- 【国鉄】北海道の鉄道の思い出を語ろう【SL】
874 :回想774列車[sage]:2011/03/25(金) 20:23:59.14 ID:zfzo8739 - ↓文字を読んでいるだけでも堪らん
http://kamuy.seesaa.net/article/2489225.html キマロキという言葉は国鉄関係者、しかも、豪雪地帯の国鉄職員しか知らないはずです。 キマロキ=機関車+マックレ−+ロ−タリ−+機関車 奇妙な式ですが、現実にこのような式があるわけではありません。これは除雪車両の重連方式なのです。 キマロキは4つの車両がつながっているので4重連といいます。 最初に先導する機関車があり、つぎに羽根を拡げて線路脇の雪をかき集め、後に続くロ−タリ−へ流し込む役割のマックレ−、 つぎが回転する大きな羽根で遠くへ雪を飛ばすロ−タリ−、最後は機関車です。それぞれの頭文字をとってキマロキと呼ぶのです。 当時はまだ無線がない時代だったので、4台の車両はそれぞれの汽笛で、ポ−、ピ−、ピ−、ポ−と絶えず合図しています。 進む、後退する、減速する、加速するなど音で合図しながら作業をします。 先頭の機関車は牽引の役割で、マックレ−を引きます。これには機関士と機関助士が乗り込みます。 マックレ−には段羽根の操作員と現地の線路状況に詳しい保線区員が数名乗り込みます。 ロ−タリ−には回転するロ−タリ−の回転速度を調整したり、雪の飛び出し角度を調整したりする要員が数名と 現地の線路状況に詳しい保線区員が数名乗り込みます。 最後の機関車は推進の役割で、ロ−タリ−を推し進めます。 総勢20名位の作業員が乗り組み、それぞれ緊張した面持ちで作業をしています。 たぶん、ロ−タリ−車が中心になって作業をするので、ここに最高指揮官が乗っているのでしょう。 蕗の台駅のある深名線は函館本線の深川駅と宗谷線の名寄駅を結び、主に木材搬出用につくられた豪雪地帯を走る線路です。 蕗の台駅は深川駅より名寄駅のほうが近いので、キマロキは名寄機関区で編成して出動してきます。 「トンネルをくぐり抜けると雪だった」とは、ある小説の一節ですが。まさに、そんな光景がぴったり当てはまるのが蕗の台駅の周辺の風景です。 2キロメートルもある長いトンネルをくぐり抜けると、蕗の台という集落が突然目の前に現われます。 トンネルから蕗の台駅までは500メ−トル位の距離ですが、中間ぐらいに宇津内川を跨ぐ高さ20メートルくらいの鉄橋があります。 キマロキが来る日が決まると作業日時が駅事務室の黒板に白墨で書き込まれます。 蕗の台駅とホームの間に1番線があり、ホームの向こうには2番線があります。 夏は1番線に木材をどっさり積み込んだ貨車が並び、冬は雪の堆積用に使われます。 キマロキが来ると決まると1番線に2メートルくらいの高さまで雪が積まれます。 当日、駅長さんは目印の赤い線の入った帽子が目につくようにしながら防寒具に身を包み、いまかいまかとキマロキの到着を待っています。 工夫長さんはそわそわと詰め所を出たり入ったりしています。 やがてキマロキはトンネルをくぐり抜け、黒い姿を現しました。そこで停止の合図でいったん止まります。 そして「ぽ〜、ピ−、ピ−、ぽ- キマロキが来たんだぞ-」と誇示するように鳴きます。 保線区員と家族がいっせいに飛び出します。近くの村人も駆けつけます。
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