- 司馬遼太郎の歴史観について
640 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/08/06(土) 23:49:18.78 ID:tDDava+I0 - 攘夷とは
夫れ攘夷と云うは、皇国の私言に非ず、其の止むを得ざるに至っては、宇内各国、皆之を行うもの也。 米利堅嘗て英国の属国也。 時に英吉利王利を貪る日々に多く、米民益々苦む、因て華盛頓なる者、民の疾苦を訴え、是に於て華盛頓米地十三邦の民を師い、英人を拒絶し、鎖国攘夷を行う。 此より英米連戦七年英遂に不勝を知りて和を乞い、米利堅是に於て英属を免れ独立し、十三地同盟合衆国と号し一強国と成る。 実に今を去ること八十年前なり。 ゼルマニアは属国たりしも、亦能く国議を定め、拒絶攘夷を行い、戦争八年、戦う毎に悉く敗すと雖も、其の末に至って一戦能く奇を出し、大いにイスパニアの軍を敗り、遂に独立す。 是れに依って之を看れば、主客当然、権我れに在り、其の和戦開鎖は、時の宜きに隨い、国の利害に由り唯我に好む所のまゝ也。
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