- 【囲碁】名人戦総合スレッドPart42(第37期〜)
357 :名無し名人[sage]:2013/02/02(土) 13:29:44.19 ID:d+7venns - 去年の週間碁にあったチクンへのQ&A.1
Q 小林光一さんの「名誉三冠を祝う会」があったそうですね。治勲先生の祝辞は大爆笑だったとか。 一囲碁ファンとして、心からお祝い申し上げます。 ところで、治勲先生は小林さんとは犬猿の仲だったとか。 これをいい機会に洗いざらい話してすっきりされてはいかがでしょうか? 以前からずっとずっと、気になっていました。 A 二十五世本因坊治勲 三ヵ月ほど前、光一さんから電話がありました。「治勲、今度オレの会があるから何か話せ」って。小林先生の頼みじゃ断れません。会では禮子さんの話と内弟子時代の話をしました。 昔、光一さんとはたしかに仲が悪かった。彼は、碁はもちろん、何に対しても一生懸命。逆にぼくはちゃらんぽらんで適当、いい加減。仲良くなれっていうほうが無理ですよ(笑)。 でも、いまはもう、何のわだかまりもありません。雲行きが変わるきっかけになったのは交通事故です 。昭和六十一年、光一さんを挑戦者にむかえた棋聖戦が始まる直前でした。
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358 :名無し名人[sage]:2013/02/02(土) 13:32:51.69 ID:d+7venns - 死んでもおかしくなかったと医者に言われたように、両足と左手を骨折する重傷。碁を打つために必要な頭と右手は無事でした。
七番勝負は車椅子で打つことになりました。第一局はぼくの負け。 ただ、光一さんが椅子対局を了承してくれたのはうれしかった。でも第二局をぼくが勝ったら光一さん、こう言うんです。 「椅子では打てない。これじゃあいつもの調子が出ません」 三局目。なんと光一さんは台座に乗って、車椅子のぼくとの高さを調節することになりました。その対局はぼくの勝ち。 四局目、同じように車椅子と台座で打って、光一さんが二勝目をあげ、シリーズも棋聖奪取で終了。 ただ、悔しさよりもすがすがしさが残りました。「椅子対局は嫌」と言ってくれた光一さんは、裏表のない正直な人と気付いたから。 このシリーズ、七番勝負の日程を遅らせたらどうかという意見をはじめ、ぼくへの同情の声がかなりありました。しかし、よくよく考えたら事故はぼくの責任。光一さんには何の関係もありません。 もし逆の立場だったら。ぼくなら途中から畳で打つとはいえなかったと思います。そのかわり、心の中では、仲間内では、くどくど文句を垂れ流していたでしょう。
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359 :名無し名人[sage]:2013/02/02(土) 13:33:55.47 ID:d+7venns - 感動を覚えました。光一さんはぼくと違う。正直で裏表がない。
それ以降、光一さんについて考えると、いいことだらけに思えてくる。今まで嫌な奴、なんだこの野郎と思っていたのが一つ一つ、理解できるから不思議です。 そしてある結論に達しました。 「こういう正直な人を嫌いなのは、オレ自身が間違っているからではないか」と。 それから、光一さんには何をいわれても尊敬の念というか、この人の言葉は信じようという思いが湧いてきました。 十年、二十年会っていなくても真の友人は昨日のように昔に戻れるといいます。そんな友情があの事故から生まれたと思っています。 ま、ぼくはウソつきだから、正直な人が好きなんでしょうね(笑)。 最後になりましたが、光一さん、名誉棋聖、名誉名人、名誉碁聖おめでとう。名誉本因坊もあれば最高だったね。なんで名誉本因坊が、ないんだろうねえ…。 だってさ。
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