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484 :不明なデバイスさん[sage]:2011/02/06(日) 20:03:19 ID:1m7Cyxe5 - 少女は二三歩退いた。出口はなかった。
コンクリートの煤けた壁が少女の背中に触った。 「初江!」 と若者が叫んだ。 「その火を飛び越して来い。その火を飛び越して来たら」 少女は息せいてはいるが、清らかな弾んだ声で言った。 裸の若者は躊躇しなかった。爪先に弾みをつけて、彼の炎に映えた体は、 火のなかへまっしぐらに飛び込んだ。 次の刹那にその体は少女のすぐ前にあった。 彼の胸は乳房に軽く触れた。 『この弾力だ。前に赤いセエタアの下に俺が想像したのはこの弾力だ』と 若者は思った。二人は抱き合った。少女が先に柔らかく倒れた。
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485 :不明なデバイスさん[sage]:2011/02/06(日) 20:06:55 ID:1m7Cyxe5 - 三島という小説家については僕ははっきり言うと大嫌いなのだが
(名前が「ユキオ」なのも個人的にむかつく)、作者がどうこうという話はこの企画とは直接関係ないのでばっさり割愛。 ここでは「潮騒」の萌えを簡潔に解説することだけに専念しよう。 「潮騒」というくらいだから舞台は当然海。主人公は漁師の青年・新治、ヒロインは海女の少女・初江。 まあ色々あって二人は惹かれ始め、嵐の日に廃墟の中で裸になって焚き火に当たる上の場面に遭遇するわけだ。 この時の初江たんの裸の美しさを描写する三島先生のこだわりっぷりが凄い。 オッパイの魅力を文章で語らせたら右に出る者はいないのではないか、というほどにオッパイにこだわっている。 後に出てくるこの一連の初江のオッパイ描写を読んでみるといい。
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486 :不明なデバイスさん[sage]:2011/02/06(日) 20:10:25 ID:1m7Cyxe5 - それは決して男を知った乳房ではなく、まだやっと綻びかけたばかりで、それが一たん花をひらいたらどんなに美しかろうと思われる胸なのである。
薔薇色の蕾をもちあげている小高い一双の丘のあいだには、よく日に灼けた、しかも肌の繊細さと清らかさと一脈の冷たさを失わない、 早春の気を漂わせた谷間があった。四肢のととのった発育と歩を合わせて、乳房の育ちも決して遅れをとってはいなかった。 が、まだいくばくの固みを帯びたそのふくらみは、今や覚めぎわの眠りにいて、ほんの羽毛の一触、ほんの微風の愛撫で、 目をさましそうにも見えるのである。 僕もオッパイについてはそれなりに強い思い入れはあるが、ここまで見事に饒舌に魅力を語りきる自信はさすがにない。 よく言ってくれた三島先生、というより他に言葉がない。 まあ三島先生は女のオッパイだけが好きというわけではなく、マッチョの肉体美なんかも愛して らっしゃったようなのだがそれはどうでもいい。 とにかく今はオッパイだ。オッパイマンセーだ。 で、焚き火のシーンに話を戻す。新治がにじり寄ろうとすると、裸の初江はそれに合わせて 炎をへだてて逃げる。汝も裸になれ、そしたら恥ずかしくないから、と言って初江は新治にも 裸になることを要求する。そしていよいよ後がなくなって最後に言うのだ、 「その火を飛び越して来い。その火を飛び越してきたら」。 そして新治は炎を飛び越し初江を捕まえ、抱きしめる。
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487 :不明なデバイスさん[sage]:2011/02/06(日) 20:13:46 ID:1m7Cyxe5 - 「松葉が痛うて」
と少女が言った。手をのばして白い肌着をとった若者はそれを少女の背に敷こうとしたが、 少女は拒んだ。初江の両手はもはや若者を抱こうとはしなかった。 膝をすくめ、両手で肌着を丸めて、丁度子供が草叢くさむらのなかに虫をつかまえたときのように、それでもって頑かたくなに身を護った。 そうして初江が言ったのは、道徳的な言葉である。 「いらん、いらん。……嫁入り前の娘がそんなことしたらいかんのや」 ひるんだ若者は力なく言った。 「どうしてもいかんのか」 「いかん」−−−少女は目をつぶっていたので、訓誡(くんかい)するような、なだめるような調子がすらすらと出た。 「今はいかん。私わし、あんたの嫁さんになることは決めたもの。 嫁さんになるまで、どうしてもいかんなァ」
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