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810 :2018.4.24 朝日新聞 []:2018/06/13(水) 18:39:21.75 ID:G+7vB2ve - (耕論)「女人禁制」の壁 森山真弓さん、佐藤文香さん、高埜利彦さん
時間いるが 声上げ続けて 森山真弓さん(元官房長官) もりやままゆみ 1927年生まれ。労働省婦人少年局長を経て政界へ。官房長官、文部大臣、法務大臣など歴任。 新聞を読んでいたら、「女人禁制」というタイトルが目につき、思わず切り抜きました。 京都府舞鶴市の大相撲春巡業で、市長を助けた女性が土俵から降ろされた件です。 (聞き手・藤田さつき)
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811 :2018.4.24 朝日新聞 (耕論)[]:2018/06/13(水) 18:41:06.92 ID:G+7vB2ve - 女性登用、組織も変えよ
佐藤文香さん(一橋大学教授) さとうふみか 1972年生まれ。専門は軍事・戦争とジェンダーの社会学。 編著書に「ジェンダー研究を継承する」ほか。 戦後の日本は本当に男女平等の方向に進んできたのだろうか。 土俵の女人禁制問題と財務事務次官のセクハラ問題は、そんな疑問符を突きつける象徴的な出来事でした。 私はジェンダーの観点から自衛隊の研究をしています。その中で土俵問題と同じように、女性排除が正当化されるのを見てきました。 男性の人材が不足した1970年前後から、既に採用されていた看護職以外にも、女性が自衛官として入り始めました。 自衛隊内の推進派は他国の例を挙げて説得しましたが、反対派は「我が国には我が国のやり方がある」「我々は農耕民族だ。狩猟民族とはわけが違う」と「伝統」の名の下に排除を正当化しました。 海上自衛隊の幹部候補生学校に女性が入ると報道されると、「伝統ある江田島の地をハイヒールで汚すな」と投書があったといいます。
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812 :2018.4.24 朝日新聞 (耕論)[]:2018/06/13(水) 18:43:01.92 ID:G+7vB2ve - 佐藤文香さん(一橋大学教授)
そんな男性中心の構造の中に放り込まれた女性は大変です。「給料は同じなのに仕事ができない」「体力がない」と、二流のラベルを貼られます。 抜群に優秀で、組織文化に適応した女性だけは「名誉男性」として扱われる。 そして、性差別と女性同士の分断を上手に織り込みながら、組織が回っていくのです。 組織のあり方を変えずに、ただ女性を投入するやり方は欺瞞(ぎまん)的だと思います。女性個人の幸せにはつながらず、苦闘を強いることになります。 では排除し続ける方が、ましなのか。そうは思えません。 苦しみながらも、そこに居続ける女性の存在は、「ノイズ」として新たな対応を求める原動力となります。 セクハラ問題を告発した女性記者の勇気ある声のように、苦しみの声が集積することで、組織のあり方も変更を迫られるのです。
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813 :2018.4.24 朝日新聞 (耕論)[]:2018/06/13(水) 18:45:20.49 ID:G+7vB2ve - 佐藤文香さん(一橋大学教授)
今は自衛隊のほとんどの仕事に女性が就けますが、放射線を扱う部隊など、「母性保護」を理由に制限される職もあります。 それほど有害な業務なら、男性にとっても危険でしょう。 業務のあり方を見直し、子を持つ可能性のある男性も守られるべきではないでしょうか。 相撲協会は「ちびっこ相撲」で、「けがをするから」と女児の参加を断りましたが、男児だってけがはしたくありません。 性別で線引きするのではなく、安全にできるよう知恵をしぼるべきです。 「土俵に上がれないならあいさつをしない」と、女性市長たちが声を上げ始めました。 おかしいと思う男性市長たちも「それなら自分もあいさつをしない」など、一緒に表明することが重要だと思います。 排除されているのが自分や自分の大切な人だったらと想像してほしい。性別を理由に行動に制約を受けることをよしとする社会でよいのかが、問われています。 (聞き手・高重治香)
