- 残り100日からの逆転合格
67 : ◆fvNbe51voA [sage]:2008/11/12(水) 23:46:34 ID:VvfJQoofO - 全然やる気しねえ。。。
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68 : ◆fvNbe51voA [sage]:2008/11/12(水) 23:47:54 ID:VvfJQoofO - この二日勉強0だよ。。。もう終わりかな。。。
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69 :名無しなのに合格[sage]:2008/11/12(水) 23:48:55 ID:VvfJQoofO - 小津はスポーツ推薦で大学に入った。種目は硬式野球だ。
推薦で入学した学生は入学式の前(高校卒業後の春休み)から野球部の練習に参加する事になっている。 小津は身長が181cm、体重が85sで非常に筋肉質の体をしていた。バッティングも良い。 で、当然先輩の目にとまる。初日の練習が終わり、片付けに向かおうとした小津は、同期部員から、「先輩が部室に来るように言っている」と告げられた。
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70 :名無しなのに合格[sage]:2008/11/12(水) 23:50:19 ID:VvfJQoofO - 部室の前まで行きドアを開けると、小津の目に、同期のTがコンクリートの床に正座している姿が飛び込んできた。Tは鼻血を出していた。
小津は平身低頭に先輩に話しかけた。 「どうしたんですか?」 すると先輩の1人がこう言った。 「お前、態度悪いんじゃコラ!誰が休み休みバッティングしてええゆうたんじゃ!」 「すいません。」 小津が謝ると、 「今日は許したるけど、あんま舐めとったら、お前もTみたいになるぞ!!」 そう言って先輩は鋭い目つきで小津に凄んだ。
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71 :名無しなのに合格[sage]:2008/11/12(水) 23:51:30 ID:VvfJQoofO - 先輩達が立ち去った後、小津はTに聞いた。
「何があったん?」 「俺のバッティングフォームが悪いゆうて殴られた。」 確かにTは現役時代の落合のような神主打法で、打撃練習の時も一球一球身を反り返らせていた。先輩にはそれが気にいらなかった。 そしてTは言った。 「あいつ等抜いたらええねん!一緒に頑張ってレギュラー取ろな!」 「おう!」 と小津は一言だけ言った。
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72 :名無しなのに合格[sage]:2008/11/12(水) 23:53:10 ID:VvfJQoofO - 小津とTはグランドに戻って、整地をしている推薦組の群れに加わり、それが終わると急いで廊下に集合した。
先に来ている先輩方に小津は尋常に挨拶をした。Tもさっきまでとは打って変って愛想良く挨拶をした。 監督から2つ3つ話があってその日は解散となった。すると先輩が、 「今日は一緒に帰ろうや!」 と小津とTに言ってきた。特に断る理由も無く、小津とTは先輩と一緒に帰る事になった。
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73 :名無しなのに合格[sage]:2008/11/12(水) 23:53:55 ID:VvfJQoofO - 一行は学校から出て駅へ向って歩いていった。しばらく歩いたのち、先輩達が、
「お前等、まだ元気やろ?今から練習しようや!」 と言い始めた。小津とTは初めての練習で酷く疲れていた。 「すいません。もう疲れてるんで帰らして下さい。」 「なにぃ!お前等、あんな練習でしんどいゆうてんのか!!根性が足らん!!!」 そう言うと先輩達は、無理矢理、公園まで小津とTを引きずるようにして連れて行った。 公園の中に入るや否や、先輩達は二手に別れて小津とTに襲いかかった。
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74 :名無しなのに合格[sage]:2008/11/12(水) 23:54:42 ID:VvfJQoofO - 殴る蹴るの暴行が30分は続いただろうか。
小津は空手の経験もあり、ツボを心得ていたので必死にガードしたのであるが、問題はTであった。 Tはモロに殴る蹴るの攻撃を受けた為、気を失ってしまったのだ。 「うわ!こいつ気絶したうえに小便もらしてるで!汚な〜!」 先輩達はTに砂をかけて遊んでいる。 「もうやめたって下さい!」 小津が言うと、先輩方も気がすんだのか、 「まあ今日はこの辺りにしといたるわ。明日から覚悟しとけよ!」 そう言って公園をあとにした。 数分後、Tは意識を取り戻した。
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75 :名無しなのに合格[sage]:2008/11/12(水) 23:56:02 ID:VvfJQoofO - 「あれ?俺今まで何してたん?野球してたっけ?うわ!なんか濡れてるし砂かかってる!」
「お前、何ゆうてんねんな!今日は○○大学の初練習に行ったやないか!」 「嘘?全然記憶ない。」 Tは殴られたせいで記憶がなくなっていたのだ。 「もう夜になるし帰ろ!」 そう言って小津はTと歩き始めた。駅につくとTはしきりに「気分が悪い。」と訴え始めた。
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76 :名無しなのに合格[sage]:2008/11/12(水) 23:57:28 ID:VvfJQoofO - 「もうすぐ電車来るから大丈夫やって!」
小津は言ったが、Tの顔色はどんどん悪くなっていく。Tはとうとうホームの上で嘔吐してしまった。 小津は駅員の元に走った。清掃器具を貸してもらう為だ。理由を説明すると駅員もかけつけてくれた。 戻ると人だかりができて騒ぎになっていた。Tがゲロを吐いたので見ているのだろうと割って入ると、Tは倒れて痙攣を起こしていた。 これはただ事ではない、と見た瞬間にわかった。駅員が119番をした。 救急車がかけつけた頃にはTは全く動かなくなっていた。
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77 :名無しなのに合格[sage]:2008/11/12(水) 23:58:17 ID:VvfJQoofO - 病院に着いたのが、その日の午後7時であった。Tは意識不明の重体に陥った。小津は愕然とした。
1時間ほどして、Tの両親が血相をかえて病院に駆け込んできた。そして、 「Tに何があったん!!どういう事なん!?」 と小津を問い詰めた。小津は慌てて、 「Tと一緒に帰ってたらTが気分悪い言い出して、駅で吐いて駅員呼びに行って帰って来たら、こんなになってました!」 と答えた。連絡を受けた野球部の顧問、監督も病院に駆けつけた。二人にも同じことを言い、小津は病院をあとにした。
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78 :名無しなのに合格[sage]:2008/11/12(水) 23:59:02 ID:VvfJQoofO - 翌日の練習は中止になった。
小津は後悔していた。Tの母親に、Tが先輩に暴行されて気を失ったという事を言わなかったからだ。 小津は、「暴行の後は気取り戻して普通に歩いてたし関係ないはずや」と自分に言い聞かせた。 初練習に参加して5日目の夜、Tは入院先の病院で息をひきとった。
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79 :名無しなのに合格[sage]:2008/11/12(水) 23:59:43 ID:VvfJQoofO - 監督から電話でその事を伝えられた時、小津は頭が真っ白になった。手足がブルブルと震えた。
結局Tの死は、喉に吐しゃ物を詰まらせた為の窒息死として処理された。 その3日後、Tの葬儀が営まれた。入学式前だったので部員は来なかったが、小津は監督、顧問と参列した。 Tの両親が泣いているのを見て、小津は何も言えなかった。凄く辛かった。 「何であの時、病院でTが殴られた事をゆわへんかったのか」と自分を責めた。
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