トップページ > ホテル・旅館 > 2021年03月01日 > 5z0R+3Ml0

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宿無しさん@お宿いっぱい?
ドーミーイン 33泊目

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ドーミーイン 33泊目
446 :宿無しさん@お宿いっぱい?[]:2021/03/01(月) 01:25:13.17 ID:5z0R+3Ml0
ホテルが登場する短篇小説を書きました。読んでってください^_^

(小説) 私は最初にその話を聞いた時、にわかには信じられなかった。騙されているのではないかとも思った。
しかし悪友に教えられた、その雑居ビルの4階を訪ねずにはいられなかった。飲食店の立ち並ぶ通りを一本外れたそのビルに着いた頃にはもう日は沈みかけていた。
「お掛けください」という40女の声はどこか別の世界からの声のようで現実味がない。
彼女がいうには彼女はただの代理人で、私は目当ての「彼」とはこの契約の満了日まで一度も顔は合わさないのだという。
捺印を終え、私はビルを後にした。

私は明日、午前中に銀行に行って金を振込む。
振込みを確認してから、「彼」は動き始め、1週間経たずにその時が来るのだという。
こんな夜は飲まずにはいられない。一番高い酒を開けた。
代理人の女から渡された灰色のGショックを眺めながら、一杯、また一杯と水割りをあおる。
数あるGショックの中でも大型のモデルであるそのGショックの中にはGPS発信器が組み込まれていて、「彼」の黒のGショックを見れば私の位置は丸分かりなのだという。

ゲロするほど飲んだ。
深酒の夜は明け、銀行へ行く時間だ。
呼び出し番号の書かれたつるつるした感熱紙がまるであちらの世界への切符のようだ。
振り込みは静かにすんなりと終わった。
さあここからは楽しまなければならない。私は襟のある服を着るのをやめることにした。
ボストンバッグに下着を詰めて駅へ。電車を待つ横顔を1つずつ眺める。
自分には他の道もあった筈だ。今からでも他の道を往くことはできる筈だと思ったころ電車が来たので乗った。海岸沿いを走る。
ドーミーイン 33泊目
447 :宿無しさん@お宿いっぱい?[]:2021/03/01(月) 01:27:33.36 ID:5z0R+3Ml0
駅からホテルに向かうまで、私はなるべく人通りの多い道を選んで歩いた。
途中スターバックスに入り「彼」の噂が書き込まれたサイトを巡る。
噂は噂でしかないが、噂によると「彼」は秋田の山奥の出身で、若かりし日は中東で腕を磨いていたという。年は60歳前後。

スターバックスを出てタクシーを拾い、ホテルに着くとつやつやのスーツの老爺にうやうやしく迎えられる。
外資系のこのホテルは、すべての部屋に専用のベランダがあり、ブリティッシュガーデン風の庭木を楽しむことができる。
入室は15時過ぎ。部屋に入ってまず最初に厚手のカーテンを閉めた。革表紙のホテル案内をパラパラとめくりながらベッドに横たわると、いつの間にかプツンと暗くなり、眠りに落ちていた。

ハッと気付き灰色のGショックを見ると20時を過ぎていた。
シャワーを浴び、トイレに行くと水のような下痢便であった。
腹は空いていたが、外に食べに行く気は起きず、ホテル最上階のバーへ行く。水族館で使われているものと同じだという継ぎ目のない巨大なアクリル板越しの東京の夜は絶景だった。
私は壁際の席を希望し、ビールとスープカレーを頼んだ。水のようなルーを舐めながら、くびれたグラスのビールをあおる。

しこたま飲んだ。夜風にあたろうと、2階へ降りて宿泊者専用の大型庭園へ出る。
風が強い。小雨がパラついていたので、張り出した屋根の下のベンチで休むことにした。遠くで救急車のサイレンが聞こえる。
隣のベンチでは、夜だというのにサングラスをかけた白人の老爺が、夜だというのにサングラスをかけた若いアジア系の女となにやら英語で話し込んでいる。

庭園の中央には大きな噴水がある。
コンピューター制御だろうか、水の吹き出し方やリズムは次々と変わり、変調とともに水を照らすライトの色も変わる。
最初は緑色だったのが、紫色、水色、オレンジ
「本日は当ホテルをご利用いただき誠にありがとうございます。
お客様にお知らせです。本館2階、水と森の広場は夜11時30分までのプツンと暗くなり、何もわからなくなった。(完)


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