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814 :2018.4.24 朝日新聞 (耕論)[]:2018/06/13(水) 18:46:40.90 ID:G+7vB2ve - 史実見極め、議論冷静に
高埜利彦さん(歴史学者) (聞き手・池田伸壹) たかのとしひこ 1947年生まれ。 元学習院大学教授。専門は日本近世史。著書に「近世日本の国家権力と宗教」など。 女人禁制をめぐり、相撲は千年以上の「伝統」があるからだとか、古くからの「神事」だからといった説明がされています。 しかし、よく引き合いに出される古代の相撲節会(すまいのせちえ)は、朝廷での行事ではあっても神事ではありません。 伝統や国技といった主張に流されるのではなく、事実に基づき、タブーなく冷静に議論をする必要があります。 現在の大相撲につながる職業集団による相撲は、それほど古くありません。 江戸時代の元禄以降であり、近世の産物なのです。
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815 :2018.4.24 朝日新聞 (耕論)[]:2018/06/13(水) 18:49:43.00 ID:G+7vB2ve - 相撲と女人禁制がいつ結びついたのかは不明ですが、死や血をけがれとして避ける思想は、江戸時代に強まりました。
徳川綱吉が出した「服忌令(ぶっきれい)」がきっかけです。 近親者の死に際し、喪に服する期間を定めたもので、殺生を禁じた生類憐(しょうるいあわれ)みの令と表裏をなす政策でした。 朝廷や神社を除き、日本ではそれまで女性を差別する思想は普及していませんでした。 しかしこの令以降、出産や月経も「けがれ」とみなす考え方が武家だけでなく、職人や町人、農家にも浸透してしまいました。
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816 :朝日新聞 リレーおぴにおん 「維新150年」Gジョン万次郎[]:2018/06/13(水) 18:52:26.58 ID:G+7vB2ve - 万次郎の恩返しが問うもの 中濱京さん
なかはまきょう ジョン万次郎直系5代目 1963年生まれ。富士通に勤務しつつ、日米の草の根交流を続けている。 著書に「ジョン万次郎 日米両国友好の原点」がある。 2018年4月24日 177年前に始まった万次郎の冒険にまつわる、さまざまなものが我が家に伝わっています。 通訳として咸臨丸に乗って渡米した際、サンフランシスコで福沢諭吉と一緒に購入したというこのウェブスター辞書、漂流から10年間の絵入りの見聞録、フランクリン・ルーズベルト米大統領から曽祖父への手紙など。 でも、それ以上に大事な宝物は、鎖国の時代に万次郎を救った人々との家族ぐるみの交流が、現在も続いていることです。 9歳で父親を亡くし、母親と兄弟を支えるために漁師になって働いていた万次郎は、14歳の時、嵐に遭って伊豆諸島の無人島に流れ着きます。 万次郎は生前、「決してあきらめてはいけない」ということを繰り返し言っていたそうですが、釣りの道具や火打ち石もないなか、143日も生き延びた経験に裏打ちされていたのだと思います。
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817 :万次郎の恩返しが問うもの[]:2018/06/13(水) 18:53:29.34 ID:G+7vB2ve - 米国の捕鯨船が食料になるウミガメがいるかを調べるために偶然この島に寄り、救出されます。
捕鯨船のホイットフィールド船長は航海の末、万次郎を米東部マサチューセッツ州の自宅に連れて帰り、我が子のように育ててくれたのです。 通っていた教会が、人種を理由に万次郎を別の席に座らせようとすると、偏見なく迎えてくれた教会に宗派を変えたほどでした。 船長のもとで、今も校舎が残っている小学校に16歳で通い始め、さらに航海術や測量術、数学など高度な教育を上級の学校で受けさせてもらいました。 そうした知識を生かして、捕鯨船に乗り、仲間の投票で、重要な地位にもつきました。 1849年には、南米を経由し、2丁拳銃を携えて、ゴールドラッシュで沸き返るカリフォルニアの金山に行き、日本に帰るための資金を作るという体験をしています。 運だけでなく、チャンスを生かし、漂流民から、米国社会でも、世界の海でも活躍する人間に成長させてもらったということでしょう。
