184 :なまえ_____かえす日[sage]:2013/04/01(月) 06:30:45.25 ID:PkTXcH+5 - 上橋さんの作品に込められているものはすごく重くて、「人々は末永く幸せに暮らしましたとさ」
という読後感には決して浸れない 自分は『獣の奏者』の世界が成り立っているのは「火薬が存在していないから」だと思ってる ※もう一つ上げるなら化石燃料 リョザの科学水準って実は結構高くて、既に板ガラスも作られていれば遺伝・交配の知識もある 火薬の登場までもういくらもなさそうだな、という感覚 作中の風俗などから日本の江戸時代中期あたりにだぶらせて読んでいるんだけど、世界ではもう その頃火薬を使った兵器でドンパチやってるんだよね 火薬の生産技術が確立してしまえば、動物を兵器として使う時代なんて呆気なく終わる そして各国の間で軍拡のいたちごっこが始まる 「火薬がない」というのは、動物を兵器に用いる国家を描くためにあえて為されている設定だから、 未来永劫この世界の平和が続くことを信じたいなら、「この世界には火薬の原料となるものや兵器の 進化を促す新たな発見は何一つ起こらない」で通すしかないけど、それは難しいなと感じる ジェシが先頭立って教育の普及をすることも、この国の民の知的水準と科学水準を否応なく押し 上げることに繋がるわけだし、医術が進歩して死亡率が低下する一方で、人を殺める武器も発達して 威力を増していくっていう未来は多分、避けられないんじゃないかな
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