- 【ワッチョイなし】福岡市での一人暮らし 131 [無断転載禁止]©2ch.net
378 :774号室の住人さん[sage]:2017/06/09(金) 20:57:48.87 ID:dy6Ojg/A - NHLのスター選手「俺たちの仕事は、日常生活で負けっぱなしの人生の敗者に『勝利』を売ることだ」
中流と労働者階級をスポーツ狂いに追いやる動機はふたつある。 ひとつは、社会的には敗者の彼らが、勝者と一体感を味わう必要。 人差し指を立てて「俺たちゃ一番!」と小躍りして叫ぶことが彼らには必要なのだ。 あるホッケーの選手が言っている。「プロスポーツの目的は絶対的に勝つことだ。 ぼくらは勝利を売っているんだ。日常生活では勝利を味わえないたくさんの人たちに勝利を売る。 お客は〈自分の〉チームに我を忘れる。つまり勝つチームと同じ気分になるわけだ」 この代理成功の魅力に加えて、スポーツが中流やその下の労働者階級にも人気があるのは、 知ったかぶり、独断、記録をとること、人の知らないちょっとした知識、普通は「決断を下し」たり 「管理し」たり「意見を形成する」階級に独占されている類いの似非学識、を気取ることができるからである。 ワールドシリーズやスーパーボールは、誰にでも退屈な博識者ぶる機会、一時的に立派な酒場の学者を演じる機会、 短い期間だけ上位の階級の真似をして重大演説したり、意見を披瀝する機会を与えてくれるのである。 言い換えれば、ワールドシリーズとスーパーボールは、庶民がなにがしかの自尊心を取り戻すための、 年二回廻ってくる無害無益の機会なのだ。 妙なことに、自然の意志が働いたかのように、このふたつは真冬と真夏に近い時期にぶつかっている。 だからこそこのふたつは、民主主義の神聖な日として、また儀式として、欠かすことができない。 労働者階級はユニオン・カーバイド社の浮沈の原因は知らないかもしれないが、「試合の見どころ」の通として、 チャージャーズ、あるいはドジャースがなぜ今シーズン勝つかについて、訳知り顔ができる。 これは大いに満足感を味わえる機会だ。 『階級(クラス)―「平等社会」アメリカのタブー』(ポール・ファッセル)
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