- 【田沢湖】 クニマス 【西湖】
543 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/01/20(木) 16:56:02 ID:Q8gXX8CM - 秋田魁新報の記事
味はどうだったのだろう。当時はお祝いや病気見舞いの品として珍重され、病人や 妊婦が食べるぜいたく品。田沢地区の堀川一義さん(84)は「子どものころは体が弱く て塩焼きをよく食べさせてもらった。高級で珍しく、うまいと思って食べた。白身で脂がな く淡泊な味で、イワナよりも軟らかかった」と回顧する。 クニマスは行商人や漁師の家族が近隣町村まで運び、売りさばいた。下総さんは 「正月でないと食べられなかったが、さほどうまいとは思わなかった。ヒメマスの方が 味は上」。斉藤さんは「ぶつ切りにしてみそかやきで食べた。さっぱりした味だった」と語る。 文献をひもとけば、「みそ押し(みそ漬け)はうまい」との記述から「きわめてまずい」と 酷評するものまでさまざま。幼少期に食べた記憶がある大山文夫さん(77)=田沢湖梅沢= は、捕った魚を網で湖底に沈めて保存する習慣があったことに触れ、「まずいと感じた人は、 保存され鮮度が落ちたりしたクニマスを食べたのではないか。そもそも、まずい魚を慶事で 贈るはずがない」と推察する。 田沢地区出身の直木賞作家、千葉治平は「山の湖の物語」(1978年刊)で、湖畔生まれの 友人小倉映二の歌を紹介した。「哀れなる伝説持ちし 田沢湖の 木の尻ますの味は 忘らえぬ」。今となっては、その味は確かめようがない。 (2010/02/15 付) http://www.sakigake.jp/p/special/10/omonogawa/article2_06.jsp
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