- 【小説】スナック眞緒物語2【日向坂応援】
102 :走り出す名無し(東京都)[]:2020/03/28(土) 17:49:48.26 ID:tgNGzAhQ0 - 一粒の米(その16)
九月の初頭のこの日、私はそわそわしております。 というのも大好きな明里姉様がご帰省されるという報告を受けたからであります。 日本女子大学校に入学されて以来、こちらには戻ってこられなかったのです。 もう一年半にもなります。 もちろん女子大学校にも休みはあるのですが、そのとき限って運悪くいろんな用事が重なり、ご帰省の頃合を逸されたそうです。 今回も当初は八月の予定だったのですが、ご都合で九月にまで遅れてしまったようです。 さらに間が悪いことに、今日の未明に台風が直撃しまして、昼頃だった到着の予定が夜遅くになるようです。 早くお会いしたいとやきもきしていると、北にある利根川が異常な増水をするという幻影がまた襲ってきました。 私は気が気でありません。 明里姉様はお昼にはどうせ参られないのなら、利根川の様子を見に行こうと思い立ちます。(続く)
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- 【小説】スナック眞緒物語2【日向坂応援】
103 :走り出す名無し(東京都)[]:2020/03/28(土) 17:51:54.84 ID:tgNGzAhQ0 - 一粒の米(その17)
台風一過ということで、雲ひとつない晴天となっているのですが、土は泥濘んでとても歩きにくいです。 到着すると、思ったほど増水しておらず、川の水位は堤防よりずっと下です。 異常な増水が少なくとも今日や明日のことではないことがはっきりしたので一安心です。 お屋敷に戻ってきても、夜まではまだ時間があり、矢も楯もたまらずという気持ちです。 夜も更けてくると、ご家族との積もる話もあるだろうから、私との再会は明日に回されるだろうとさすがに諦めました。 ところが、金村家へ夜半に尋ねてきてくださいました。 金村家へのお土産を女中さんにお頼みされている姉様の声が玄関ほうから聞こえてきたのを私は逃しません。 急いで顔を見に行きます。 「明里姉様!どうぞお上がりくださいませ」 「美玖様、お久しゅうございます。とてもお会いしとうございました。でも、こんな夜分に失礼なので、また明日にします」 「そんなこと仰らないでください。今日のこの日を楽しみに待っておりました。ちょっとでいいですから話しとうございます」(続く)
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107 :走り出す名無し(東京都)[]:2020/03/28(土) 22:49:04.07 ID:tgNGzAhQ0 - >>104
>物体が縮んだり、時間が延びたりするわけではない >実は時刻は人によって異なる >つまりある人にとって同時におきていることが >別の人にとっては異なる時刻でおきている 下三行はいわゆる同時刻の相対性のことで、それには全く異論はない。 だが、上一行をどう解釈するかというのは難しいところだな。 つまり、下三行の効果を考慮しても、物体が縮んだり、時間が延びたりすると見なさなければならないんじゃないか? よく示される電車の例で、物体の縮みに関してだけを見ていく。 地上から見た電車の長さをbとし、その電車の真ん中で電車の両端に向けて光を発射させたときの地上から見た時刻差は、 b/2(1−v)−b/2(1+v)=bv/(1−v^2) (ただし、表記が煩雑になるので、光速度を1としたときの単位系での電車の速度をvとしている。) 電車から見て同時刻となるとき、刻印機を作動させて、地上に刻印させ、地上から見たその刻印間の長さをaとすれば、 b=a−v×bv/(1−v^2) ∴b=a(1−v^2)・・・(1) 電車から見た電車の長さをb´、電車から見た刻印間の長さをa´とすれば、電車から見れば、その長さは等しいので。 a´=b´・・・(2) ここで、動いている物体の長さが変化しないとすれば、a´=a、b´=bとなり、(1)、(2)から矛盾が起きる。 よって、動いている物体の長さはk倍に縮むとする。 (このkは相対論係数の逆数となっている。) 地面から見れば、電車の方が動いているので、b=kb´・・・(3) 電車から見れば、地面の方が動いているので、a´=ka・・・(4) (1)、(2)、(3)、(4)から、k=√(1−v^2) (普通の単位系で表した電車の速度をVとすれば、v=V/cなので、 k=√{1−(V/c )^2}となる。) 上の議論から分かるように、(1)は同時刻の相対性によるものだが、 (3)、(4)はその矛盾を解消するために、空間が縮んだと解釈すべきと思っているんだが。
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