- 富山市都市開発総合スレッド45
684 :防金開発 ◆Dog.6X8U/I [sage]:2020/03/26(木) 00:16:03.33 ID:1FDS4eS4 - 北國新聞 2020年3月25日
北陸新幹線 敦賀を望んでG コロナ・ショック ピンチの今こそ「好機」 旅館休んで改修、清掃 今月20日からの3連休、北陸きっての温泉地である加賀温泉郷に、ほのかな明るさが戻った。「家族連れやカップルなど、個人のお客さまに動きが出てきた」。 加賀市山代温泉で旅館「瑠璃光」「葉渡莉」を営むよろづや観光の萬谷正幸会長は安堵の表情を浮かべた。 新型コロナウイルスの感染が広がり、政府が対策方針を発表してから1カ月。石川、富山では出歩く人の姿も増え、自粛ムードが少しずつ和らいでいるようにみえる。「 3連休中は近場のほか、東京や大阪からマイカーで訪れる方も目立ちました」と萬谷会長。不安で凝り固まった心と体を、温泉でのんびりほぐしたい気持ちはよく分かる。 もっとも、どこの旅館も4月以降の予約は少ない。 とりわけ団体客や訪日外国人観光客は壊滅的で、山中温泉の高級旅館「かよう亭」でも「3〜5月は予約の大半が外国人だが、9割がキャンセルになった」(出越はじめ支配人)。 幸い国内のリピーター客が訪れ、部屋は埋まっているものの、先行きが見通しづらい状況は続く。 関西に「二重の壁」 かつては「関西の奥座敷」と言われるほど、関西方面からの客に支えられてきた加賀温泉郷。北陸新幹線の金沢開業によって首都圏の客も増えたとはいえ、 3年後の敦賀開業をにらむと、各温泉地にはなじみが深い関西とのつながりを強めておきたい思惑がある。 敦賀が当面の終着駅となることで、関西から特急に乗ると敦賀で北陸新幹線に乗り換える手間が生じる上、料金も今より高くなる「二重の障壁」が考えられるためだ。 便利なはずの新幹線が客離れを招くのを食い止めようと、山代、山中、片山津の各温泉地は連携して魅力づくりに努めてきた。特に今年は、加賀温泉駅が開業して50周年の節目に当たることから、 JR西日本と連携して夏ごろからキャンペーンを展開する。関西から同駅まで団体列車を運行することもほぼ決まったが、今は「そもそも3年後まで経営が持つか分からない」(ある旅館経営者)という不安が先に立つ。 一方、新型コロナによる閑古鳥を逆手に取り、魅力の磨き上げに取り組む旅館も現れた。 予約なしを逆手に 「ある意味でいい機会だと思って、普段は絶対にできないことをしようと決めました」。こう話す片山津温泉旅館協同組合の森本康敬理事長は、予約が入っていない4月の平日、経営する旅館「湖畔の宿 森本」を計7日間休館する。 通常の休業日は1カ月にせいぜい2日。思い切った休みを生かし、4日かけて大浴場を改修するほか、社員研修を3日間実施する。広間の大きな照明など、年末の大掃除では行き届かない箇所も全て清掃する。 どれも宿泊客がいては行えないだけに、人気の「森本」ではなかなか手を付けられなかった懸案だ。 森本理事長は「この状況が半年続けばきつい」と、あくまで早期の感染終息が前提とした上で 「北陸新幹線の延伸は加賀温泉にとって大チャンス。金沢開業で増えた『価格より品質重視のお客さま』をさらに取り込みたい」と、3年後を見据えた準備に余念がない。 まさに「ピンチはチャンス」。前向きな発想に触れ、自粛疲れのこちらも元気がわいてきた。北陸の観光業界では、 春の大型連休は海外旅行を控える代わりに、国内で過ごす傾向が強まるとの期待感も出ているという。 不便になる面が強調されがちな2023年春の敦賀延伸に向けて、にぎわいを持続するヒントも案外、今の逆風の中に転がっているかもしれない。 (政治部・藤澤瑛子)
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