- アニメ演出・コンテ・監督総合スレ その29 [無断転載禁止]©2ch.net
121 :名無しさん名無しさん[sage]:2016/12/30(金) 23:54:21.19 ID:9hpHrDZma - >>116
構図の呼び方としては端寄せだがな。 ああいう構図の元祖はスチルの方で、カメラが手で持てるサイズになって三脚を離れてから 色々なアングルを狙う事が可能になり、それまでの絵画や肖像写真の安定した構図とは違う 不安定な構図の意味が発見された。 これが映像にも流用された。安定した構図ばかりだと眠くなってしまうところに不安定な構図を入れる事によって 時間軸の中で新たな動感の要素を付け加える事が可能になった。 当該のシーンだが、ここは苦手意識を持つ先輩に最後に心情を吐露して分かり合うシーンだな。 声をかけた始め近辺のカットでは被写体の背中側が妙に空いている構図になっている。 ああいう構図は妙な不安感を生じさせるよな。つまり先輩と面と向かって話すのに不安感があると直感させる。 その不安の意味は、まだ先輩に心情を告白しておらず、まだ距離のある感じ、今ひとつ分かり合えていない感じだ。 これがセリフの流れと共に安定した構図に戻って行く。構図でわだかまりが解けて行く流れを表現しているワケだ。 当然の事だが視聴者は上記の事柄を言葉として認識しながら見ているワケでは無い。不安→安定の流れと セリフの流れが混ざり合う事で、言葉では無く印象としてダイレクトに流れ込む事によってより強い感覚を生じさせる。 また重要な事だが、演出する側も言葉で考えているワケでは無く、直感として最も妥当な映像が浮かび上がった結果として ああいう演出になる。
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