- 富山市都市開発総合スレッド45
710 :防金開発 ◆Dog.6X8U/I [sage]:2020/03/26(木) 22:28:15.33 ID:1abJ8jZe - 北國新聞 2020年3月26日
北陸新幹線 敦賀を望んでH 枝線の未来 「離れ小島」どこが担う JR西は切り離し希望? 「城端・氷見線 LRT化協議」。今年1月、本紙朝刊の1面にこんな見出しが踊った。 富山県内で高岡ー城端を走る城端線、高岡ー氷見を結ぶ氷見線を運行するJR西日本が、同県と沿線の4市に対し「新たな交通体系への転換」を提案した、と発表したのだ。 LRTとは、バリアフリー性や環境負荷の小ささが特長の次世代型路面電車のこと。富山市が国内初の本格車両を導入したことでおなじみだ。 「JRがローカル線をわざわざ最先端車両に更新してくれるなんてラッキーだな」と思った楽天的な記者に、上司が言った。 「JR西の真意は『設備は整えてあげるから、後は地元でなんとかしてくださいね』という、赤字路線の切り離しじゃないんか?」 赤字線に警戒感 確かに、富山県の石井隆一知事は県議会で「JR西は少なくとも整備費を主体的に負担し、安定した維持運営にも相応の役割を担うべきた」と発言し、赤字路線を一方的に押しつけられることをけん制している。 多額の費用負担や運行主体など課題は多く、実現はそう簡単ではないようだ。 この話、石川県にとっても他人事ではない。 2023年春、北陸新幹線が敦賀まで開業すると、県内の北陸線は全てJR西から経営分離され、並行在来線となる。すると、津幡ー和倉温泉を走る枝線の七尾線は、JR西の完全な「離れ小島」となってしまうからだ。 枝線は経営効率が悪いため、JR西はかねて今後のあり方を地元と協議したいとしてきた。 一方、敦賀延伸に従い、県が出資するIR石川鉄道は運行距離が3倍に延びる。「路線維持だけでも荷が重いのに、七尾線までカバーできない」というのが県の本音だ。 七尾線の切り離しについては、石川県の谷本正憲知事も「そんな話は全く聞いていない」と突き放す。 知事の強気の根拠は、JR西が今秋に約90億円を投じて七尾線の全車両を更新することだ。 しかも、新車両は北陸の枝線で唯一、ICカード乗車券のICOCA(イコカ)が使えるようになる。「投資は経営に前向きな証拠でしょう」(谷本知事)というのである。 七尾線は「優秀」 専門家の見方はどうか。鉄道ジャーナリストの梅原淳氏は七尾線を「優秀な路線だ」と評価する。 「観光地もあり、観光列車も走っている。他のローカル線では1`当たりの輸送密度が1千人を切るところもある中、4千人台を維持している」と梅原氏。 国鉄時代は4千人が廃止路線の目安だったが、技術が進んだ今は2千人台なら利益を確保できるという。ちなみに城端・氷見線の輸送密度は2千人台だ。 一方、金沢開業5周年を前に北國新聞社の取材に答えたJR西の長谷川一明社長は、七尾線も新たな交通体系の検討対象かとの質問に「どの線区がどうではなく、利用状況や地域の発展に合わせ、現代的な輸送のあり方を勉強したい」と含みを持たせた。 ローカル線としては今のところ「優等生」の部類に入る七尾線だが、マイナス要素はある。北陸新幹線の敦賀開業後、関西から和倉温泉へ行こうとすると、敦賀と金沢で2回乗り換えが必要になるのだ。 谷本知事は路線の維持へ、人気の観光列車「花嫁のれん号」を増やすことと、この2回の乗り換えを楽しませる工夫をJR西に要望している。 少子高齢化や人口減少で今後のあり方を考える時期を迎えているのは、城端・氷見線だけでなく七尾線も同じ。そういえば、次の知事選は敦賀開業のちょうど1年前にある。七尾線が県政の重要課題に浮上する日もそう遠くなさそうだ。 (政治部・藤澤瑛子)
|
|