- 【囲碁】KGS Go Server スレッド 【71】
758 :名無し名人[sage]:2014/04/06(日) 10:23:18.76 ID:OgSVg9AX - 「あーあぁ、なんで投げちゃうんだよ・・・」
K氏が悲鳴ともつかぬ声を上げた。 碁に勝ったというのに、この不満はなんだろう。 「ホラ、ここも取れるでしょ、そこだって殺せたはずなんだから・・・」 つまり、何カ所もの石が、取れそうだったところへ、ゲーム終了の ホイッスルを鳴らされてしまったようで、面白くないらしい。 碁はサッカーと違って、対局者自身が、何時でもゲームを終了出来る。 もちろん、敗戦を認めてだが。 「あのねぇ・・・碁はそう言うものでは、ないんだって・・・」 と言うのだが・・・ 石を取るのが、何より好きな級位者である。 勝敗より、こちらが大事と来ているから、始末が悪い。
|
- 【囲碁】KGS Go Server スレッド 【71】
759 :名無し名人[sage]:2014/04/06(日) 10:23:53.21 ID:OgSVg9AX - 投了に適当なタイミングを、投げ場と言う。
例えば、攻め合いの末に、十数目の石が取られたとする。 我が陣営には、これに対抗し得る財産がない。 財産とは、この際、ゲンナマか不動産である。 現実社会と違って、知的所有権とか、口八丁手八丁なんかは、 何らの財産的価値を持たない。 中盤の、まだ初期の段階でも、勝負に持ち込める、見込みがないとなれば、ここが投げ場だ。 辛いのは山々だが、投げなくてはならない。 大差の碁を、ヨセまで打って、 「ああ、やっぱり足らなかったなぁ・・・、えぇと50目?・・・ちょっと開いたなぁ・・・」 冗談ではない。 ラグビーの試合ではないのだ。
|
- 【囲碁】KGS Go Server スレッド 【71】
760 :名無し名人[sage]:2014/04/06(日) 10:24:27.15 ID:OgSVg9AX - また、ヨセまで打って、ダメを詰める段階になってから、投げる人がいる。
これもおかしい。 ヨセとは、作って見ましょう・・・と言う意思表示でもあるのだから。 碁とは、手談、つまり会話でもある。 相手のことも、考えなければならない。 「やっぱ、やーめた。投げちゃおっと・・・」 終点まで、一緒に行きましょう・・・と言っていたのに、急に気分を変えて、 一つ手前で、電車を降りると言い出す・・・これをワガママと言わずして、 何と言おうや。
|
- 【囲碁】KGS Go Server スレッド 【71】
761 :名無し名人[sage]:2014/04/06(日) 10:25:33.06 ID:OgSVg9AX - 投了とは、辛いことである。
涙が出るほど、惨めなものである。 憎っくき相手を喜ばすことでもある。 出来れば避けたい。 しかし、碁に勝敗はつき物で、どちらかが必ず負ける。 悔しくっても、惨めでも、負けは負け、これを認めなければならない。 認めるには、自ずから、タイミングと言うものがある。 おおむね、遅れがちだ。 これがキレイに出来るようなら、かなり強い。 あるいは、強くなる可能性がある。 引き延ばしたところで、どうなるものでもない。 この辛さを克服できないと、碁そのものが、強くなれない。 これは、負けに慣れろ、ということではない。 負けを認めることに、潔くあれ・・・と言うことだ。 辛さ、悔しさは内に秘め、それをバネにして、次の碁に臨めば、いいではないか。 勉強に励めば、いいではないか。 切腹に臨んで、「あー痛そうだなぁ・・・」などと、ためらう者を、 誰がサムライと呼ぼうか。
|
- 【囲碁】KGS Go Server スレッド 【71】
762 :名無し名人[sage]:2014/04/06(日) 10:26:26.06 ID:OgSVg9AX - 私の運営する碁会でも、実は投了嫌いが少なくない。
大差の碁を、平然と打ち続けている。 もしかしたら、大石の生き死にを、錯覚しているのかな・・・ と思って、声をかけてみると・・・ 「ええ、そこは死んでいます。分かっています。でも地合では、いい勝負でしょう・・・」 これは、形勢判断の出来ない人である。 いや、出来なくはないが、自己査定に甘い人である。 「ええ、そこは死んでいます。分かっています。でもこちらを取るつもりです・・・」 無理だってぇ・・・願望は自由で、その闘志は買うが、客観性も持たねばならない。
|