- 国内感染者の推移を議論するスレPart185
385 ：名無しさん＠お腹いっぱい。[]：2021/11/20(土) 05:40:44.46 ID:Zw5fP3lD - 悪鬼という言葉は、先史文明に現れた、ラーマンクロギウス症候群、
別名鶏小屋の狐、fox in the hen house 症候群に該当します。
現在はその存在は確認されていませんが、かつて存在したことは厳然たる事実であり、
将来再び誕生する可能性は高いと思われます。
業魔とは、やはり先史文明が崩壊する直前に出現した、橋本アッペルバウム症候群の重篤期患者に対する俗称です。
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386 ：名無しさん＠お腹いっぱい。[]：2021/11/20(土) 05:41:41.22 ID:Zw5fP3lD - 先史文明において、サイコキネシスが科学の照光によって照らし出されたのは、
キリスト教歴2011年のことでした。
アゼルバイジャン共和国の認知科学者、イムラン・イスマエロフが行った実験はほぼ成功を収め、
その世界で最初の、科学によって認証された超能力者に続き、
世界の人々の中で、それまで眠っていた力が目覚め始めました。
サイコキネシスを獲得した人間の数は、ある時点を境に急激に増加して、
最終的には、世界の人口の0.3%まで達しました。
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387 ：名無しさん＠お腹いっぱい。[]：2021/11/20(土) 05:42:11.48 ID:Zw5fP3lD - 黎明期には、PK能力者は、極めて微弱なパワーしか振るうことができませんでした。
それでも、当時の社会秩序を破壊するのに十分な可能性を秘めていました。
日本においてその決定的な引き金となったのは、少年Aが起こした事件でした。
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388 ：名無しさん＠お腹いっぱい。[]：2021/11/20(土) 05:42:36.13 ID:Zw5fP3lD - Aはある日、PKを使えばどんな錠前も自在に開けられることに気付きました。
彼は侵入を繰り返し、就寝中の女性19人に暴行を加え、そのうち17人を殺害したのです。
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389 ：名無しさん＠お腹いっぱい。[]：2021/11/20(土) 05:43:01.04 ID:Zw5fP3lD - そうです。
さらにAの逮捕後にも、PKを使った同様の手口の事件が相次ぎました。
ついには、PKを使った無差別テロを行うに至り、これに政治的、人権的、思想的対立が複雑に絡み合い、
そして、世界はかつて経験したことのない、戦いの時代に突入したのです。
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390 ：名無しさん＠お腹いっぱい。[]：2021/11/20(土) 05:43:29.65 ID:Zw5fP3lD - 皮肉なことに間断なく生命の危機を感じさせられる状況により、
生き残った能力者達のPKは飛躍的な進化を遂げました。
また、世界の人口は大幅に減少し、最盛期の2%以下になったと推計されています。
それがおよそ500年続いた暗黒時代の概要です。
東北アジアにおいて、人間社会は、4種類の相容れない単位に分断されていました。
第一は、PK能力者が、多数の一般人を支配する奴隷王朝。
第二は、奴隷王朝の脅威から逃れていた、非能力者の狩猟民。
第三は、PKによって襲撃と殺戮を繰り返していた略奪者達。
そして最後は、細々と科学文明を伝承していた集団です。
言うまでもなく、書籍の発行を継続していたのは、第四の集団です。
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391 ：名無しさん＠お腹いっぱい。[]：2021/11/20(土) 05:43:58.70 ID:Zw5fP3lD - およそ、19の奴隷王朝は、互いに不可侵・不干渉を守ることで、600年以上長らえました。
日本列島には四つの奴隷王朝が存在しましたが、
私の中に記憶があるのは、神聖サクラ王朝のみです。
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392 ：名無しさん＠お腹いっぱい。[]：2021/11/20(土) 05:44:30.95 ID:Zw5fP3lD - 570年の間に即位した王は、実に94代を数えます。
第五代皇帝、大歓喜帝の即位に際しては、民衆の歓喜と喝采が三日三晩鳴り止まなかったという記述があります。
王朝の末期になると、王を後継者が殺害して、王位を簒奪するのが通例になりました。
後継者が思春期になり、PKの能力が発動した瞬間から、先王の命は風前の灯となったのです。
〔声の速度が変わり重ねられ聞き取りにくくなる〕
慈光帝は、呼吸をするように人を殺すとxx、時には半ば無意識のうちにPKを行使して、
臣下や農民を殺したのではないかと言われています。
