- 基礎法学の基本書スレッド
7 :法の下の名無し[]:2011/05/21(土) 17:41:39.48 ID:qHk37p1l - ホーンブック 法学原理
法学入門書の一冊として、お奨め。 長所としては、他の教科書と違った独特な切り口、平易で軽妙な文章、分かりやすい例示など、 オーソドックスな入門書にはない雰囲気と視点で書かれてる。基本的に入門書は、複数冊 読んだ方がいいと思うので、これ一択というよりは、何冊か読む入門書の内の一冊として取り 入れる形でお奨め。 短所としては、別にこの本に限った話ではないけど、この種の本で一通り触れられる日本人の 法意識や法文化に関する話題は、あまり学術的な話と言うよりは、筆者個人の私的日本人感の 話と言う印象を受ける。例えば、この本では、日本人は「恥の文化」に生きる為、神との間の「罪の 文化」に生きる西洋人とは違い、誰もいない所では赤信号を渡る法意識を持つと解説されるが、 別の入門書だと、西洋人は自らの主体的判断で危険無しと判断する限り、自己責任で赤信号を 渡るが、日本人は盲目的にルールに従い、誰もいない所でも赤信号では止まるルールだから、 という理由で渡らない法意識を持つと解説される。 まぁ、上述の例に於いては、論点に微妙な違いがあるのだけれど、日本人が誰もいない赤信号を 渡るかどうか、という考察の結論は、学術的考察の結果の結論というより、筆者の日本人感が 最大の要素となるのかなと思った。
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