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818 :朝日新聞 リレーおぴにおん 「維新150年」Gジョン万次郎[]:2018/06/13(水) 18:54:59.83 ID:G+7vB2ve - 電子メールも飛行機もない時代ですが、万次郎は43歳の時、65歳になっていた船長に再会しています。
ヨーロッパ視察を明治政府に命じられた際、マサチューセッツ州に立ち寄ったのです。 その際に感謝を表し、開国で日本がどう変化したかを伝えたそうです。 医師として活動する傍ら、万次郎に関する著作をのこした私の父は「万次郎は、直接ホイットフィールド船長に十分に恩返しはできなかった。 でも、弱い立場にあった自分にしてくれたことへの恩返しを間接的にしようと考えていた」とよく語っていました。 万次郎は決して過去の人ではなく、私たちに、問いかけ、語りかけ、励ましてくれています。 (聞き手・池田伸壹)
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819 :2018.4.24 朝日新聞(声)[]:2018/06/13(水) 19:02:10.79 ID:G+7vB2ve - 正当化できないミサイル攻撃 大学生 柴沼真紀(神奈川県 21)
エキノコックス 早急に対策を 無職 中井正則(愛知県 75) 見知らぬ「仲間」つなぐスーツ 大学生 安部夏美(福岡県 21)
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820 :2018.4.24 朝日新聞(声)[]:2018/06/13(水) 19:06:12.67 ID:G+7vB2ve - これぞプロ 工事現場に釘付け 小学校非常勤講師 岩代孝一(静岡県 60)
シニア女性も社会に貢献したい 無職 渡辺公子(千葉県 71) 相棒の自転車と心機一転の春 看護師 岡本祥子(神奈川県 23) かたえくぼ 「女性護身用」 昔 懐剣 今 ICレコーダー (横浜・昼あんどん)
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821 :朝日川柳 西木空人選 2018年4月24日[]:2018/06/13(水) 19:09:32.09 ID:G+7vB2ve - ☆巧妙に北は疑似餌のアドバルーン(三重県 山本武夫)
国難がどうも北から遠ざかり(東京都 安達雅夫) 字小さく漢字読めぬと財務相(京都府 桑原宣彰) またアウト長尾議員の受け狙い(神奈川県 古田哲弥) 春新宿の葉桜の宴(茨城県 岩井廣安) 地元凱旋(がいせん)パレードのない帰国(東京都 辻酔乱) 続落といえばあれだとすぐ分かる (香川県 田岡弘)
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822 :ヘイトスピーチに正義はない[]:2018/06/13(水) 19:11:27.79 ID:G+7vB2ve - 法律事務所勤務 府川恵美子(神奈川県 62)
7日、京都地裁は在日特権を許さない市民の会(在特会)に対し、人種差別撤廃条約に照らして、名誉毀損(きそん)が成立する不法行為だとして、高額の賠償を命ずる画期的判決を出した。 私は3月、東京で朝鮮学校にも高校無償化を要求するデモに参加、デモ隊の反対車線に止めた街宣車から大音声で「朝鮮人は帰れ!」などと口汚く連呼するヘイトスピーチを体験した。 在日の人たちの隊列に交じった私は、恥ずかしさと憤りから思わず「ウルサイ、黙れ!」と怒鳴った。 すかさず街宣車の屋根からメンバーが駆け下りてきたが、警官隊に押さえられた。 戒厳令下のような物々しさに、参加した子どもは耳を塞ぎ、若い親たちはかえってひっそりと行進していた。
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823 :ヘイトスピーチに正義はない[]:2018/06/13(水) 19:12:08.74 ID:G+7vB2ve - 「ヘイトスピーチの『正義』とは」(9日)を読みハタと考え込んだ。
今昔どの戦争も自国の「正義」を振りかざしてきたが、物事には必ず相手がある。 大事なのは相手の痛みにも思いをはせることではないのか。 自国の負の歴史に向き合う勇気を持てば、在日とならざるを得なかった朝鮮人がヘイトスピーチの対象とされる「正義」があり得ないことは自明だろう。
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