- 【北北海道】旭川支部の高校野球14 [無断転載禁止]©2ch.net
690 :旭川もん[sage]:2017/02/20(月) 12:55:52.98 ID:87JNRJPa - 非官能小説「詐欺師とペテン師」
8 知らない電話番号からで、出ないほうが良いかなと思ったが、とりあえず出てみると、 「夜遅くすみません。先日、電車の中でお会いした、英語会衆のジョン・マクアードル・川岸です。すみません事情があって電話番号変わってびっくりされたでしょう? お電話遅れ大変申し訳ありませんでした。それが、あまりに仕事が忙しく本当にすいませんでした。ごめんなさい。」 王子からの電話にどぎまぎしながら、その何とも言えない美声に聞き惚れながらも、 「いえいえ、お電話ありがとうございます。先日はありがとうございました。お仕事お忙しかったのですね。お元気ですか?」 と電話は始まり、自己紹介へ発展した。王子は現在35歳で産まれは熊本で3歳から12歳までアメリカにおり、 一時日本へ帰国したものの、直ぐにアメリカへ帰ったという。仕事等のプロフィールはフェイスブックと同じだった。 その後、仕事の話や会衆の話しなどしたが、真菜はタブレットの便利さを必死に説き、 今週末に一緒にタブレットを買いに行く約束をなんとか王子と取り付けた。
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691 :旭川もん[sage]:2017/02/20(月) 12:56:30.24 ID:87JNRJPa - 非官能小説「詐欺師とペテン師」
9 約束の金曜日の夜はあっという間に来た。真菜は朝から仕事なんてそっちのけで、王子の事で頭が一杯だった。 服装はいつもより、敢えてかなりJW的なファッションを選んだ。しかもハーバードなんて・・・。 約束の青山のカフェに到着すると、王子は英字新聞を読みながら長い足を組んで待っておられる。 絵になるお姿に、このう!王子ったら、なんて格好いいの!社内でも帰国子女はいるのだが、何か俺は特別といった感じに威張っていて、 昔から虫が好かなかった。が、王子は違う。だって、謙遜な同じ動労者のJWなのだもの。 実は、真菜も一応は英米文学科の短大を出ているが、実は英語が大の苦手で英検2級すら何度受けても受からないのでとっくに諦めていた。 TOEICスコアーなんて誰にもいえない。とにかく英語はお手上げの状態だった。王子は英語でバリバリ仕事しているのかと思うと尊敬を通り越して、 同じ人間とは思えないように思えた。英字新聞を熟読されている王子はさまになっていて、ずっと眺めていたかったが、 声を掛けた。「ジョン兄弟お久しぶりです。お元気でしたか?」 「あ、吉本姉妹。ごめんね、連絡送れちゃって本当にごめんなさい」 「全然いいんですよ。私も仕事が立て込んでいたし、お気になさらないでください。」 挨拶も終わり、短い間だったが、近況を話し合った。仕事の話になり、 「あのー。名刺を拝見したんですがCEOって・・・」 「はい。一応、会社経営しています。主に、ニューヨークを本拠地にしていて、 イギリス、フランスやその他ユーロ圏、アジアでは香港、シンガポールやタイなどの 東南アジアにも支店があります。日本はその一つでして、一応、12カ国に展開しています。 実は、最近難しい案件があり、ニューヨークの現地スタッフだけでは対応できず、 ニューヨークから帰国したばっかりでして。」 やっぱ社長は本当なんだ!JWが嘘をつくわけがないからである。 12カ国!真菜は口をぽーかんとして聞いており、正気にはなかなかなれず、 「すごいですね!兄弟、やり手なんですね!」と事務的にしか答えられなかった。 「いえいえ、大した事ないんですよ。まだまだなんです。 もっともっと会社を大きくしていかないと」と謙虚に答える王子。 やっぱりハーバードは違うんだ、と感嘆していた。
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692 :旭川もん[sage]:2017/02/20(月) 12:57:06.32 ID:87JNRJPa - 非官能小説「詐欺師とペテン師」
