- ○●置碁必勝法検討スレ●○
126 :名無し名人[sage]:2014/10/05(日) 14:26:56.08 ID:y/91G4cC - ご指摘いただいたのは星にケイマのシステム布石の場合ですね。
当然最新の技術開発の結果、応手も変わっていくのだと思います。 ここまで選んだ棋譜は1990年代が多く(曲と宮下は別格に古い)、 それ以降の研究が反映されていないのは問題じゃないか、ということが ご質問の趣旨だと思います。 作業の都度ずらずらと書いているので抜け漏れているところもあるかと思いますが、 ここで取り上げている定石は2000-2013年にKGSの6d, 7dの対局棋譜およそ15万局を 基にして、基本定石事典(2010年発行)の代表的定石300型を調べて取り上げています。 よって2000年代前半までのプロの定石知識(事典の編集期間分の遅れがあるとして)と 2000-2013年のアマの実戦棋譜がそもそもの検討のベースです。 ※言えること1 2000-2013年のアマチュアは既に掲載された定石を良く使っている。
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127 :名無し名人[sage]:2014/10/05(日) 14:27:38.85 ID:y/91G4cC - ところが、プロの対局を調べるとそもそもの布石の分布に偏りがあります。
現在私が使っているbaduk pro games scoreは日蓮上人の時代から先月までの 対局データが(韓国のプロ棋士による選別を経て)収録されているのですが、 黒二連星対白二連星の布石の分布は以下のようになっています。 0000-1899 0局/2,186局中 ( 0.0%) 1900-1949 8局/2,549局中 ( 0.0%) 1950-1974 29局/3,846局中 ( 0.8%) 1975-1984 22局/3,338局中 ( 0.6%) 1985-1991 336局/4,955局中 ( 6.8%) 1992-1996 1,010局/5,009局中 (20.2%) 1997-2001 691局/6,200局中 (11.1%) 2002-2005 164局/6,140局中 ( 2.7%) 2006-2008 79局/4,517局中 ( 1.7%) 2009-2012 93局/7,381局中 ( 1.3%) 黒二連星対白二連星合計2,506局中40%が1992-1996年に打たれています。 結果として星の定石を中心に棋譜検索を掛けるとほとんどが1990年代に なってしまいます。この傾向は黒二連星対白星と何か、でも変わりありません。 ※言えること2 プロ棋士の間では星の定石は1990年代に一定の研究が行われ、 それ以降は興味の対象から外れている。
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128 :名無し名人[sage]:2014/10/05(日) 14:28:17.08 ID:y/91G4cC - アマの棋譜ではこのような極端な流行の変遷はなく、
同じ黒二連星対白二連星でも以下のような分布です 1997-2001 44/ 2,298 (1.9%) 2002-2005 1,097/37,275 (2.9%) 2006-2008 738/36,035 (2.0%) 2009-2012 1,512/69,140 (2.1%) アマはハンデ調整のために置碁が必須なので (データ上では年々比率は減っているとは言え、 KGSでは毎年9→5%位は四子局)星の定石はいつでも打つ可能性が ある定石です。 置碁に引きずられる形で互先の対局でも星の定石が 出てきやすいのではないかと考えています。 アマは最新の定石を勉強していない、とも言えます。 でも、アマチュアなんですからあれもこれも勉強するのは 無理ですし、逆にいえばプロだって最近は星打ちの 勉強にまで手が回っていない言えます。 ※言えること3 アマである以上、星の定石から離れることはできない。 プロは常に最新型を追いかけ続ける。
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129 :名無し名人[sage]:2014/10/05(日) 14:29:02.70 ID:y/91G4cC - 2010年発行の「プロの選んだ30の定石 アマの好きな30の定石」(結城聡)の序文には
「アマの対局は30年前から進歩がない。 良く言えば厚い手で堅く打って、 悪く言えばスピード感がない」 といったことが書いてあったと記憶しています(すみません、手元にないので、記憶です)。 アマは勉強の絶対量を確保できないので、アトクサレのない手厚い形を 採用せざるをえないのだと思います。 どこまで強くなっても自分より強い人と対局する(お山の大将になれるのは ほんの一握りだけ)アマは自然と厚い打ち方になっていくとも思います。
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130 :名無し名人[sage]:2014/10/05(日) 14:29:33.82 ID:y/91G4cC - また、プロの最新の研究結果がアマに伝わるには時間がかかっている
のではないかとも感じました。 私は置碁では以下の形を狙って使っていますが、 周囲ではかなり高段の方でもこの型の基本定石を知らないと言います。 13┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨ 14┠┼●┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨ 15┠┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨ 16┠┼┼●○┼○○◆★┼┼┼┼┼●┼┼┨ 17┠┼●┼┼○●●┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨ 18┠┼■○┼○┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┨ 19┗┷┷┷┷┷┷┷┷┷┷┷┷┷┷┷┷┷┛ 注:置碁では★があるため◆を打つことができ、 定石型よりも黒は相当有利に打てる。 次の一手は■が狙い目で白は一眼しかない。 (基本定石事典下巻P.64 図33, 34と比較のこと) ちなみにこの型の定石は今回の調査では図33が81位、 図34が201位でした(最初のころ調べたので対象は5万局でしたけど)。 プロでは1955/11/02に島村俊宏と橋本宇太郎の対局で 出現したのが最初ですが、研究が本格化したのは韓国で1991〜1995年頃、 その後急速に出現頻度が上がり、2009-2012年では2.8%です。 アマでは2000/11/01が初出で、やはりそれ以降急速に出現していますが、 2009-2012の段階ではまだ1.6%とプロほどの使用頻度ではありません。
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131 :名無し名人[sage]:2014/10/05(日) 14:30:03.18 ID:y/91G4cC - この型は今後5〜10年くらいでプロ並みに普及する可能性が
あると思いますが、今のところはまだ考えなくていい型ではないかと思います。 仮にプロ並みに普及した場合、出現頻度ランキング上はトップ10に 入ってきます。星で置碁との相性も良いのでそうなる可能性はあります。 従来三連星の内側にコゲイマ掛りされたらコスミつけろ、と教科書に 書かれていた戦法が修正になる可能性すらあることだと思っています。 そうだとしたら三連星の教科書にことあるごとに掲載されている 1986/6/18,19の武宮対山城の棋譜は過去のものになるのかもしれません。
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132 :名無し名人[sage]:2014/10/05(日) 14:31:38.92 ID:y/91G4cC - ご指摘いただいたシステム布石の変遷については
調べなければいけないと思っているのですが、優先順位は先のことと思っています。 今取りかかった「黒二連星+白星と何か」(三子局想定)の次は 「黒タスキ星+白星と何か」(三子局・続)、その次に 「黒タスキ星+白星以外の何かを二隅」(二子局)となり、 その次が「システム布石」という探索順序を考えているのですが、 今は取っ掛かりの「黒二連星+白星と何か」だけで大変なことになってしまったと 途方にくれているところです。 幸い締め切りがあるものでもないので、自分のペースで調べていこうと 思っているのですが、「システム布石」についてはそれまでお待ち いただけますでしょうか。 本来置碁のスレをむやみに占有しているというところもありますし。。。 私もアマの上級に過ぎないので、アプローチや考察など稚拙なところ 多いかと思います。ご質問の答えになっておりますでしょうか? お気づきのところあればご指摘いただけると幸いです。
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