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助けて!名無しさん!
歴代FE主人公が兄弟だったら 38章

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歴代FE主人公が兄弟だったら 38章
479 :助けて!名無しさん![sage]:2011/11/01(火) 09:45:23.23 ID:pA1PSrKQ
唐突に書きたくなって書いた。リーフって将来どうするか気になったので

朝起きてみれば家には出掛けようとしているエリンシア姉さんしかいなかった。
道理で普段と異なり休日なのに何かの破損音や金属同士の衝突音、衝撃波がない訳である。
「おはようエリンシア姉さん。これから出かけるの?」
何かを書きかけていた姉さんに声をかけると姉さんはちょうどよかったといった表情になる。
「ああ、よかった。ごめんなさいねリーフちゃん。これからどうしても出かけなきゃならなくて……」
「ああ、いいよ。たまには姉さんも楽しまないとね。で、誰か来るの?」
わざわざ書き置きを残すということは誰かが家にいる必要がある。来客か、宅配便のどちらかだろう。
「ええ、午前中に竜王家の方がこれを受け取りに来るの」
そういってエリンシア姉さんは冷蔵庫の中からケーキを取り出した。
「本当は今日家で振る舞うつもりだったのだけど……どうしても用事が」
「うん、わかった。午前中ならいいよ。気にしないで行ってきなよ」
出かけるのは昼からでも構わない。どうせ昼食は家で食べるつもりだし。
「ありがとうリーフちゃん。じゃあそろそろ行かないと。よろしくね」
「気をつけてね」
と、慌てて玄関へと駆け出す姉を見送り、僕は居間の椅子に腰掛ける。
たまにはこういう休日も悪くない。普段なら何度も痛い目にあうし。
誰もいないから気にせずに好きなテレビやゲームもできる。
僕はこのような機会をくれた神様に感謝しながらテレビのスイッチを入れるのだった。

「どうもありがとうございます」
竜王家から使用人が来たのでケーキを渡す。聞けばセリス兄さんやエフラム兄さんもいるそうだ。
ケーキを食べるときに生じるであろうユリウスの不幸を想像する。
あとで竜王家からまた爆発が起こるんだろうなと思うと自然にこの言葉が出てしまう。
「頑張ってくださいね、修理とか」
「ははは……」
全てを悟りきった表情で苦笑するアインスさん。
という訳で相席をやんわり断り、僕は昼食を作ろうと台所に向かおうとした。
「あら、リーフ。今日は珍しく酷い目にあってないのね」
その背後からいきなり声がする。とはいえいきなりワープしてくるのなんて……
「まあね。幸い家族は全員出かけたし、出歩かなければこんなもんさ」
「なら私がおしおきする?」
相変わらずの黒い、どこか楽しそうな笑顔でサラは僕の後ろに立っていた。
「やめてくれよ。これから静かに昼食を食べたいんだから」
「なら私にもちょうだい。まだ食べてないから」
「はいはい。なら居間で待っててくれよ」
歴代FE主人公が兄弟だったら 38章
480 :助けて!名無しさん![sage]:2011/11/01(火) 09:46:16.96 ID:pA1PSrKQ
「……野菜はいらない」
「ダメだよ、育ち盛りなんだからサラは」
自慢じゃないが僕もそれなりな料理は作れる。まあ野菜を使うのが得意だ。
家庭環境が環境だからサラは好き嫌いが多い。エフラム兄さんが矯正しようとしてるのだが、
それでもそう簡単には矯正できない。だから僕は今日いろいろ工夫してる。
「別に、兄様だったらこのままの方が喜ぶし……」
といってサラは野菜サラダを遠くに置いてスープを飲み始める。
「まあいいけどね。そのサラダはあんまり栄養ないし」
本命はその緑黄色野菜をふんだんに使用したスープ。見た目ではわからない分飲みやすいはずだ。
「で、そのスープはおかわりいる?」
なんだかんだでスープはしっかり飲んでいる。気に入ったのだろう。
「ん、ちょうだい」
作戦成功。内心を悟られないように僕はおかわりを注ぐのだった。

「まあ、ああいう工夫をした野菜なら私も嫌いじゃないの」
食後、実は全てを知っていたという表情でサラは言った。
そういえばサラは読心術に長けていた。まあでも飲んでいたから気に入ってはくれたのだ。
「で、今日はエフラム兄さんをミルラちゃんに取られたから来たんだ」
「まあね。たまには譲ってあげるのがマナーだから」
「さて、エフラム兄さんの代わりになるかはわからないけど僕と話すかい?」
サラは本質的には寂しがりやだ。それは僕もエフラム兄さんも知っている。
だからサラが容易に頷くこともわかっていた。さて、何から話そうかな。

「リーフってさ、高校を卒業したらどうするの?」
ふと、会話の最中にサラがそんな質問をしてきた。
「うーん、具体的には決まってないんだよね。まあしたいことはあるけど」
「したいこと?」
「何でも屋かな」
僕は何でもそれなりにはこなせる。でも裏を返せば一流にはなれない。
ならそれを活かして僕はいろんな人の手助けをするのがいいんじゃないだろうか。
「リーフらしいわね。ナンナ達が手伝うって言ったらどうするの?」
「その時は……断るよ。だってナンナ達は大学に行くだろうし、行かない理由はない」
うちはこういう家庭だから大学まで行くのは苦しい。そういうのは頭のいい兄姉達が行くべきだ。
「本当はナンナ達と大学に行きたいんじゃないの?」
「行きたくない……と言ったら嘘にはなるかな」
「ナンナだったら私の家が学費を出しますって言いかねないわ」
「そうだね、けどそれは断らないと」
そこまでして勉強する価値が僕にあるかはわからないから。
歴代FE主人公が兄弟だったら 38章
481 :助けて!名無しさん![sage]:2011/11/01(火) 09:46:46.70 ID:pA1PSrKQ
「でもリーフ。たまには自分に正直に生きてみたら?」
「生きてるさ、生きてるからこうやって楽しんでるよ」
「嘘。リーフはいつも他人の幸せを優先しようとしてる」
「そんなことは……ないよ」
「じゃあどうして大学に行きたいって思わないの?奨学金とかもあるのに」
「そ、それは……」
「街中でナンパしてるのだって私達に嫌われるため」
「……違う」
「違わない。リーフ、リーフはもっと自分に素直になるべき」
目の前の少女の言葉に僕は反論できない。それは正しいから、僕の本心だから。
「……リーフ、私達はそういうリーフだから好きなの。けど、たまには本当の気持ちも教えてね」
「サラ……」
僕は……
「こんな湿っぽい空気はおしまい。ゲームしたいから準備して」
「わかったよ。ありがとうサラ」
今日のサラの言葉で僕は変われたかもしれない。そう思ったからこそお礼が言えたのだろう。

ゲームに夢中になり、気がつけばもう夕方だった。そろそろ皆も帰ってくるだろう。
「じゃあねリーフ。また明日」
僕がそろそろ帰りなよって言う前にサラはリワープで消えていた。
と、同時にエリンシア姉さんが慌ただしく帰宅する音が聞こえた。
「自分に正直に……か」
とりあえず奨学金について調べてみることにしよう。今はまだ必要になるかはわからないけど。もしかしたら行きたくなるかもしれない。

終わり


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