10 短い間だったが、会話はウィットに富んだジョーク交じりのスマートなものだから、 真菜はさらに感心させれた。「じゃあ、タブレット買いに行きましょうか?」と言われ、 真菜は内心ではタブレットなんてどうでもいい、このイケメンの知的な低音ボイスをもっと聞かせて欲しいと思っていたが、 「ええ、では行きましょう。」と真菜は残念な口調が伝わらないよう必死に答えた。 店を出るとタクシーが止まっており、二人乗り込んだ。 トイレにいってる間にタクシーを呼んだ事もスマートだと真菜は思った。 運転手さんへ兄弟は「あ、宜しくお願いします。新宿のヨドバシカメラ本店へお願いします。」と謙虚に丁寧に目的地を指示した。 さすがJW!横暴な態度を取る上司共とは大違いだ。Ipodにするかどうか話していると、 兄弟の携帯に電話が入ったらしくうっとりと来てしまう。世界をまたにかけて仕事する会社経営者。 なんだかそそうのないように気をつけなければとさらに緊張しだした。 ヨドバシカメラに着くと店員さんの説明から兄弟は最新式のipadとiphoneを買い求めたいとの事で、ご案内した。 備品も買い、携帯も契約したのでようやく買い物終了、と真菜が思っていたら、 「ちょっとオーディオコーナーに行ってもいいですか?」と聞くので、頷くと、よくわからない外国製のアンプやスピーカーを選び始めた。 「ちょっと、うちのオーディオが壊れちゃってね。もっぱらジャズやクラシックしか聴かないんだけどね。姉妹は音楽何聴くの?」 と聞かれ、流石に最近連続して聞いているのはSMAPの最終アルバムとは言えず、 「あ、モーツアルトとか聞きますよ。」と強がって見せた。 「さすが、姉妹モーツアルトは素晴らしいよね。賛美の歌もイタリア語で聴くといいんですよ。」 と色々な機器を手に取り、「じゃあ、これ下さい。」と二、三点を即決するので、さすが王子! 社長だと買い物の仕方が違うんだねー。と、売り場を歩きながら、支払いを待っていた。
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699 :旭川もん[sage]:2017/02/20(月) 19:17:43.11 ID:87JNRJPa - 非官能小説「詐欺師とペテン師」
11 すると、兄弟は非常に困ったという顔をして、「私とした事が・・・私のアメックスが期限切れでね。困ったなー。小切手もないし。こういう時に限って・・・ごめんね。今日のタブレット はなかった事にしますね。」と暫く俯きながら暗い表情で困惑するトム様。 真菜は、少し考えて、兄弟には是非タブレットで個人研究してもらいたいし。ここでタブレットを買ってもらわないと色々お教える次のステップはない。 なにしろハーバードの社長がビジネスにもお使いになる。お困りなのだから、お助けするのは当然の事だよ、と考え、 「良かったら、私のクレカ使って下さい。お貸しします。」と即答すると、 王子は「それは困るよ。」と強くに仰るので、「いいから、ここは私に任せて。」と二人売り場へ向かった。 店員さんが待ち受けていて、「お幾らですが?」と真菜が聞くと 「101万8000円になります。」と言われびっくりした。 兄弟は「ごめんね、僕のアメックスは無制限だから、思わずいつも使ってるオーディオ製品買っちゃたんだ。 いいよ。今日の買い物はやめましょう。」と向井王子は仰るが、真菜は、考えたあげく、 王子様に媚を売りたくて限度額50万のクレジットカードを二枚と手持ち5万円から支払った。 店員さんが「お支払いは?」と聞くので、当たり前のように「一括で。」と答えた。 勤続8年。毎月コツコツとお金を貯め、 実は、貯蓄は約1000万ちょっとはある。一括でも余裕で大丈夫だった。 実家暮らしのパラサイトの独身だから出来る貯蓄なのだが。 しかも、世界をまたにかけるハーバード卒のCEO。必ず返ってくるし、無様な姿は見せたくなかった。 王子は「ありがとう。必ず返すね。あと、僕の手持で払うよ。少ないけど・・・。」といいながら、 複数の財布を出し一万円札が五枚位とドル札を取り出し、何やら計算し、足りないという表情をしている王子が可愛くて、 「いいですよ兄弟。ここは私に任せてって言ったじゃないですか。」 兄弟は、「本当ありがとう。じゃあお言葉に甘えて」といきなり産まれて始めてのハグをされて、真菜は、ドキっとしながら筋肉質の胸板にいつまでも抱かれていたい衝動に駆られていた。