王朝の人口は激減。
野山に放置された遺骸のため、市中至る所は蠅の大群で真っ黒になり、国家は病んでいxx。
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393 ：名無しさん＠お腹いっぱい。[]：2021/11/20(土) 05:45:08.55 ID:Zw5fP3lD - 500年の暗黒時代は、奴隷王朝の終焉によって幕が引かれました。
ついにPK能力者が絶えてしまったのです。
戦火は拡大の一途を辿りました。
その混乱を収拾するために、それまでは歴史の傍観者に徹してきた科学文明の継承者達が立ち上がったのです。
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394 ：名無しさん＠お腹いっぱい。[]：2021/11/20(土) 05:45:35.00 ID:Zw5fP3lD - その後、現在に至る歴史について、信頼に足る文献は極めて少数です。
そのため、残念ながらご質問の点については不明です。
瞬/僕たちの社会は、それまでと何が変わったんだ？
いや、変わったんじゃないか。
今のこの社会をつくったのは、その科学文明の継承者ってグループだろ。
僕らの先祖なら呪力を持っていたはずなのに、奴隷王朝の王や、略奪者達と違って、
互いに争ったりしなかった。
なぜなんだ？
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395 ：名無しさん＠お腹いっぱい。[]：2021/11/20(土) 05:46:07.26 ID:Zw5fP3lD - PKに潜んでいる無限の可能性、裏を返せばその恐るべき破壊力に対する認識が深まってからは、
いかにして対人攻撃を防ぐかが最大の懸案となりました。
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396 ：名無しさん＠お腹いっぱい。[]：2021/11/20(土) 05:46:39.32 ID:Zw5fP3lD - 早くから指摘されていたのは教育の重要性でした。
次に模索されたのは、心理学的手法です。
いずれも有効ではあるものの、完璧ではありませんでした。
ただ、心理テストや性格検査を駆使すれば、問題のある児童はほぼ100%抽出できるという研究結果が得られ、
危険な因子を持った生徒は予め排除するという考え方が、その後主流となったのです。
変わって脚光を浴びたのが、動物行動学でした。
なかでも注目されたのがボノボという霊長類の社会です。
ボノボの群れにおいては、ほとんど争いというものが見られません。
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397 ：名無しさん＠お腹いっぱい。[]：2021/11/20(土) 05:47:03.41 ID:Zw5fP3lD - ボノボは個体間の緊張感やストレスが高まると、
濃密な性的接触によって解消します。
成熟したオスとメスの場合はそのようになりますが、
同性間や未成熟な個体の間でも、擬似的な行為を行うのです。
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398 ：名無しさん＠お腹いっぱい。[]：2021/11/20(土) 05:47:24.96 ID:Zw5fP3lD - 人間の社会もまた、ボノボ型の愛の社会につくりかえることが急務でした。
しかし、それでもまだ不十分である、ということがわかってきました。
PK後の社会では、たった一人の暴走によって、社会全体が崩壊に導かれるからです。
PKを持った人間が集団で社会生活を営むためには、強力な攻撃抑制を与えることが不可欠でした。
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399 ：名無しさん＠お腹いっぱい。[]：2021/11/20(土) 05:47:49.72 ID:Zw5fP3lD - 唯一有効な方法は、人間の遺伝子を改変することでした。
人間の遺伝子に組み込む予定のメカニズムは2種類ありました。
一つは、狼等と同じ、普通の攻撃抑制、
そしてもう一つは、愧死機構と呼ばれていたものです。
愧死機構の作用機序は以下のようなものです。
最初に、自分が同士の人間を攻撃しようとしていると脳が認識すると、
無意識にPKが発動して、肝臓および副甲状腺の機能を停止させます。
これによって不安、動悸、発汗等の警告発作が起きますが、
その効果は学習や動機付け、暗示等によって、増強が可能です。
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400 ：名無しさん＠お腹いっぱい。[]：2021/11/20(土) 05:48:19.40 ID:Zw5fP3lD - この段階でほとんどの人間は攻撃を中止しますが、
なおも攻撃が続行された場合には、低カルシウム発作によるテタニーの発作で窒息死するか、
カリウムの濃度の急増によって、心停止に至るのです。
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