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700 :旭川もん[sage]:2017/02/20(月) 19:18:35.70 ID:87JNRJPa - 非官能小説「詐欺師とペテン師」
12 ヨドバシの店内を出て、タクシーを拾うと王子は、 「何だかこういうの凄く嫌いだなー。私の六本木の事務所へ寄って行ってもいいですか?」と王子が言うものだから、 「いつでも結構ですよ。」と出来るだけ淡々と応えると 「性格上、そうはいかない。こういうかっこ悪い姿は誰にも見せたくないんです。 もう少しお時間頂けませんか?」と仰るので、「分かりました。」と応えた。 途中仕事らしき電話が入り、ネイティブな英語で会話をされる王子にうっとりした。 ビジネスの相手の声も良く聞こえる。六本木に着くと、「ちょっと待ってて下さい。」とタクシーの中で待っていた。 15分位してすぐに王子は110万円をキャッシュで渡される。「ちょっと多いですよー。」と応えると、 「利子とタブレットのレッスン代だと思って下さい。これからちょっとお食事しながらお話でもしませんか?」と言われ、真菜は舞い上がった。 「あ、いいですよ。」と控えめに応えた。タクシーの運転手さんに王子は、平然と「直ぐ近くですが、 リッツ・カールトンへ着けて下さい」というものだから、リッツなんて高級なホテル初めての事で、 ちょっとビックリすると同時にジョンなら日常的に使っているんだと思うとまたしても感心してしまった。
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701 :旭川もん[sage]:2017/02/20(月) 19:19:55.02 ID:87JNRJPa - 非官能小説「詐欺師とペテン師」
13 途中、流石に110万もの大金を持つのは怖いと王子に言うと、優しく頷き、 コンビニのATMへタクシーで寄ってくれた。 「何が食べたいですか?」とジョン王子は聞くが、皆目よく分からないので「お任せします。」 とだけ答えた。 ホテルに着くとJWルックな私はホテル・リッツには場違いかと思え、正直恥ずかしかったが、 すぐに個室へ案内され安心した。おそらく王子は個室を予約しておいてくれたのだろう。 そう思うと胸が一杯になっていた。王子は真菜の心の内を察したのか、 「自分の部屋だと思ってリラックスしてくださいね。」と、安心できる低音ボイスで言われなんだか、リラックスできた。 だって、このハーバード出の社長が一緒なんだもんと平気だわと真菜は思っていた。 王子は寿司が食べたいという事で超高級寿司が並べられた。王子はとにかく話が上手で、ユーモア交じりに話すものだから、会話は盛り上がる一方だ。 会社の年商は50億円だという。ハーバードの事は聞き辛かったが、「経営をどこで学ばれたのですか?」と聞くと、東大を出てからハーバードの大学院で学んだと聞いて、さらに驚いた。 東大?ハーバード?なんたるスーパーエリートなの!と感嘆していると、東大やハーバード時代の話を決して決して嫌味なくユーモア交じりに話すものだからついつい聞き入って話は盛り上がり、 霊的な話もとことこんし、シャンパンも進んだ。 ジョン王子はいきなり真面目な顔になり、 「いきなりで、びっくりするだろうろうし、初回のお食事で言うのは、どうかと思うわけで、失礼を承知で申し上げますが」 暫く沈黙が続き、真菜はなんだろう?と思っていると 「真菜姉妹。僕で良かったら結婚してくれませんか?」
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